世界一周800日目(9/7)
朝メシ
も食べずにチェックアウトした。

宿のオーナーに別れを告げ、
どこからアンティグア行きのチキンバスに乗れるのか尋ねた。
このチチカステナンゴの町にはバスターミナルが見当たらなかったからだ。
宿のオーナーは「あそこから乗れるから」と指差して曖昧な答え方をした。
それらしき場所に行き、近くの売店にいた若者たちに
チキンバスがどこに来るのか尋ねた。
彼らはニタニタしながら「エステ(ここだよ)」と言った。
ここはグアテマラ。チチカステナンゴ。
この後、パナハッチェルに戻って雑貨を見に行こうかと考えていたが、
バックパックが昨日仕入れた雑貨でパンパンになっていた。
仕入れ過ぎても送料がかかるし、潔くアンティグアに戻ろうと思ったのだ。
チキンバスはT路路の向こうの方からやって来た。
集金係が行き先を叫んでいる。
僕が「アンティグアーーッ!」と叫び返すと、
バスは乗り込める最低限の速度にスピードを落とし、
集金係が目にも留まらぬ早さで僕のバックパックを荷台に積上げた。
僕も彼らに会わせて駆け込むようにしてバスに乗り込んだ。
これってお年寄りとか子供乗れるのだろうか?

バスの運転手は欧米人のようなガタイのいいヤツで、
目の色がブラウンで白髪の短髪の男だった。
バスのBGMは洋楽がかかっていた。彼のチョイスなんだろう。
こんな運転手もいるのだ。
今回もまたチマルテナンゴでバスを乗り換える。
運賃は25ケツァール(391yen)。あれ?来る時より安い…。
バスの中は混み合っていたが、なんとか座席につくことができた。
だが通路側だった。
アンティグアまでの帰り道も行きと同じく様険しい道のりだった。
幾重にも急カーブが連なり、カーブを走る度に
「グググーーーッッ…」 と遠心力が体にかかる。
隣りの人を見ると、手をクロスにして前の手すりに捕まっていた。
そういう手の構え方、型みたいなのがあるんじゃないかと考えてしまう。
運転手と集金係の連携は非常に良く取れていた。
いいチームのように僕には思えた。
バスは可能な限り速度を上げ、乗客を拾う時だけスピードを緩める。
二人の痩身の若い集金係は、新しく乗り込んできた乗客から運賃を回収する他、「シャ!」と外に出て乗客の荷物をバスの上に積上げるのだ。
山道を走行中でも平気でバスの上に行く。
毎回思うのだが、彼らの腕力はすごい。
片手で僕のバックパックを軽々とバスの上に引き上げるのだ。
僕は通路側で遠心力と戦っているうちに気持ちが悪くなってきた。
朝食を食べなくて正解だったと思う。
2時間ほどでチマルテナンゴの町に到着した。
僕は近くで売られていた生絞りのオレンジジュースを飲んだ。
乗り物酔いして車から降りた後に
酸っぱい物が食べたくなるのはなぜだろう?
エチオピアでは酔い止めにカットレモンの匂いを嗅いでたからな。

アンティグア行きのバスはすぐに見つかった。
集金係が行き先を叫んでいたからだ。
ただし、こちらのバスはゆとりがあった。
乗客が集まるまで待機していた。運賃5ケツァール(80yen)。
途中から欧米人が二組ほど乗って来た。
10代前半くらいの女のコがお母さんだかおばあちゃんの隣りに座っている。
おばあちゃんはグレーの髪で、女のコは金髪のポニーテールだった。
こうして彼らの髪の毛の色を見ると不思議な気になってくる。
頭から金色の髪が生えて来るのだから。
僕の視線に気がついたのか、女のコと目が合った。
彼女はいたずらっぽくニカっと笑い返した。
黒髪ってどう思われているんだろう?ふと疑問に思う。
そうして
12時にはアンティグアに到着した。

