「日本料理屋にある鯉の絵」

世界一周793日目(8/31)

 

 

ミスった!

と思った時にはもう遅い。
そう言った類いの後悔をこの人生の中で何度もしてきた。

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スペイン語学校に行くのであれば
ここに来たタイミングだったな、と僕は思った。

学校に通うのあれば最低でも一週間は行きたい。
それならばここに滞在している間に学校に行くチャンスはあった。

 

 

泊まっている宿の掃除のおばちゃんが
「個人レッスンはしないの?」と僕に尋ねてきたのが
「Nest time(また今度ね)」とお決まりのフレーズを口にした。

下の階の欧米人は今日も小さな丸テーブルの上にテキストを広げて
マン・ツー・マンの授業を受けていた。

 

 

ここはグアテマラ、サンペドロ・ラ・ラグーナ。
滞在8日目。宿代は今日の分まで支払っている。

 

 

 

 

 

スペイン語学校に通う意外でやり残したことがあるとすれば、
近くのサン・マルコスという小さな町にある日本料理屋に行く
ことくらいだった。

そこにシェラで会ったタカくんの絵が飾ってあるらしい。

10時過ぎに起きてシャワーを浴びるとボート乗り場まで歩いて向かった。

 

 

ボートに乗る前にお気に入りの
パウンドケーキを買っておくことも忘れない。

向こうからやって来る僕の姿を見つけると、
おばちゃんはフレンドリーに
「ブエン・ディアス(おはよう)」と声をかけてくれた。

 

 

 

 

サン・マルコスまでは頻繁にボートが出ていた。
25ケツァール(385yen)で行くことができる。

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これが日本でのことなら安いと思えるのだが、
なんせ旅している場所はグアテマラだ。

ほんの一年前の誰かのブログを読んでみても、
今の方がレートが上がっている。

「高ぇなぁ..」とボヤきながら
さっき買ったばかりのパウンドケーキにかぶりついた。

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船着き場

からは小道が一直線に伸びていた。

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ところどころ脇道があって、
カフェやらヨガの看板が立っていた。

人がすれ違うのがやっとの小道をそのまま歩いていると
開けた場所に出た。

道は二手に分かれている。

どっちに進むべきか?

 

 

 

何の気なしにマップアプリを開いてみると
2km離れた場所に「San Marcos」という名前を見つけた。

ということはここがサン・マルコスじゃないのか?

 

 

マップアプリに頼ってばかりいると

こういうところに
落とし穴があるのだ。

 

 

 

今いる場所がサン・マルコスだったのに、
愚かな僕はその2kmの道のりを歩き始めた。

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最初は『いい運動になるだろう』と思っていたのだが、
道はアップダウンの連続で
サブバッグを背負っている背中が汗をかいて蒸れた。

サブバッグを洗うタイミングっていつなんだろう?
『いつかは洗わないと』と思ってているのだが、
その「いつか」がいつなのか掴めない。

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まぁー、こういうローカルな感じも好きだけどね♪

 

 

 

ハァハァと行きをつきながら辿り着いた隣町。

僕の脇にセダンが並んだ。中から欧米人の男が声をかけてきた。

 

 

「よう。どこ行くんだい?おれらはサン・ペドロに戻るんだけど」

「いや、サン・マルコスに行こうと思って。
って、ここがサン・マルコスでしょ?」

「何言ってんだい?
サン・マルコスなら逆方向だよ」

「…」

 

 

念のため他の人間にもここがサン・マルコスか尋ねてみたが、
みな同じことを言った。

なぜここにサン・マルコスの名前が表示されているのか分からない。

結局5ケツァール(80yen)でトゥクトゥクに乗り、
元の場所に戻った。時間と体力と金が泡となり消えて行った。

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道の反対側

(僕が進んだ逆方向)は整った印象があった。

 

 

歩いていると日本人らしき男の人にばったり出くわした。
長身で僕と同じように髪を後ろで束ねていた。
手には平たい籠を持っている。

目が合うと向こうは「オラ」と声をかけてきたのだが、
僕が「こんにちは」と返した。すると彼も日本語で喋りかけてきた。

籠の中にはコロッケが入っていた。これから売りに行くそうだ。
僕もひとつ買わせてもらった。

 

 

メキシコのオアハカで
コロッケを売る旅人料理人のユウトさんのものとは違い、
形の整った日本的なコロッケだった。

味も通常のものと、
カレーとそれとあとひとつ(何かは忘れてしまった)の三種類から選べた。
ひとつ5ケツァール(80yen)。

そのコロッケ売りのお兄さんの話によると、
日本料理屋がオープンするのは15時だということが分かった。
その時点で僕は2時間以上も待たなければならなかった。

 

 

