世界一周755日目(7/24)
あまりにも
食欲がなかったので、朝食は食べずに横になっていた。
体調を崩した時にどうすればいいのか分からない。
寝ていればよくなるのだろうか?
病院に行くほど体調が悪いわけじゃないが、
今の僕には体を休めることが必要みたいだ。
アメリカのサンタクルーズでお会いしたシノブさんは
「風邪を引いた時は食欲がなくなるでしょ?
あの時は食べない方がいいのよ。それは体の自然なサインなの」
と言っていた。
食べないことにより、免疫力が上がるというのだ。
それは頷ける気がする
時々「プチ断食」という言葉を耳にすることがある。
1~2二日、水分のみで過ごすというものだ。
僕は一日何も食べないなんてことはしたことがないが、
話に寄ると体の調子がよくなるらしい。
似たような効果は僕も感じたことがある。
これは日頃ちゃんと食事を摂っている人間に当てはまることだが
(アフリカでお腹をすかせている子供にはもちろん当てはまらない)、
食事の回数を減らすと、まず肌の調子がよくなる。
まぁ、お菓子とか食べているのも肌荒れの原因だと思うから、
それを断つ(もしくは回数を減らす)ことで回復するのは
当然っちゃ当然だけれども。
この手の健康の話は揶揄されることもある。
まだまだ人間の体には科学では明らかになっていない
生物としてのパワーが宿されているのではないだろうか?
気になるのであれば自ら実践してみればいいのだ。
それで何か効果が得られれば続ければいいし、
何も変化が起きないのであれば止めればいい。簡単なことだ。
果たして何も食べない状態でひたすら寝ているだけで体がよくなるのか、
僕は自信が持てなかったが
その他のことをする余裕がなかった。
天井っすよ。
なんとか
外に出られるようになったのは15時を過ぎてからだった。
雑貨を見に行かなければ。
行こう行こうと思っていてなかなか足が向かわなかった
シウダデラ市場に行こうと思ったのだ。ゆっくり行けば大丈夫だろう。
歩き出すと頭がクラクラした。
僕は頭痛なんてほとんど感じたことがなかったのでこれには驚いた。
そう言えば相棒も頭痛持ちだったな、
こんな感じだったらけっこうキツイな。
そう思いながら体をいたわるようにゆっくりと歩いた。
途中で見つけたのはフルーツジュースを売る屋台だった。
いくつかのフルーツが置いてあり、
そこから選んでミキサーでジュースにしてもらう。
ひとつ7ペソ(56yen)これだったら胃が受け付けるかもしれない。
バナナとグレープフルーツを選んでミキサーにかけてもらった。
それにハチミツを加えてもらう。
グレープフルーツの酸っぱさが
ハチミツとバナナにより中和され。マイルドな飲み心地だ。
フルーツジュースを片手にシウダデラ市場までを歩いた。
昼下がりの市場にはほとんど人の気配はなかった。
もしかしたらこの場にいる店側の人間の数の方が
多いのではないか?と思ったくらいだ。
市場には沢山の小さな雑貨屋で形成されていた。
クオリティの質もハイエンド。
10ペソくらいの安ものからアンティーク調の高いものまで、
もちろんハンドメイドでしか作られていない物の値段は
日本と同じくらいに高い。
シウダデラ市場はどこか懐かしい感じがした。
僕が旅の中で見てきた、
その地元特有のコミュニティの温かさ。
建物が密集し狭い路地を人々が行き交う。
観光客の少ないこの時間がそう見せているのかもしれない。
製作現場。
ぜ、ぜってえこの猫、狂猫だ。噛まれたら…ゴクリ。
卸された商品だけがここで売られているわけじゃない。
いくつかは店と工場が隣接していた。ガラス細工が店先で作られ、
それにフレームが当てられている。
メキシコではなかなか見にしない繊細な雑貨。
郵送することのことを考えると手に入れることはできない。
まぁ、きっとバブルシートで梱包してくれるんだろうけど、
やっぱ怖いよねぇ。
あ〜、このショットグラス(?)欲しかったかも。
ま〜、こんなベタな雑貨もわんさかです。これはもっと安い場所で買えるかな?
