「出会いは奇跡か必然か」

世界一周707日目(6/6)

 

 

朝早くから

横の小道を人が通る気配がする。

それでもテントにちょっかいをかけてくる人は
いないのはありがたい。

時々ホームレスの人たとお喋りをする一般人の姿を見かける。
そこは日本よりもオープンなのだなと思うけど、
プライバシーの領域ってのはちゃんと存在するのだろう。

 

 

 

ここはアメリカ、ペタルーマ。向かうはサンフランシスコ

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マクドナルドでコーヒーとクッキーを二枚注文して
Wi-Fiにありついた。

Facebookを見ると金丸さんが新曲をリリースすると
誰かが情報をシェアしていた。
Soundcloudで「故郷」という曲がフル視聴できるらしい

 

 

イヤホンをサブバッグから取り出しその曲を聴いた。

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歳をとればとるほど、
物事の良さが理解できるようになった気がする。

10代の頃の僕はフォーク・ソングや
アコースティックの弾き語りの歌の良さなんて
これっぽっちも分からなかっただろう。

でも今なら分かる。

金丸さんの旅をブログを通して一緒に辿ってきただけあって、
そこからは音以上の物が伝わってきた。

 

 

コーヒーをすすりながら何度もリピートした。

「人のせいにするのはもうやめよう」

と何度もリフレインする。

人のせい?

他の人とは違う自分の歩む道。
自分の半生を振り返った時、どこかで
『こうなったのは誰それが原因だ』と頭に浮かぶことがある。

これは旅人へ、いや、
何か新しいものにチャレンジする人たちに向けた
出発の歌のように僕には思えた。

 

 

そろそろ行こう。

 

 

 

 

 

 

外で

アメリカン・スピリットを一本吹かし、
マップアプリを広げてフリーウェイの入り口が
どこにあるかを確認した。

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ハイウェイ直前で信号機が青に変わるのを待ちながら、
どこがヒッチハイクに適しているか見定めていると、
近くに停まっていたワゴン車から声がかかった。

 

 

「あなた!どこまで行くのかしら?」

「えっと、サンフランシスコまで」

「行くわよ♪乗せて行ってあげるわ」

髪の毛がグレーの女性が優しく声をかけてくれた。

 

 

信じられるかい?

僕は信じられなかった。

だって親指さえ立てていなかったのだから。

 

 

 

ジョアンさんの職業は
「acupancturist(アキュパンクチュリスト)」と言った。
辞書で調べると「鍼(はり)」と出てきた。

 

 

 

「私はね、今東洋、
それも日本の鍼治療を勉強している最中なの」

そう言ってジョアンさんは二人ほど日本の鍼治療士の名前を挙げたが、
僕は一度も耳にしたことがない名前だった。
「とても有名なのよ?」少し残念そうに彼女はそう言った。

 

 

「中国の鍼と日本のそれはまた違うのよ。
日本のはね、触っただけで患者さんのどこの具合が悪いのか
一発で分かってしまうの。
Don’t think,feelね」

「それってブルース・リーみたいですね♪」

「え?どういうこと?」

 

 

ブルース・リー主演の「燃えよドラゴン」の
冒頭部分の有名なセリフは時々パロディなんかで
用いられるくらいに有名なセリフだ。

 

 

それをジョアンさんは自然と口にした。

あのセリフは単にかっこいいだけのセリフじゃなかったってことか。
(いや、今見直したんだけど、やっぱありゃギャグだ) 

 

 

 

 

頭はまだいくらかボヤボヤしたままだったが
会話はかなり弾んだ。

 

 

「いや、僕の人生なんて
かなりリスキーだと思いますよ?」

「あらそうかしら?
私はあなた見たいな子供がいたら誇らしく思うけどね♪」

 

 

あぁ、「優しい」ってだけでそれは魅力になりえるんだな。

僕は彼女みたいな人と結婚したいなと思った。
まぁ、理想があっても家族を築ける力みたなのを、
僕は身につけなくちゃならないだろうけどね。

 

 

 

 

