世界一周821日目(9/28)
所持金10万円
から旅を初め、
ギターの路上演奏で稼ぎながら旅を続けるヤッケン
を僕はTwitterでフォローしていた。
ヤッケン兄さんにお会いしたのは
イタリアのフィレンツェ(フローレンス)のことだった。
僕はトルコからギリシャに渡り、フェリーでイタリアへと向かったのだ。
Twitter宛にメッセージを頂いて、イタリアに渡った後は
ローマからヒッチハイクでフィレンツェへと向かった。
ヤッケン兄さんは当時、他の日本人の方とアパートを借りて
ルームシェアをしていた。
路上マジシャンで10年以上旅をしているKさんという方は
ほんとうに面白い方だった。あの時はお世話になりました。
そんなヤッケン兄さんはいつからか世界一周ブログランキングで
グングンと順位を上げて行った。
確かチャリダーの人とコラボした辺りだったと思う。
※僕は他の人のブログはほとんど読まないのだ。
ブログもほぼほぼリアルタイムなので彼がメデジンにいることも分かっていた。
パナマにいた頃から連絡を取り、
今日一年二ヶ月ぶりに再会することになったのだ。
そんなワクワクのせいもあってか起きたのは6時半だった。

寝袋の中でモゾモゾしていたが、二度寝をする気にはならなかった。
昨日と同じように屋上フロアに行って白湯を飲みながら作業をしていた。
プチ断食(少食)を初めて今日で一週間。

刻んだショウガを白湯にぶち込みました。なんか想像と違う..。
断食とは言え、
胃に負担をかけないものなら口にしてもいいと思っている。
空腹を感じるのは血糖値が下がっているからだ。
腹に何も入っていないからではない。
空腹でイライラを感じた時にはチョコレートを舐めるようにしている。
本当なら黒砂糖かハチミツがいいらしいのだが、
簡単に手に入らないのでチョコにする。
「食」に意識を向けた時によく思うのが、日本の商品のラインナップだ。
黒砂糖もスーパーに行けばすぐに手に入るだろう。
南米には小さな売店は沢山あれども、ガッツリ甘いものしか手に入らない。
だからみんなボテロっぽい体つきになってしまうのだろう。
いいんだよ!?そんなに食べなくて!
まぁ、いいさ。人それぞれだかんな。

そう言えば宿のスタッフはスリムだったな。そう米人向けのホステルだもんな。
ヤッケン兄さん
との待ち合わせの時間が近づくと、僕は宿を出た。
待ち合わせ場所にしているEstadio駅は宿から2kmほどの距離だったので
歩いて向かうことにした。
宿のスタッフは行き方を教えてくれた。
話によると「大学の中を突っ切れば」近道らしい。
「スペイン語を勉強しに来ましたと言えば中に入れてくれるよ?」
そうスタッフの一人は教えてくれた。
実際に大学の前に来てみるとセキュリティが
しっかりしていることが分かった。
いくら若いとは言え、手にはギターを持っているし、
こんなんで学生に見えるのだろうか?という疑問はあった。
ゲートでセキュリティに有効期限の切れた国際学生証を提示しみたが、
あっけなくスルーされた。
その代わりにパスポートを提示すると中に入れてくれた。
えへらえへらと笑いんがら
「アイ・ワンントゥー・スタディ・エスパニョ~ル」なんて言えば
向こうも『あぁ、アホが来たな』と苦笑しながら入れてくれる。

大学には特有のフレッシュさみたいなのがあった。
フットサルコートやバスケットコートがあり、
学生たちが体を動かしている。
ここにいるのが全員学生なんだなと考えると
どこか不思議な気持ちになる。
僕は26歳の世界をフラフラしている旅人だ。
言ってしまえば浮浪者で不審者。
さっさと大学を突っ切って進んだ。

うむ。いい天気だ♪
Estadio駅は宿から歩いて30分ほどの距離にあった。
待ち合わせの15時まで30分もあった。

僕は駅前の階段でラッキーストライクを一本吹かし
ぼんやりと目の前の風景を眺めていた。
だって一年二ヶ月ぶりで
お互いまだ旅をしているだなんてね。すごい話だよ。
これもブログやってなかったらなかった繋がりなんだろうなと思う。
約束の20分前に駅の改札前で待つことにした。
駅の入り口は二カ所あり、
どちらからヤッケン兄さんが現れるか分からなかったからだ。
改札前で電子書籍を読みながら時間をつぶしていたのだが、
時間になっても彼は現れなかった。
っていうか電車に乗って来るとも限らないしな.。
待ち合わせを15分過ぎた時に
『もしかして予定が合わなくなったんじゃないか?』
と不安になった。
思えば、待ち合わせで
僕はいっつも
誰かを待っている。

