「エルサレムの生活感」

世界一周523日目(12/3)

 

 

早起きできない。

何も準備していない。

シャワーさえも浴びていない。

 

 

それなのに、
僕はイスラエルに
突入しようとしている。

 

 

 

まぁ、準備してないって言っても
情報収集は少しはしたよ。

事前にイスラエル・シュケルが必要だってこと。

くらいかな?

 

 

 

ここはヨルダン、
アンマンのマンスールホテル

 

 

 

 

起きたのは10時過ぎだった。

チェックアウトが11時までなので、
パッキングを済ませてレセプションへと降りた。

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情報ノートをiPhoneで写真に撮ったり、
適当に誰かのブログを読んだりして譲歩を調べたり、
一日遅れでエルサレムに来る松本さんご夫婦と
Facebookの連絡先を交換したりして、

最後にオーナーのおじいちゃんに
「チェックアウトするからね」と伝えて宿を出た。

 

 

宿のすぐ近くにはいくつか両替屋があったが、
そのどこもレートが違っていた。

僕は30ディナール(5,097yen)分を
イスラエル・シュケルに両替しようとしていたのだが、
レートアプリで計算すると
「169シュケル」と出るのにもかかわらず、

中には120シュケル(3,615yen)になってしまう
ヒドいレートの両替屋もあったくらいだ。

僕は思わず

「それって手数料取ってないよね?」
と訊いてしまった。

 

 

 

 

160シュケルで両替してくれる場所を見つけて
イスラエルの通過を手に入れた僕は、
バスターミナル行きの
セルヴィス(乗り合いタクシー)を探した。

 

 

何人かの運転手に当たって、
ようやく一人0.4ディナール(68yen)で行ける
セルヴィスを見つけた。

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セルヴィスは白いセダンが
乗り合いタクシーとして利用されている、
その程度のものだった。

バックパックなど荷物代を含めて1ディナール(170yen)で
ムジャンマ・シャマーリーに着いた。

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何度口にしても
このバスターミナルの名前が覚えられない。
「ムジャマぁ〜…あれ?ムシャマ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

客引きを

かわしながら、
イスラエル行きのセルヴィスを探した。

 

 

イスラエルは入国審査に厳しい国として有名だ。

その原因は周囲のイスラム教を
主に信奉する国から嫌われているからだ。

 

 

あとから調べてわかったことがだが、
この国の成立と、それに付随するパレスチナ問題は
20世紀の始めに遡る。
いや、それよりももっと前にあったのかもしれない。

「フセイン・マクマホン条約」とか
イギリスの二枚舌外交とか、

調べると浪人時代に勉強した聞き覚えのあるワードが
いくつも出て来た。

もう自分から思い出すことは
できなくなっちゃったけどね。

 

 

 

そんな入国審査に厳しいイスラエルだが、

 

 

 

抜け道がある。

 

 

 

キング・フセイン橋という場所から入国すれば
パスポートにノースタンプで
イスラエルに入ることができる。

(ちなみにイスラエル入国の
スタンプがパスポートにあると、
行けない国が出て来たり、
入国の際にめんどくさくなったりするらしい)

 

 

ムジャンマ・シャマーリーのバスターミナルには、
何台も「キング・フセイン橋」行きの
セルヴィスが停まっていた。

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ところてん方式のように
一台の車が定員になれば次のセルヴィスの番になる。

車体にも英語で「KING HUSEIN BRIDGE」と書かれていた。
荷物代含めて7ディナール(1,189yen)。

 

 

15分くらい待って定員になると、車は走り出した。

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キングフセイン橋をいつ通過したかは分からないが、
ヨルダン側のイミグレーションでタクシーを降ろされた。

出国税が10ディナール(1,699yen)だ。

それにイスラエルのイミグレーションまで行くのに
7ディナール(1,189yen)のバス代がかかる。

荷物代は一つにつき1.5ディナール(255yen)。

僕はバックパックとギターを預けて
合計10ディナールかかった。

年々、この料金も上がっているようだ。
二年前の情報ノートとは微妙に金額が違っていた。

 

 

 

 

荒涼とした緩衝地帯を抜けると、
イスラエルのイミグレーションに着いた。
ものの15分だ。

バックパックにタグをつけて
ベルトコンベアーに流す。

 

 

最初の受付で、Sッ気のあるお姉さんに

「あなたの乗って来たバスはどれなの???」

と質問された。

後ろを振り返ったてバスを見たが、
それがさっきまで僕が乗っていたバスなのか、
同じ車体の別のやつなのかはよく分からなかった。

いや、そんなことを質問されると
なんだか自分が乗って来たバスは
すでにその場から立ち去った後
のように感じるんだから不思議だよ。

てかそんなバスごときで、
グチグチ質問してんじゃねーよ。

 

 

「どっちなの!このバスなの?
それともミニバス?」

「いや、このバス…

だったと思うよ?

