世界一周76日目(9/12)
ドミトリーの横に
団欒スペースがあった。
僕は電源を確保して
そこまでテーブルと椅子を
移動させて漫画の製作をする。
隣のベッドにいる
ドミトリーのおっちゃんは
カンポットのバーで働いているらしく
朝方に帰ってきて
昼過ぎまで寝ている。
起きたらどこかへ行ってしまうので
実質このドミトリーは
僕の占有状態にあった。
だから
団欒スペースの一角を
自分のテリトリーに変えてしまっても
誰も文句は言わないぜ。
時々気分転換に
ギターを弾いたり
近所に
揚げバナナ(3本1500リエル/37yen)や
コーヒーを買いに行ったりした。
この数日間の滞在で
ホテルのスタッフや
近所のローカルなレストランの人の
表情の変化に気づく。
「やぁ。
今日は何をするんだい?」
「もうちょっと
ゆっくりしてきなよ」
彼らは僕を目にすると
「ハロー!」と挨拶をしてくれて
人懐っこく話しかけてきてくれる。
僕の行動範囲が狭いのもあるけど
2日以上同じ場所に留まると
周りにいる人たちと
ちょっとだけ距離が縮まるんだ。
旅をしながら漫画を描くと
宿によってはテーブルがあれば
なかったりもする。
まぁ、宿には大体テーブルがあるんだけど、
照明が不十分だったりする。
時にはランタンライトで
手元を照らしながら
漫画を描く時だってある。
今回は自然光が重要だった。
日が沈むと団欒スペースの
ライトの明かりだけでは不十分で
僕はさらに明るい場所を求めて
テーブルを2台くらい代え
ようやく1ページの漫画を
描きあげた。
たかが1ページでも
下描きからペン入れ、
ベタ(筆ペンで黒く塗ること)
までも自分でしなくちゃならない。
プロじゃないんだから
当然っちゃ当然なんだけど、
こういう単純作業はね、
誰かに手伝ってもらいたいよ…
描き上げると
もうヘトヘトで
脳みそが糖分を求めていた。
すかさず
オレオを買って、
ソッコーで完食する。
(何故かカンボジアでは
他のお菓子に比べてオレオが安いのだ。)
それでも満足できずに
いつものローカルなレストランへ。
「なあ!
私の顔を描いてくれないか?」
宿のおっちゃんが
声をかけてくる。
オーケー、オーケー。
今はちょっとヘトヘトなんだ。
後でね。
ラーメンっぽいものが食べたくて
「ヌードルある?」
っていって注文して出てきたのは
インスタント麺を
炒めたものだった。
自家製麺より
インスタント麺の品質の方が上
ってことなのだろうか?
他の屋台でも
インスタント麺を
置いているところが多い。
僕はスープ的な
ヌードルを食べたかったんだけどね…
昼ごはんも
ろくに食べていなかったので
安いものを追加で注文した。
出てきた料理は
「ラッチャ・エッグ」
短めの麺を甘めのソースで
野菜と一緒に炒めた
カンボジア風焼きそば。
3000リエル(74yen)。
「豊かじゃない国のごはんは
イマイチだよ」
と旅の途中に出会った誰かが
言っていた。
いやいや
そんなことはないぜ?
これは旅人にとっての
カンボジアの定番料理と言っても
差し支えないんじゃないか!
この安さとボリューム。
ありがたい。
やっぱり
僕は東南アジアにいる以上
痩せられなさそうだ笑。
安いものしか食べてこなかった
僕の味覚のせいもあるだろうが
東南アジアのご飯は
安くて美味いよ。
レストランは
経営しているご家族が
総出で料理を作ったり
オーダーをとったりしている。
そこまで混むようなお店じゃないから
昼過ぎに見ると
ヒマそうにしていることも
あるんだけど。
ここの女のコと
赤ちゃんが可愛かった。
2歳のこの子は
スマホの音楽アプリをいじって
ノリノリで体を揺する。
日本でも
小さい子がスマホやらタブレットで
あやされていたのを目にしてきたけど
それはどうやら
国外でも同じみたいだ。
お腹がいっぱいになって
僕はレストランのみんなに
おやすみを言って宿に戻った。
宿に戻ると
似顔絵を描いてくれ
と言ったおっちゃんが
子供に勉強を教えていた。
なんだかいいな
こういう風景。
「家族」っていいよな。
僕は紙を一枚もらい、
下描きなしで
一枚絵を描いた。
描いた絵を渡すと
おっちゃんは嬉しそうに
「サンキュー」と言い、
大事そうに
ノートの間に僕の描いた絵を挟んでいた。
チェックアウトする時、
その絵はテーブルのビニールマットの
下に挟んであった。
そういうのって
描いたこっちも嬉しくなるよ。
そんな旅する漫画家のゆるい日常。
うまくいかなかったり、
時々ヘコんだりして
ラッチャ・エッグ2皿食べたりもするけど
僕は今日も旅をしています。
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