「来ねえ…」
30分を過ぎ、待ちくたびれた頃に
ヤッケン兄さんは遠くの方から現れた。
彼は手ぶらで鞄すら持っていなかった。

出た!ジョジョ立ち!気の抜けたヤツにしか見えないけど(笑)
「遅いっすよ~~~!」
「あ~~、ごめん、ごめん。
昨日お腹壊しちゃってさ」
ブログよりも実物はちょっとテンション低め。
外温動物(爬虫類など)みたいだ。
一年二ヶ月ぶりの再会にハグをして祝った。
ヤッケン兄さんの隣りには
自転車に乗ったアサミさんという女のコがいた。
『あぁ、ブログランキングの上位になると
こんな特典がつくのか』
と僕は優越感みたいなものを感じさせられた。
イスラエルでマサトさんに会った時、
彼は二人も女のコはべらせてたからね!くっそ!
あ!アカタママラソン感想おめでとうございます!
「それじゃあどこ行く?」
ってな感じで僕たちはフラフラと歩き出した。
そして近くのスーパーで缶ビールを買って乾杯。
このゆるさに思わず笑ってしまう。
ヤッケン兄さんが「吸う?」と
マルボロをどんどん差し出してくれるので、
僕も「あざっす!」とついつい吸い過ぎてしまう。
コロンビアでは煙草が安いのだ。
一緒にいたアサミさんには申し訳ないのだけれど、
この時は僕のヤッケン兄さんに対するインタビューみたいなものだった。


緊張して全然似ない…。なんか帽子に捉われるんだよナァ..。
「最近ヤッケン兄さんのブログランキング調子いいっすよね。
バスキング以外にも「頼まれたらどこにでも行きます!」なんてものから、
ツイキャスとかやってる。
なんだかヤッケン兄さんがますますコンテンツ化している、
そんな感じがします」
そんな僕からの話を皮切りに
対談(というか一方的なインタビュー)は始まった。
お酒が進むにつれヤッケン兄さんも徐々に
生気を取り戻していったように思えた。
話したことの内容は
「今後のヤッケンの活動方針」や
「ブログの在り方」、
「一年二ヶ月バスキングをしてきて変化はあったか?」
などだ。
ヤッケンにインタビュー!!
S(シミ)「 やっと南米に来ましたが、今後のヤッケンの旅路はいかに?っていうかメデジンの後どうするんすか?」
Y(ヤッケン)「う~~~ん..、まだ決まってないかな?今撮影とかがあってメデジンから動けないんだよね。それがフラストレーションでもあるんだけど
(この時ヤッケン兄さんはメデジンの観光PR映像を作るお仕事に参加していました。ギャラは出ないけど宿代と食費が出たそうです!すげー)
中米はどうだった?気乗りしないんだよね。タビジュンさんも「そこまで(楽しくはなかった)」って言ってたし。南米のあとに行くとしたらオーストラリアやアフリカ、アジアどこに行くか迷っているんだよねぇ」
※この時僕はパナマのボートトリップはオススメしませんよと言っておいた。
S「まだ決まってないんですね。『いつまでに帰らなくちゃいけない』とか旅の期限ってあるんですか?」
Y「ないね」
S「話は戻りますけど最近ヤッケン兄さんっていろんなことやってるじゃないですか?反応とかってどうなんすか?」
Y「ツイキャスとニコ動は同時中継でやっているな。調子がいい時で2時間。ノらない時は30分で切り上げちゃう。話してることはいつも同じだよ。観てくれている人って新規の人がほとんどでさ、「この後どこ行くんですか?」とか「今どこにいるんですか?」とか同じような質問ばかり来るんだよ。ブログに書いてあるっつーの(笑)。でもそれでブログに来てくれたりもするかな。メキシコなんかから観てくれてる人もいる。(ニコ生とツイキャスはブログの)宣伝だよ」
S「そう言えばイタリアにいた時はサイトデザインのお仕事もやってたじゃないですか?今もやってるんですか?」
Y「今はブログだけだね」


一緒にいたアサミちゃんの似顔絵。顔出しNG。
S「最終的なヤッケン兄さんの目標は?」
Y「それは前と変わらない。自分自身がガンガン動いていくことで『あぁ、ヤッケンと組んだら面白いことができるな』って思わせたい。「有言実行」よりも「無言実行」をする人間でありたいな。最終的には自分の一言で人を動かせるようになりたい」
S「ぶっちゃけ、一年でいくらくらいあればいいと思いますか?」
Y「500万くらいじゃない?生活費自体は250万あればいいし、残りの250万円で自分に投資できるからね」
S「ヤッケン兄さんはバスキング(路上演奏)をメインに旅を続けて来たじゃないですか?時々僕は思うんですけど、ぶっちゃけ日本に帰って稼いじゃった方が短時間で効率的な気がするんですよ。だって僕たちミュージシャンじゃないじゃないですか?バスキング意外にヤッケンさんなら稼げそうな気がするんですけど、それについてはどう考えてますか?」
Y「それはやりたいからやっているからだよ。旅をして来てどんどん身に沁みて分かって来るのは「色々な選択肢が人生にある」ってことだね。いかに自分たちが日本的な価値観に捕われているかが分かる。世界中には沢山自分のやりたいことをして生きてる人がいるよね。それはシミくんも分かってるんじゃない?今こうして旅をしているのは30代でやりたいことがあるから。そのネタ作りってのもあるかな?」