さっき前にいたフランス人の家族と
一緒のバスだったんだ」

「ほんとうにこのバスなんでしょうね…???」

 

 

噂に聞いていた通り、
入国の際の質問が
“粘着質”だ。

まだここは入国審査の前の段階だってのに。
先が思いやられる。

 

 

 

なんとか最初のゲートを通過し、
荷物を探知機にかけた。

誰に「ノースタンプ」と言えば
いいのか分からなかったので、
金属探知機の場所にいたお兄さんに
魔法の言葉を唱えると、
「心配しなくてもいいよ」と言ってくれた。

 

 

あとは比較的スムーズだった。

必要書類を書いて
パスポートにある写真のコピーが
入国カードに貼付けられて戻ってくる。

それを手に入れるまで20分くらい待ったが、
まぁ、そんなもんっしょ。

 

 

最後の最後に意地悪そうなイスラエル人が
「お前、金属探知機で何か言われなかったのか?」
とよくわかない絡みをして、

変な受け答えをしたら別室に連れて行くような
威圧的な態度で質問してきたが、
まぁ、ここも何も問題なく通過することができた。

 

 

パスポートには他のイスラム教の国のスタンプは
イランとモロッコとトルコくらいしかない。

イエメンとか、もっとイスラム教が厳しい国の
スタンプが合った場合にはもうちょっと質問されたり、
待たされたりすることがあるらしいけどね。

 

 

他に僕がイミグレーション通過のために
何か準備をしてきたか付け加えておくなら、
泊まる(ことにしている)ホテルの住所を
スクリーンショットでデータにして残しておいたくらい。

 

 

 

 

 

 

 

イミグレーション

を通過してすぐのところで
エルサレムの市内に行くミニバスのチケットを買った。

42シュケル(1,265yen)。
しょっぱなからお金がかかる。

バスの中でウトウトしていると、
あっと間に中心地へ着いた。

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バスから降りてまず一番先に感じたのは、
ここがエルサレムだって思えなかった
ってことだ。

 

 

ごちゃごちゃした街並。

路上でタバコやティッシュを打っている
スカーフを被った老婆。

どこか砂っぽくて、
それに排気ガスが混じっている。

インドと良い勝負だ。

ヨルダンに比べれば大分温かかった。

 

 

 

 

いつものようにマップアプリで
現在地を確認したのだが、
上手く位置の測定ができなかった。

ここにいてもしょうがない。

とりあえず城壁の中へと入っていった。

 

 

城壁の中は外よりも賑わっていた。

狭い石畳の路上では雑貨や
お菓子や野菜が売られている。

本当にここがあのエルサレムなのか?

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ブログやテレビを通して
自分が持っていたイメージとは大分かけ離れていた。

もっと厳かで、
心の底から神を信じる人と観光客から成る、
バスキングなんてやる隙が1ミリもないイメージ。

「三大宗教の発祥地、エルサレム」

 

 

 

だが実際にここに来てみるとどうだろう?

地元の人たちで賑わい、活気に溢れている。

観光客向けのカフェに入って
10シュケル(301yen)のアメリカーノを注文して
Wi-Fiにありついた。

どうやら今僕がいる場所が旧市街のようだ。

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一時間くらい
でカフェを切り上げた。

路上の写真集を持っているくらいの
路上フェチの僕にはたまらない場所だな!こりゃ!

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バックパックを背負ってノシノシ歩いて行く。

お土産屋の男の子たちが
「ジャパニーズ?ギター弾いて!」と言ってきたので
快くリクエストに応えようとしたのだが、

数日前からひいている鼻風邪のせいで
まともに唄うことができなかった。

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雑貨屋の男の子たちに別れを言って、
そのまま旧市街をフラフラと歩いた。

ここは宗教によって区分化されているらしい。

「クリスチャン・クォーター」
「ジューイッシュ(ユダヤ)・クォーター」
「ムリスム・クォーター」
「アルメニアン・クォーター」

と4つの区分に別れているらしいが、
どこからが何の地区なのかはよく分からない。

 

 

ふーん。今調べたんだけど、

紀元前に大アルメニア大国があって、
エルサレムと国交があったんだと。

イスラム勢力がせめて来た時は
資金援助をしてきたことから地位を固め、
今ではその名残が残っていると。

このオールド・シティーでは
一番小さな地区なんだそうな。ふーん…。

僕も最初『なんでアルメニアなんだ??!!』
って思ったもんな。

 

 

 

 