ジョアンさんはペタルーマの隣町で
僕に朝食をごちそうしてくれた。

「野菜が食べたいです」と言うと、
「ここから好きなのを選んでいいわよ」と
スーパーのサラダコーナーに僕を連れて行ってくれた。

ギリギリまで様々な野菜を容器に詰め込んでレジに持って行った。
一律13ドルらしいが、それでも高い。

それだけではなくコーヒーと食後のクッキーまで買ってくれた。

ほんとうにありがとうございます。

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食事をしながら自己紹介がてら僕の漫画を見せた。

手帳サイズのノートに描いてある英語の漫画をクスクス笑いながら、
時には「この気持ち、私にも理解できるわ」
と感想を述べてくれたりもした。

 

 

僕は少しでもお礼がしたくて似顔絵を描いた。

少し恥ずかしそうにしていたが、僕が似顔を書き終わると、
サッと紙幣をスケッチブックに挟んだ。

 

 

「いやいや!大丈夫ですって!
ただでさえ車に乗せてもらったのに!」

「いいのよ♪これで野菜食べてね♪」

 

 

50ドルだなんて…。

胸ポケットにありがたくしまっておいた。

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ジョアンさんは今日、
“Amma(アマ)”というインド人女性に会いにいく途中らしかった。
サンフランシスコの20kmほど隣りにある町に来るらしい。

彼女は平和活動家として有名らしく、
世界中の人とハグをしているらしい。
日本で震災が起こった時にもやって来たそうだ。
僕は彼女を知らなかった。

「今日が彼女に会うチャンスなのよ♪」

嬉しそうにジョアンさんは言う。

手元には自宅からアマさんが訪れる会場までのルートが
プリントアウトしたあった。

 

 

「だけど、ほら、サンフランシスコって
フリーウェイで囲われてるでしょ?
だからどこから会場に行けばいいのか分からないのよ?」

「それなら僕がオフラインのマップアプリを持っているので、
それでルートを確認しましょう」

 

 

そんなことを話している間に車は
どんどんサンフランシスコへ近づいていった。

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19年前。

僕が7歳だったころ、
家族でサンフランシスコ/ロサンゼルスを訪れたことがある。

その時の記憶と言えば、
ホテルからチャイナタウンまで行くのが怖かったのを覚えている。

親父に『ホテルまで帰れなかったらどうするの?』と何度も訊ねた。
親父が英語を話せるのか、子供ながらに
かなり猜疑心を抱いていたのも覚えている。
コテコテの日本語訛りの英語だったと思うけどね。

あの時母親が買った路面電車の電子オルゴールは
未だに清水家の冷蔵庫に貼り付いている。

 

 

「あの時のことは全く覚えていないけど、
戻ってきたと思うとなんだか不思議な気分になるんです。
時々、今いるのが夢か現実か分からなくなる時がありますね」

「大丈夫。これはリアルよ♪」

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ジョアンさんはサンフランシスコへかかる
「ゴールデン・ゲート・ブリッジ」がよく見える山の途中まで
寄り道をしてくれた。

サンフランシスコの街靄がかかり、それこそまさに夢の中、
もしくは映画の中の光景に思えた。

 

 

『あ~、もしかしたらおれ、
どっかで死んでんのかな?』

なんて冗談で考える。

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「前にもね、
旅人をヒッチハイクで乗せたことがあるのよ」

そうジョアンさんは話してくれた。

 

 

「その子はあなたと同じように
世界中を一人で旅している
20歳のニュージーランド出身の女のコでね。
ほんとうにキュートな女のコだったの。
私が「旅の中で危ない目や嫌な思いをしたことはないの?」
って訊くと、
その子は「なかった」って言うのよ。
「みんな親切でわたしによくしてくれた」って。
だから世界のどこへ行っても
人はみな親切で優しいのかもしれないわね」

 

 

ジョアンさんはそう言って二年前に会ったという
そのバックパッカーの女のコのことを僕に聞かせてくれた。

 

 

「それより、今日あなたはサンフランシスコでどうするつもりなの?」

「今、友達と連絡をとっていいて
彼の家に泊まらせてもらうことになっているんですけど、
彼は仕事があるから、それまでは街をブラブラしますよ♪」

「それなら植物園がオススメよ♪」

 

 

そう言ってジョアンさんは植物公園へと車を走らせてくれた。

植物公園は「ゴールデンゲート・パーク
という大きな公園の中にあった。

一方通行の道でなかなか目当ての植物園を見つけることができなかった。
僕は「まるで公園のツアーに参加したみたいです」と言った。

 