バスターミナルの近くには民芸品を売る大きなマーケットがあったのは
ノーチェックだった。
値段はわずかに高いのだが、
質のいい雑貨を売る店が何軒もあった。
これらのいくつかは今朝までいたチチカステナンゴから
仕入れているものもあるのだろう。
そこまで雑貨にこだわらないのであれば
アンティグアのマーケットに行くのがいいと思う。
民族柄の布を使ったポーチくらいだったらいくらでも手に入る。
ただし布に関して言うとチチカステナンゴの方が
オリジナリティがあったように感じる。

バックパックを背負って向かった先は
日本人宿「ペンション・田代」だ。
置かせてもらった荷物を回収して、
「それでは~♪」という風にスマートに退散した。
語学学校に通わないのであれば、
あそこは居心地の悪い高い宿でしかない。僕にとってはね。
重たい荷物を引きずって、この前も泊まった
「HOSTAL EL BIAJERO」へと向かった。
宿のスタッフたちは「あぁ戻って来たの」という感じで、
そっけなく僕を迎えてくれた。
ドミトリーには誰もいなかった。

僕は前回も使ったベッドを使うことにした。
一度利用した宿に戻って来ると
なんだかそこが自分の部屋のように感じる♪
荷物をベッドの脇に置くとサブバッグだけ持って宿を出た。
宿の近くにもいくつかカフェがあった。
「Wi-Fi」マークのついた小洒落たカフェを見つけたので
入ってみることにした。

カウンターには長方形の窓のようなスペースが空いており、
そこからエスプレッソ・マシーンやシンクがある向こう側を
覗けるようになってた。
店員は横幅のある恰幅のいい女性だった。
僕は10ケツァール(160yen)でアメリカーノを注文し、
Wi-Fiのパスワードを教えてもらった。
店内のテーブルは小さな丸テーブルで動かせないように
床に埋め込まれていた。椅子も高かった。

スタンディング・デスクをするには少し高さが足りない。
ここもまた微妙なテーブルと椅子のあるカフェだった。
それでもなんとか作業ができそうだった。
雰囲気としては嫌いじゃない。
証明は暗めで、薄くて横長の大きな水槽が壁に埋め込まれており、
ガラスの向こう側はいくらか緑がかっていた。
長く掃除していないんだろう。
それでも水槽の中では黒い熱帯業がゆらゆらと泳いでいた。


ツバサさんがこういうモノクロの写真をどっかの国で買っていた意味が分かるね。
僕は一番自然光の入る窓際の席に着くとサブバッグから
コピー用紙を取り出した。
A4版のコピー用紙は世界中どこだって手に入る紙のサイズだ。
値段もそこまで高くない。
出先で漫画が描きたくなった時に「パッ」とバッグから取り出せる。
なんとなく雨の話を描きたかった。
まだまだグアテマラは雨期のシーズンで、夕方頃には雨が降り出した。
2ページくらい下描きをして、カフェを出た。

夕飯はいつものように屋台で済ませた。
初めて行く屋台で「タコス」だと言われて出てきたのは、
パリパリ触感のロールした変な形のヤツで
それがソースだとか具材に浸されているという偽タコスだった。
タマレス(トウモロコシの粉を練って蒸かしたもの)
だと思って別に注文した食べ物は、全く別の甘味だった。
たぶんトウモロコシの粉を使っているのは同じだろうが、
その甘さはサルサソースの真逆を行くものだった。
ここでも「見かけとは違う味」の食べ物が売っていたのだ。
そうだ。
グアテマラで売られるバナナチップスは塩味なのも今思い出したぞ。
なんであれは甘くないのだろう?
雨はシトシトと夜通し降り続いていた。
僕はシングルルームと化したドミトリーのテーブルを使って
夜遅くまで作業していた。
ようやく自分の作業場所が創れた気がする。
時には誰もいないってのはいいもんだ。
気を遣うことなく好きなことができる♪
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