世界一周606日目(2/25)
結局
ウチダくんとは夜を明かして語った。
屋上で「腹減った~!」とか言いながらも、
インタビューというよりかは、
純粋にウチダくんの旅の話を楽しんでいた。
ここはタンザニア、首都のダルエスサラーム。
アフリカをトータルで7ヶ月旅してきた
(そして僕と会う前日にタクシー強盗に遭って帰国日が早まった)
ウチダくんに会いに、僕はここへやって来たのだ。
ダルエスサラームの人々の朝は早いようだ。
7時半を過ぎて僕たちも外に何食べに出かけた。
ウチダくんが教えてくれたのは、
「ダーバン・ホテル」というホテルの前の電気屋さん。
店自体はまだ営業してはいないのだが、目の前の二段ほどの段差が
朝の憩いの場のようなスペースになっていた。
タンザニアはコーヒーがポピュラーなようで、
ヤカンを持ったおっちゃんが小さな茶碗で一杯、
100シリング(7yen)でコーヒーを売っている。
そして、この電気屋の前には向かいのダーバン・ホテルから
パスワードのいらないフリーのWi-Fiが流れてくるのだ。
「夕方なんて、ここにみんな集まるんですよ?」
そうウチダくんは教えてくれた。
僕は数日ぶりのWi-Fiにありついた。
今いる場所はイスラム地区なのか、
通りにはイスラム教の旗が渡されていた。
目の前を通勤、通学途中の人や、
スカーフを巻いた女性がせわしなく横切る。
そのような風景を見ていると、
ここが思っていたよりも危険ではないように思えた。
きっと僕より早くここを訪れたマサトさんやトシさんは、
こういうのを見てこの街に良い印象を持ったのだろう。
僕はようやくこの時間帯になって、眠くなってきたので、
コーヒーを二杯飲んで目を覚ました。
反対にウチダくんの方は
ほとんど寝ていないというのに僕より元気だった。
スペイン人の友達にもらったという
新しいスマートフォンに必要なアプリをダウンロードしていた。
使っているのはサムソンのギャラクシーで日本語にも対応していた。
今日は、旅先であったその心優しき聖者のようなスペイン人の友達と
ザンジバル島にバカンスにでかけるらしい。
そして、これでウチダくんの旅はひとまず終わる。
「でも、卒業旅行で戻ってくると思いますよ!」
そう言うウチダくんは
根っからのアフリカ好きだと僕は思った。
一度宿に引き上げウチダくんはパッキングを済ませた。
友達との集合時間が10時半だっていうのに、
10時を過ぎてもウチダくんのパッキングは終らなかった。
「ザンジバル島で欧米人ナンパするんで」
とか言ってアフリカのどこかで買ったらしい櫛を髪に入れている。
見ていてかなり使いにくそうだった。
う〜〜〜ん。これでナンパできるのかなぁ…?
結局時間5分前くらいに宿をチェックアウトして、
待ち合わせ場所にしている教会の前に向かった。
米軍払い下げのバカでかいバックパックと
牛追い祭りの時の赤いバンダナが結ばれた小さなサブバッグを身につけた
フル装備のウチダくんの姿を見ると、
もうお金なんて持ってないだろうなという感じが
十二分に伝わって来た。
昼前のダルエスサラームは日差しが強く、
おまけに湿度もあった。まるで日本の夏のようだ。
歩いているとすぐにじんわりと汗をかいた。
教会は宿から5分もかからない場所にあったが、
友達のスペイン人はまだ来ていなかった。
ザンジバル島行きの船が出るフェリーターミナルは
教会のすぐ目の前にある。
なぜフェリーターミナルを
待ち合わせ場所にしなかったのか気になるところだ。
しかも出航まで1時間もあるのだ。
ウチダくん曰く「混雑を見越して」と
「ターミナルに入れるのが30分前からだから」
ということらしいが、
こんな炎天下の中待たされちゃたまったもんじゃないよな。
日陰にひとまず待機して、僕が荷物番をしている間に、
ウチダくんは教会周辺やフェリーターミナルまで
友達のスペイン人を探しに行った。
それでも時間ギリギリまで友達は現れずに、
僕たちはしかたなくフェリー乗り場に向かった。
どっちにしろ一日に一本しかフェリーは出ていないようで、
ここで会えなくてもフェリーの中で会えるだろうとのことだった。