 

「あなたは世界中を旅してきたと思うけど、人はどうだった?
やっぱり国によっては違ったりするのかしら?」

「そうですね。
僕はやっぱり「人は人」だと思うんです。
みんなそれぞれの生活があって、家族を持ち、
平和を望んで暮らしているんです。

日本にいた時は「中国人は日本人を嫌っている」なんて
ネガティヴなニュースを見聞きしましたが、
実際に行ってみると全然そんなことはなかった。
今なら「中国が好き」って言えます♪」

 

 

僕は先日ボルティモアで起こった
黒人の暴動のことを引き合いにだした。

ブラックアフリカを旅した僕からは
先入観がいくらか払拭されていた。

 

 

「やっぱり個人は個人だと思うんですよ?
人種とかを越えて、個人同士だったら理解することが
できるんじゃないかなと僕は思うんです。

昔は世界規模の平和だとか争いごととかが解決できないことに
自分の無力感を感じたこともありますが、
今は「自分にはそんな力はない」んだって開き直ることにしています。
僕は聖人じゃない。
だけど、隣りにいる人を喜ばせたり笑わせることはできる。
そう思ってます」

「そうね。やっぱり私はまだ黒人に対して
『少し怖い』って思っちゃうんだけど、
個人レベルなら私たちは仲良くなることができるかもね♪」

 

 

 

 

 

植物園の前で車を降ろしてもらった。

 

 

「あなたと話せてよかったわ」

「僕もです。アマさんと会えるといいですね!」

 

 

別れ際に「入場料」と言って、
ジョアンさんは僕に20ドルを二枚僕にくれた。

だが、どうだろう?実際に地チケットを買ってみると
7ドルちょっとしかしなかった。

「お金=優しさ」じゃないけど、
なんだか人に優しくされてばかりいるなァ。

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そうして僕は植物園の中を
バックパックを背負ったまま歩き回った。

中にはアメリカの植物だけではなく、
アジアやアフリカといった国の植物も植えられていた。

ゆっくりと時間をかけて歩き回り、昼過ぎに植物園を後にした。

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シカゴのpatagoniaでジェイという名の男に会った。

 

彼は「Worn Wear」の
リペア・マーネージャーとしてツアーに同行しており、
「サンフランシスコに来るのであれば家に泊めてあげるよ?」
と僕にメールアドレスを教えてくれたのだ。

ポートランドにいる時から、
僕は移動するごとにジェイに執拗に
現在地を教えるメールを送ってきた。
スケージューリングもバッチしだ!

彼は出張から一昨日帰ってきたハズだ。
そして一日休んで、今日僕がサンフランシスコに到着した。
僕を迎えてくれる準備もできているはず!

 

 

スターバックスを見つけると、
僕はサンフランシスコに到着したことをメールでジェイに伝えた。

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ここはアップルストアか??!!

 

 

 

すぐに返事が帰ってきて、
「仕事が終わり次第迎えにいくよ」
とメールには書かれていた。

 

 

「一緒に住んでいる彼女も
シミの旅の話が聞けることを楽しみにしている」

 

 

 

え!!??

同棲している彼女!!!

 

 

おいおいそれを先に行ってくれよ!
めちゃめちゃ気遣うじゃん!え?おれどうしたらいいの?

 

 

 

 

ひとまずブログを連投していると、
ジェイは意外と早くやって来た。

サンフランシスコに到着したタイミングで送ろうと思っていた
ゆうこへのお礼のメールを書いている途中だった。

 

 

「お~~~~!」

「シミ~~~♪」

 

 

シカゴでたった一日しか会わなかった彼と、
また再会できるだなんてここにも夢のような話だ。

思わず僕は椅子から立ちあがり、ハグをして再会を祝った。

 

 

「今彼女を待たせてるからさ、ちょっと外出るよ?」

「え?あぁ、うん」

僕もお礼メールを書き上げて外に出た。

 

 

 

「よし。じゃあうちに行こう♪」

車はひとつ隣りの通りに置いてあった。
車に乗り込む際、ヨレヨレの服を着たおばちゃんが
女性が親しげにジェイに話かけてきた。

 