シウダデラ市場は
同じような路地がいくつもあった。
市場全体が長方形をしおり、
縦と横に伸びる路地がいくつも交わり合っている。
路地を縫うようにして僕は雑貨を見てまわった。
今日はここで仕入れるつもりはない。
気になった雑貨の写真を撮って市場を見てまわった。
メキシコの雑貨を買うのにあたり、
相棒や仲間たちから「こんなのが欲しい!」とネットで拾ってきた
雑貨の写真をもらっていた。
だが、送られてきた写真のような雑貨はここにはないような気がした。
メキシコの雑貨のインスパイアされて日本人が作った雑貨もある。
というか僕がメキシコ雑貨を美化し過ぎたのだろうか?
ここにある雑貨はどこか微妙な気がした。
「あと少し」制作者側が頑張ってくれれば
とてもいい雑貨ができただろうに。
カラベラもどこか単調な気がしたし、
アクセサリーや布は中南米のどこにでも売っていそうな気がした。
市場には駐在員だろうか?
スーツやシャツを着こなした長身の日本人たちの姿もあった。
年齢はバラバラで50代くらいの上司的な男性もいれば、
僕と年齢が変わらないくらいのヤツもいた。
身なり清潔で金を稼いでいそうな雰囲気を身にまとっている。
貧乏旅とは無縁な人たちだった。
メキシコに滞在して働くには身長制限があるのか、
皆長身で足が長く見える(実際長かった)細身のパンツを穿いていた。
彼らを横目に僕は伸ばした髪を頭の後ろで結わえ、
色あせたTシャツと穴の空いたデニムといった姿で
ジッパーの壊れて中からギターが見えたケースを持っていた。
なんだか生きるフェイズが完璧に違った。
僕はあちら側に行けないだろうし、行こうとも思わない。
シウダデラ市場を出ると、外の屋台で煙草を一本だけ買って吹かした。
17時
を回っていたが外は暑かった。
そのまま歩いてイダルゴ駅まで行き、
地下道で僕は歌うことにした。
体調は悪かったが、声の調子はよかった。
レスポンスはまずまずだったし、
歌うことによって僕もすこしずつ元気になっていった。
一時間ほどやったところで物乞いが活動をし始めた。
頭の後ろで髪を三つ編みで一本にまとめた
小柄で丸い体系のおばちゃんが子供を連れて
行き交う人にカップを差し出している。
さすがにそれを見て演奏はできなかった。
僕は楽しむために歌ってる。お金のレスポンスは聴く人次第。
稼げたらラッキーくらいにしか思っていない。
外に出ると雨が降った跡があった。
僕が歌っている最中に少し雨が降ったらしい。
ようやく食欲が出てきたので、
僕は宿の外で軽い食べ歩きのようなことをやった。
宿の向かい側には屋台がいくつも出ており値段も高くない。
メキシコシティは屋台が至る所にある。
屋台文化だ。仕事終わりに焼き鳥を食べる感じだろうか?
食べたらすぐにふらっと出て行く。長居する客はほとんどいない。
ただ、時々激辛のサルサソースに当たるのは本当に勘弁して欲しい。
いくつかの屋台のサルサソースは激辛とまではいかなかったが、
食べるとほんのり汗をかいた。
宿に戻ると別のドミトリーのホソイさんが
僕にビールを分けてくれた。
左が日本文化に詳しい中国人のケンさん。ガンダムも詳しかったな。24歳。
これからオアハカで「ゲラゲッツァ」という中南米最大の
ダンスイベントがあるらしいのだ。
宿に置いてある地球の歩き方で、
色鮮やかな衣装を来た人たちが踊っている写真が載ったページを
見せてくれた。
だが、それが始まるのが三日後というのだ。
さすがに今すぐにここを出発するのは無理だろう。
まだ何も出発の準備をしていない。
こういうのは運だと思う。
もともと僕はこの祭りのことを知らなかったのだ。
この日を目当てにしていたのなら、
イベントが始まる前からオアハカニ向かい宿を取るべきだったろう。
「それじゃまた
今度の機会ですね~♪」
予定が合わなかったに僕がよくつかうセリフだ。
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