実際こういう適当に描いていいヤツだったら気兼ねせずに描けるんだけどな(笑)
S「この一年二ヶ月の中でバスキングにおいて変わったことってありますか?」
Y「ん~、基本的な部分は変わってないかな。大事なことは人を楽しませることだね。確かに旅を続けて行くにはお金が必要だけど、お金のことばかり考えていると全く稼げない。人を喜ばせることができるのなら音楽だけじゃなくてもなんでもいいと思うけどね。シミくんの似顔絵、あれすごくいいと思うよ」
ヤッケン兄さんのすごいところは
僕なんかよりも自分の活動方針やブログのことを
理詰めでしっかりと考えていることだ。
ブログをアクセス数などから分析し、
読者を面白がらせるコンテンツ作り(YouTubeなど)。
リアルでも撮影やコンサートに出演などアクティヴだ。
僕はブログの読みにくさ、サイト自体の利便性なんかは思いっきり無視!
変に意地を張っている部分が多くてただの膨大な量の忘備録にしか過ぎない
いやぁ、マジ読む側からしたらダルいブログでしかないでしょうね。
漫画を描くにしてもセルフプロデュースが不可欠だ。
自分でも分かっているのに手をつけない部分が多い。反省。
ヤッケン兄さんと話していると学ぶことが多い。
どんどん自分のダメさに目が行き、
話のテンションも徐々に下がっていくーーー…(笑)。
「そろそろ撮影の時間じゃないですか?」
「ん~~、じゃあそろそろ行くかな」
メデジンの撮影を担当しているのは日本人らしいが、
学生もいるらしく予定が合わずに困っているようだった。
それに依頼側のフットワークが遅いようで、撮影も長引いているらしい。
ちょっとだけ撮影の現場を見学させてもらうと、
僕はヤッケン兄さんの泊まっている宿にお邪魔させてもらうことにした。
Estadio駅から10分ほど歩いた場所にある宿は、
まるで高級住宅地のようだった。
電飾がしっとりとお洒落に壁を照らし出している。
現在ここに一緒に泊まっているアサミさんともう一人女性の方が
キッチンで晩ご飯を作っていた。

撮影のミーティングが始まるのは19時と言っていたが、
一向に始まる気配はない。ヤッケン兄さんは「こんなもんだよ」と言って
滑車付きの椅子にまったりと腰掛け、
壁に掛けられたマグネット式のダーツで遊び始めた。

こ、これは…。
僕はこういう現場をいくつも見てきた。
これは終始グダグダで終るパターンだ!!!
となると帰るのが吉!
なんだかんだでメデジンも夜は危ないらしい。
怖いんでね。かえりまーーす。
「それじゃあ今日はありがとうございました!
ビビリなんで帰ります!」
「え?帰っちゃうの?
これから面白くなっていくところなのに。残念だなァ」
サクサクと歩いて宿まで戻った。
もちろん大学構内を突っ切ってだ。
宿に戻ると5000ペソ(197yen)でシンプルな定食みたいなのを食べた。

次にヤッケン兄さんにお会いするのは日本かな?
ご躍進期待しております!!
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初めまして。わたしは、しみさんの書かれる文章 知性があって、淡々としている中に情熱が感じられて、且つ読み易く、大好きです。これからもお体に気を付けて、旅 楽しんでくださいね。
>なつきさん
いやはや…、「知性」だなんて照れます..。
かっこつけて書いているだけです。
三ヶ月前のことなんて思い出せませんからね。
旅漫画家を描くための忘備録です。
コメントありがとございます。
南米旅も残す所55日しかないなので
楽しんで行きたいと思います!
ヤッケンさんは同郷のよしみで、是非とも思いを成功させてほしいと
思っています。もちろんシミさんが成功することも願っております。
メデジンは気候が良くて住みやすいみたいですが、日本人の老後移住
などには適していると思いますか? 断食では体重が減ってきていますか?なかなか行けない海外での食事は楽しんで欲しいところですが、体調第一に、良いものだけをチョイスするのがベストなのかな。
>あっきーさん
ヤッケン兄さんとお話させていただいていると
将来的なビジョンも、今自分が何やるかもしっかり考えているんですよね。すごいなって思います。
僕もヤッケン兄さんにはビッグになって欲しいと思います。
(そしてあわよくば売名行為的に僕も有名にして欲しいものです笑)
メデジンはーーー…
どうでしょう?気温的には過ごしやすいとは思いますが、
やはりネックは治安じゃないでしょうか?
どこの国でも犯罪はありますが、
ヤッケン兄さんが「この前ここで人が刺されたんだよ〜♪」
なんて言うとゾクっとしますね。
それとやっぱり日本食です♪
味噌汁飲みたいナァ♪