 

「えっと?今の友達?」

「ははは!
ガールフレンドかと思ったのかよ?
もちろん違うよ」

もちろんホームレスの女性だということは僕は分かっていたのだが、
実際にジェイの彼女を目にしたときは動揺した。

 

 

 

 

 

ジェイの家

はオーシャンビーチに近い43番通りにあった。

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周りにはカラフルで小柄な家々が立ち並んでいた。
まさにアメリカの西海岸と言った感じだ。

どうやら一軒の家をシェアしているらしく、
ジェイと彼女が暮らすのは一階のみらしい。
細い裏口のようなところから家へおじゃまさせてもらった。

 

 

「テイラー、シミが来たよ」

「あぁ、あなたがジェイが言っていた
日本人のバックパッカーね」

 

 

僕は目のやり場に困った。

 

 

そこにはモデル級に美人な女のコが立っていたからだ

ハイウェストのデニムとあたたか味のあるカーディガン。
スレンダーでさらりと着こなす。
今しがた撮影が終わったモデルさんですか??!!
慎重は僕と同じくらい。いや、彼女の方が大きいな。

おいおい、こんなの聞いてねえぞ!

 

 

 

ドギマギして挙動不審に鳴りそうになるのを賢明にこらえて、

『ん?あなたが彼女さんですか。
これから数日間よろしくお願いします』

と言った感じで真面目そうな声のトーンで自己紹介をした。

「いや、美人過ぎて緊張しちゃって…」
なんて言おうか迷ったが、
ギャグがそこまで通じなさそうな空気を察知し、
僕はのど元でそのセリフを押しとどめた。

 

 

 

 

ジェイは部屋の一室を僕に割り当ててくれた。

わざわざマットを運び、シーツまでかけてくれた。

荷物を置き、シャワーを浴びさせてもらい一息をつくと、
改めてこの家が特別であることを感じた。

ジェイとテイラーの部屋は
まるで西海岸のライフスタイルを紹介するような雑誌にでも
出てくるような小洒落た空間だったのだ。

部屋の至るところにはプランターに植えられた植物が置かれていた。

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と言うのもテイラーの職業はガーデニング

内装を褒めるとジェイは
「それは全部アイツがやったんだよ」と言った。

いやいや。ジェイ、あなたも洒落てますよ!

 

 

 

そんなモデルみたいな二人の暮らす部屋の一室で
僕がまず取りかかったことはnudie jeansの修理だった

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スウェーデンの一号店でプレゼントしてもらった
Regular Alf red selvageは穿き始めてから
9が月しか経っていないというのに、
形状はもう何年も穿きこんでいるみたいになってしまっている。

擦れて穴があきそうな場所を見つけると、
そこがひどくなる前に事前にパッチを当てる。

新しくパッチを当てた。
できることなら日本であと5年は穿きたい。無理かな?

 

 

 

 

 

作業が終るとジェイから呼ばれた。
これからテイラーの友達が訊ねてくるらしい。

 

 

「どうする?おれは外に散歩に行くけど?」

「あ、じゃあおれも行きたい!」

マグカップにビールを入れて僕たちは外に出た。

 

 

 

空一面は白くなっていた。

ジェイの住むこの地区はサンフランシスコの中でも
一番天候が変わりやすい場所らしい。
6月は特に霧が出るみたいだ。

 

 

「それでもここはいいところだよ。住みやすい♪」

近所のスーパーや知り合いがやるお店に
マグを片手に挨拶をして回った。

この友達通しの距離感がなんとも言えない。

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この赤いジャケットの髭の兄さんがジェイ。
29歳。めっちゃ大人っぽい。

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近くのタトゥー屋。左の女のコは親が日本人。

 

 

 

ビーチは歩いて5分もかからない場所にあった。

風は少し強く、水平線の果てはどこかぼんやりと境界線が曖昧だ。

ビーチの手前にある茂みを、砂を踏みしめながら歩いた。

茂みにはごみが落ちていた。
ジェイはどこからか紙袋を拾って来て、
そこに煙草の吸い殻やビニールごみなんかを拾って集めた。
僕もそれにならい落ちているごみを拾い集めた。

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「それ、なんだか自分の子供を抱いているみたい」
「ふふふ。シミには渡さないぜ!」