結局その友達のスペイン人は
時間直前になってフェリーターミナルに現れた。
僕は「よい旅を」と言ってウチダくんたちを見送った。
ちなみに僕はザンジバル島へは行かない。
だってフェリー代が往復40ドルもかかるのだ。
散歩するようにアフリカを旅することを決めた僕に
バカンスだなんてできないよ。
ウチダ
くんと別れた後、僕は宿の周辺を一人で散策した。
タンザニアに来てから思ったのが、しょっちゅう現地の人から
「ジャンボ!」や「マンボ!」と挨拶されることだ。
もちろん、この国でも他のアフリカ諸国と同じ、
外国人(アジア人)に興味を持っているのもあるが、
みんなニコニコしながら挨拶をしてくれるのだ。
挨拶をされる側からしてみると、
どこか歓迎されているような気がするし、
単純にいい気分になれる。
中には僕にココナッツジュースを
ごちそうしてくれるおじさんもいた。
英語ははちゃめちゃで、何を言わんとしているのかは
よく分からなかったが、近くにいた英語の話せるエチオピア人が
通訳を買って出てくれた。
そのエチオピア人は数年前に起こった部族間の抗争から
タンザニアまで逃げて来たと言った。
親兄弟が皆殺しにされ、自身も命を失いかけたと僕に言った。
彼の片手の中指と薬指は第一関節より先がなかった。
ウチダくんを襲ったタクシー強盗犯もソマリアから
ここへやって来た移民だと言うし、
ダルエスサラームにはいろいろな人間が住んでいるのだろう。
そのエチオピア人とは普通に別れた。
街を行ける範囲で歩き回った僕は、
汗だくになり、何本もドリンクを飲んだ。
もうアフリカでは小食になってしまったので、
そこまでお腹は減らない。
適当にバナナを食べれば、かなり腹持ちする。
僕は数日絵が描けていなかったので、どこかいい作業場を探していた。
見つけたWi-Fiの使えるカフェで3500シリング(229yen)もする
カプチーノを注文して、いつものノートに漫画を描いた。
出て来たカプチーノは想像以上だった。
カップには綺麗な「リーフ」が描かれていた
(それにクッキーもついて来た!)
お店のスタッフたちはいきなりやって来たアジア人が
ノートにお絵描きを始めたので、かなり興味津々だった。
店の方も値段設定が高めなのでそこまで混雑していない。
暇な時間帯の彼らの主な仕事は店内に入って来た蚊やハエを
電気が流れる殺戮ラケットで殺すことだった。
「バチッ!バチバチッッ!!!」
と店内に無視たちが一瞬で
焼き殺された時に発せられる音が響き渡った。
僕はその度にビクっとさせられた。
あれ、前もって伝えて欲しいですよねぇ。
暇なスタッフの何人かは僕のテーブルまでやって来て、
似顔絵を注文してきた。
僕はカサブランカ空港で出会った
みほちゃんさんからもらった無印良品のメッセージカードに
似顔絵を描いてプレゼントした。
メッセージカードの色自体が茶色だったので、
彼らの肌の色を表現するのに斜線を引かなくても済んだ。
Wi-Fiはかなり良好だったので、
作業をしている間にYouTubeで音楽を聴くことも出来た。
スイスのチューリッヒでお会いしたウォーホルさんから
教えていただいた”青葉市子”を僕は聴いていた。
ライブ映像の曲、
「機会仕掛乃宇宙」の歌詞をじっくり聴いていると、
思わず泣きそうになる。
ギター1本でここまで世界観を表現できることに
僕は衝撃を受けた。
日本に帰ったらライブに行きたいアーティストの一人だ。
僕が日本にいた頃から活動してたのに、
最近発見してビビった、ガールズバンドの
“SHISYAMO”もお気に入りだ。
あんなに若くて、こんなに楽器が上手く弾けるだなんて、
まいっちゃいますね。
日が沈むと、治安のことも考えてさっさと宿に戻った。
宿のすぐ横の食堂で野菜の全く入っていない
フライド・ライスを食べた。
汗でベトついた体を水シャワーで洗い流すと、かなりさっぱりした。
泊まっているシングルルームは
一泊8500シリング(556yen)。
ごきげんだね!
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