マップアプリを見ながら
オールド・シティーを歩いた。

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気づいたらイエスが十字架を
背負って歩いたとされる
ヴィア・ドロローサ」を歩いていた。

僕は信仰心なんてこれっぽっちももたないし、
ここがその歴史が動いた現場だという実感はなかった。

狭い路地にはシャッターの閉まった店が
いくつも連なっていた。

 

 

 

ここで人が生活をしていることが
僕にとってのリアルだ。

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イエスがほんとうにいたかどうかなど、
僕にとってはあまり関係のない話だ。
そもそもクリスチャンじゃないからね。

だけど、ここに暮らす人たちの姿を見ると、
エルサレムの日常を感じることができた。

何人かは僕に
「ジャパンか?よくきたな!」と声をかけてくれた。

 

 

やっぱり目の前にいるヤツらが一番大切だ。

目には見えない、いるかどうかもわからない
空気みたなものにすがるよりは、
今ここにいる人たちとの時間を大切にする方が
よっぽど大事なんじゃないかなと思う。

相変わらず、人は、誰かと違うと
それに程度のさこそあれ拒否反応を起こす。

集団で暮らす人間は異質な存在を排除するように
遺伝子的にインプットされているのかもしれない。

 

 

 

 

最近気をつけなくちゃ
いけないなと考えているのが

 

 

「違いを認めること」

 

だ。

 

 

自分が正しい、そうあるべきと思っていたことは、
他の人からしてみたら全く違う場合がある。

以前はそれをうまく受け入れることができなかったけど、

今は
「いいじゃん。いいじゃん。それもありだよ」
と考えられるようになってきた。

1年5ヶ月も旅をしてきたんだ。
そりゃ僕も少しは成長したさ。

 

 

 

 

 

ジューイッシュ・クォーターのピザ屋さんで
コーヒー一杯で23時まで作業した。

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キッパを被った男の子が
「他に注文は?」と何回も訊いてきたけど、
僕は「大丈夫」と手でジェスチャーし、
快適な作業環境を提供してもらった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして

僕は寝床を探しに外に出た。

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オールド・シティの壁を越えてしまうと、
途端にボロボロの家が立ち並ぶようになった。

車のフロントガラスが粉々に割れているのを見た。

飼い犬だか野良犬が遠くで吠えている。

暗がりでフードをかぶった男が
ボソボソと話しているのを横切る瞬間に
体から一気に汗が噴き出した。

 

 

こんな時間に歩いているなんて、
ちょっと危ないかもしれないな…。

早く寝床を見つけないと。

てかどこにあるんだ?

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壁の外はなかなか坂が厳しく、
坂を引き返すのにも骨が折れた。
汗がTシャツを湿らす。

途中で開いていた売店で
チョコとタバコを一本買った。

タバコ一本で4シュケルだなんて
なかなかに高いぜ?こりゃ明日から禁煙かな?

 

 

「よう。どっから来たの?」
お店の男の子が僕に尋ねた。

「日本だよ」

「ジャパーーーン♪」

 

 

お店の男の子は僕が日本人であることを知ると
少し態度がフレンドリーになった。

 

 

「ここって、治安悪かったりするの?」

「やー、そんなことはないよ。
時々イザコザがあるくらいかな?」

「ふーーーん。ここに住んでるの?」

「そうだよ」

「じゃあ、そろそろ行くわ」

「おう。またね。
おれ、だいたいこの時間はここにいるから、
何か必要だったら売ってやるよ」

「サンキュー。じゃあおやすみ」

「ああ。グンナイ♪」

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そんな風にして壁の外の売店の男の子と別れた。

たぶん今日も大丈夫。
どこかこの街に受け入れてもらえた気がするから。

 

 

 

東側の壁沿いに街林みたいなところを見つけた。

若干傾斜がついていたが、
壁際で影になっているポジションにテントを立てた。

 

 

イスラエルの物価はヨーロッパ並みだ。

だからここでは野宿。

 

 

 

まだスペインの野宿から、
まだ一ヶ月も経っていないのに、
一睡もすることができなかった。

今日、ここまで来るバスの中で少し寝たからか、
さっきコーヒーを飲んだからかはわからない。

 

 

壁の外を歩く人の足音や車の走行音がやけに気になった。

夜中に突然聞こえる何かの破裂音にビクっとなった。

4時くらいまで野良犬の遠吠えは途切れることはなかった。

テントのすぐ近くまで来て吠えているのもいた。

 

 

僕はテントの中で身構えていた。

こっちに対して吠えているのではないってことは
分かっているんだけど、その犬の鳴き声が
どこかに行ってしまうまで安心できなかった。

 

 

 

あぁ、おれはなんでここで
野宿なんてしているんだろう?

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