仕方がないので、
僕は近くにある小さな公園のベンチで昼寝をして
時間をつぶすことにした。

なんだかどこでも寝るスキルは上がったような気がするな。

ベンチの足下にサンダルを起き、
サブバッグを枕代わりにして体を横にした。
そのままの体勢で後で食べようと思っていたコロッケを食べた。
ほのかなカレー風味で美味しかった。

 

 

他のベンチでは欧米人の姿がチラホラ見えた。

隣りには屋根付きの運動場があり、
そこで地元の子供たちが遊ぶ声が聞こえた。

サン・マルコスものどかな場所だった。

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これはさっき道を間違えたところでとった写真なんですけどね。

 

 

睡眠は細切れだったがいつの間にか時間が過ぎていた。

そろそろ行こうかと腰を上げると、
先ほどコロッケを売ってくれたお兄さんと再会した。

お兄さんの名前はミチさんと言った
「よかったら一緒に行く?うちアジャラのすぐ隣りなんだよ」と、
日本料理屋まで案内してもらうことにした。

 

 

 

 

「アジャラ」

というのがサン・マルコスにある日本料理屋の名前だ。
サッカーコートの脇に隠れ家的にある店だ。

中ではオーナーの女性が僕たちのことを迎えてくれた。

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ミチさんの家は店を突っ切ったところに垣根を隔てて存在していた。
まるで店の一部のような家だった。

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ミチさんは奥さんと家を借りて暮らしていた。

サン・マルコスには7ヶ月ほど住まわれているらしい。
隣りにはサンクリストバドルの日本人宿「カサカサ」で会った
コンゴ叩きのナオキさんが部屋を借りていた。
今は風邪気味のようで床に伏せていたので挨拶だけで済ませた。

 

 

ミチさんの家はかなり小さい家で手作り感が溢れていた。
思わず「写真撮っていいですか?」と尋ねると
ミチさんは快く応じてくれた。

二階はベッドルームとなっており、
晴れた日にはいい眺めが広がっているそうだが、
残念ながら今日は曇り空だ。

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ん〜〜、なんでだろ?木調って落ち着くんだよね。

 

 

 

 

 

日本料理屋アジャラはグアテマラらしい店だった。

天井はトタン屋根で、何年か経っているのか、
トタンは少し茶色くなり、上には草木が積もっていた。

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内装は手作り感があり、席数が多かった。

ここでは毎月15日に寿司パーティが行われるらしい

またお店の入り口付近には物販コーナーがあり、
そこで旅人たちが置いていった服が売られていた。
なぜだかジレ(ベスト)が何着もあった。誰が旅にジレを着てくるんだろう?

 

 

壁際には色々な絵が飾られていた。

目当てのタカくんがござに描いた鯉の絵が堂々としたたたずまいで
そこにかけられていた。

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これ、ゴザに描いてあるんだよ。すげーよな。

 

 

 

僕は入り口近くの本棚から適当に一冊選び出し、
注文した料理が来るまで時間をつぶした。

店には二匹犬がおり、そのうち一匹は椅子の上で
宿にいるときの僕の様にごろりと横になっていた。

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おれはこんな可愛くねぇか。

 

 

僕が注文したのは「おにぎり」のセットだ。

いくらか焼いたものに、だし巻き卵、
そして小鉢に盛られれた野菜がついてくる。
これで35ケツァール(539yen)。

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先日、フルムーン・パーティで「和」の感覚を思い出した僕は
無性に白米が食べたかった。

出てきたおにぎりはふんわりとした触感で、
かじるごとに縦に巻かれている海苔の脇から白米がポロポロこぼれた。
先ほどミチさんから頂いたカクテキが白米とよく合った。

食後にデザートのケーキとアイスがついてきた。
完食するともう夕食はいらないように思えた。

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店は開店したばかりで、僕の他に客の姿はなかった。

オーナーは「ゆっくりしていてっね♪」と優しく言ってくれたので
僕はしばらくは店のベンチに横になって休んでいたのだが、
だんだんと雲行きが怪しくなってきた。

僕は早めにサン・ペドロに戻ることにした。

ミチさんもオーナーも
「また遊びに来てね」と温かい言葉をかけてくれた。

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宿に戻るころにはいよいよ雨が降り出した。

坂道の上の方から雨水が小さな川の流れのように下っていった。

 

 

雨が降り出すとよけに何もする気になれない。
宿のWi-Fiも遅く、ブログの更新をする気にもなれなかった。

ザーザーと降りしきる雨の音を聞いているのは
情緒のあるような気もするし、
シングルルームに押込められているような気もする。

何をするでもなく時間は過ぎ、
次の目的地のことを少し調べてこの日を終えた。

 

 

 

もうサンペドロを出るころだろう。

ここがグアテマラらしい町かは知らないが、
グアテマラのいい想い出ができたと思う。

 

 

『金があったらスペイン語学校にでも通うのになぁ』

なんて思ったのは何回目のことだろう。

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