 

 

「えらいなぁ。さすがパタゴニア」

「カルマって信じてるかい?
いいことをすればそれはきっと返ってくるよ♪」

 

 

どこか都合のいい考えにも聞こえる
「カルマ(業/ごう)」。
仏教が誕生する前からあったとされるこの考え。

世の中にはそれじゃあ説明できないこともあるけど、
手の届く身近な範囲だったら、行いは自分に返ってくると思う。
気持ちの持ちようで自分の目に映る世界は
ポップにもモノクロにもなったりする。

 

 

 

 

 

30分ほどして家に帰ると、
テイラーの友達はちょうど帰った後のようだった。

二人は夕飯作りに取りかかり、僕は部屋で漫画を描いた。

いただいた夕飯はシンプルな味付けの雑炊だった。

二人とも日本食に興味を持っているようで、
様々な日本の調味料が冷蔵庫には入っていた。

まさかここで日本食を食べられるだなんて。

目の前で外国人が箸を器用に使っている姿を見ると、
どこか微笑ましい。

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テイラー、美人だ…。

 

 

 

夕飯を食べながら、旅の話をし、僕も彼らの話を訊いた。

その時間が僕には貴重な時間だった。

 

 

「テイラーはなんで
ガーデニングの仕事に就こうと思ったの?」

「ん~…
それは難しい質問ね。
訊かれるタイミングによって答えは違うわ。
ただ、植物って人間に欠かせないものだと思うのね。
野菜だってそう。人間が生きていくためには
大地の恵みの植物が必要。
ガーデニングっていうのは
一種のセラピーのひとつだと私は思うの」

 

 

それは僕にとって新しいガーデニングの考えだった。

確かに緑の多い部屋に入るとどこか気持ちが
落ち着くように感じる。

そうか、彼女はセラピストでもあるんだな。

 

 

そういうテイラーは僕よりもお酒が弱く、
目がとろんとして会話中に何度もあくびをした。

あぁ、下戸の人って周囲の目にはこんなふうに写っているんだなと、
一緒に酒を飲む時の相棒の気持ちがちょっと分かった気がした。

 

 

食後の皿洗いは進んでやった。食後の皿洗いはジェイが担当らしく、
「皿洗いが二人もいるわね」とテイラーは眠そうに言った。

 

食後にジェイとの弾き語りのセッションがあり、
部屋の中でめいいっぱい歌ったあと
23時にはおやすみを言って
それぞれの部屋へと引き上げていった。

 

 

 

 

ふと、

一日を振り返ると、
自分が生きてきた時間が夢のように思えた。

頭の調子は大分まともになってきた。
食事も美味しく食べることができた。

やっぱり僕は生きてるらいし。

 

 

沢山の人と出会い、
そしてお返しができないくらいによくしてもらった。

旅に出なければ出会わなかった人。
あの場にいなければ出会わなかった人たち。

そう考えると、出会いというのは必然のようで奇跡的だ。

 

 

 

 

『カルマか…』

旅を続けていると優しくなるのは当然のことのように思える。

 

 

なぜなら沢山の優しさを受け取るからだ。

受けた優しさはまた別の誰かへ。

そういうバトンを僕たちは回しているのだ。

 

 

 

シーツの上に寝袋を使って寝るという
変な気の遣い方。

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つった

2 件のコメント

  • あなたに出会った人がみな、最高の気分になれる様に、親切と慈しみを込めて人に接しなさい。

    あなたの愛が、表情や眼差し、微笑み、言葉に表れる様にするのです。

    一切れのパンではなく、多くの人は愛に、小さな微笑に、飢えて居るのです。

    - マザー・テレサ -

    • >JOSAN

      なんだか僕はエンターテイメント目線で最初これを読んでしまいました。
      『そんな100%喜ばせるって無理でしょ!』
      って笑。

      いや、でも、うん。
      そうですね。

      「所作」を意識して、
      それが無意識でこなせるようになると
      完璧かもしれません。

      優しいくあろうとしても、僕はまだまだ意識しないと
      そっけなくなってしまいます。

      想像力の欠如をマザー・テレサが指摘したように
      相手がどう感じるかを想像するのも大事ですよねぇ。

      いい言葉だ。

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