「おい!チリに船便なんてねぇじゃねえか!」

▷11月16日/チリ、アントファガスタ

 

 

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どうやら光の差し込まない部屋で寝ていると朝早くに起きられないらしい。

昨日の夜遅くまでベッドの上でiPhoneで日記を書いていたせいもあるだろう。

ほら、だって、iPhoneで日記書くのはすごく時間がかかるんだよ。

 

今日は待ちに待った月曜日。

そう。雑貨を送ってもらう郵便局が開く日だ。

 

 

 

9:00には郵便局が開くようなので、それに合わせて外に出た。

バックパックと手提げに荷物を分けて、残りの所持品は自分の部屋に置いておくことにした。チェックアウトの時間までには用事を済ませられるだろうと考えたからだ。

先日カラマからここまでヒッチハイクで車に乗せてくれたレオナルドさんに、船便で郵送してくれるオフィスの場所を訊いておいたので、僕は迷わずそこに向かった。

 

 

教えてもらった通りに出てみたものの、そこには郵便局の姿はどこにも見当たらなかった。それらしき場所で尋ねてみても、みな首をかしげる。あれ?おかしいぞ。

「アヘンシア・アドアナス」と言えば伝わるらしいが、それを理解してもらえないのだ。

たまたま別の郵便局である”Chile express”のビブスを着たおばちゃんを見つけたので尋ねてみると、彼女は「”どの”アヘンシア・アドアナスだ?」と僕に尋ねた。

わかったぞ。これ郵便局の名前じゃねえな!くっそ!なんて融通の利かない教えて方しやがるんだ!

 

 

手がかりをなくした僕は、巨大なコンテナが集まる船着場のオフィスへと足を運んだ。

もちろんそこの職員たちは「船便で雑貨を郵送したい」ということを理解してくれる人はほとんどいなかった。

「日本に荷物を送りたいのは分かったけど、どれがあんたの船なんだい?」なんて訊き返してくる始末だ。

そんな大げさな郵送じゃないんだよ!もっと個人向けのやつだよ。ってか、僕の格好を見て分かってくれないのか⁇

 

なにやら知ってそうなお姉さんは「あっちに行けばやってもらえるわよ」と言う。その「あっち」ってどっちだよ⁈マップアプリを見せて尋ねると「分からない」と言う。

 

一体コイツらはなんなんだ。知らないなら「知らない」と答えてくれればいいものを、曖昧な答え方をするから余計に混乱させられる。

この後にUSドルを両替したのだが、両替所を探すのもまた一苦労だった。

結局僕は船便で雑貨を郵送するのを諦めることにしたのだ。

 

 

 

 

 

 

チリにはいくつか郵便局がある。

僕が足を運んだのは”Correos de Chile”という国営らしい郵便局だった。

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立派な建物の中に五つほど窓口があるのだが、そのうち二つしか受付に人がいない。僕の前には8人ほど並んでいたが、なかなか僕の番は回ってこなかった。

ちょうど僕の番が回ってきたタイミングで新しいシフトのおばちゃんが三番窓口の業務を開始した。

おばちゃんには悪いと思うが、僕は思いっきり時間を割いてもらうことにした。

 

最初に1kgあたりいくら送料がかかるのか尋ねてみると、約2000円かかるのだという答えが返ってきた。

うむ。高すぎじゃないが、安くはない。飛行機便だし仕方ないだろう。

 

おばちゃんは思いっきり面倒臭さそうな顔をしてプリプリしながら対応をしてくれたが、それでも手続きが完了すると笑顔を見せてくれた。重たい雑貨を持って駆けずり回っていた僕に対する労いにも感じられた。

そんな思い(重い)のこもった雑貨だったが、10kgしかなかったことが分かった。

大きなダンボールを用意していなかったので手提げとダンボールに分けての郵送だったので少し余計に費用がかかってしまったが、送料は二万円だった。

 

 

 

雑貨を送り出すと、文字通り身も心も軽くなった。ようやく一仕事から解放された気分だ。もう日本に帰るまで同じ思い(重い)は味合わないだろう。

近くの売店でタバコを買おうと並んでいると、マセた12〜3歳くらいの女のコが「マネー!」と金をせびってきたが、僕は気分がよかったので100ペソコインを一枚渡して、頭にデコピンを喰らわせてやった。

旅する雑貨屋”Drift”の郵送。これにて終了っと!

 

 

 

 

 

 

 

なんだかんだで時間がかかってしまい、宿に戻る頃には12時になっていた。

これからヒッチハイクをする気にもなれなかったので、僕はもう一泊宿に泊まることにした。8000ペソ。11ドルの宿だ。

 

一旦宿に戻ると、僕はギターを持って再び外に出かけた。日曜の昨日よりも月曜の今日の方が人通りがある。歩行者天国では既に何組かがバスキングをしていた。

昼前から歌うのはまだ早い。やるなら15:00くらいだろうな。それに僕は漫画も描かなくちゃいけない。

確かにバスキングは楽しいけど、自分のしなければならないことを忘れてはならない。

 

 

そういうわけで今日もマクドナルドへ直行。

なぜだか今日もコーヒーを飲むことができなかった。どうやら本当に機械が壊れているらしい。コーラを注文すると僕はいつものように漫画を描いた。

 

 

 

 

 

15時を回ると僕は店の外に出た。マクドナルドのすぐ近くでギターを構えると、知らない家族連れのお父さんが僕にアイスをくれた。

小さい頃に「知らない人から食べ物をもらってはいけない」と教わったが、僕は迷わず完食した。三色プラス生クリームの美味しいアイスだった。

 

それを腹に収めると僕はギターを弾いた。連日歌っているせいで高音がかすれたが、腹式呼吸で安定した音を出すことができた。

レスポンスは相変わらず変わらない。バンバン入るわけじゃないが、一曲に対して必ず誰かがコインを入れてくれる。

 

 

ワンクールが終わったタイミングで、初日に僕を注意した見回りのおじさんがやって来た。

英語で「ユー・ドント・シング・ヒアー!」と言った。

この日のために英語を勉強したんだろう。だって前の日は英語一言も喋れなかったもん。

 

 

もちろんここにいるパフォーマーたちはパーミッション(許可証)なんてもっていないし、必要もない。

ただ、見回りがあるだけだ。露天商たちは警察がやって来る前に撤収できるスキルを持っている。

 

 

仕方がないので、僕は1ブロック分だけ歩行者天国を移ることにした。そこで他のバスカーを見つけることができた。このゆるさはなんだろう?

移った場所でしばらく歌っていたが、ワンマンバンドのようなパフォーマーが大音量でドラムやシンバルを鳴らしていたので、僕はひとまず演奏を中断することにした。

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ちょうど近くに文房具店があったので中を覗いてみた。

そこは南米でよくあるように商品が直接手に取れない、店員が客の要望に応えて商品を手渡すコンサルタント的な商売をする店だった。

そこで僕は似顔絵用の紙を30枚ほど仕入れておくことにした。厚手のいい品質の紙で2800ペソもした。4ドル分もするのだ。

 

 

他のパフォーマーがバカスカとうるさいなか、ベンチに座ってゆるくギターを弾きながら看板を立てた。

おばちゃん三人とお兄さん一人がやってきて「いくら?」と声をかける。

“upto you(あなた次第)”という意味らしい「ロケト・キエルス」と答えたが、最初は理解してもらえなかった。

それでも依頼をしてきたので、待ってましたとばかりにペンを走らせた。最初の紙だと質感が分からないので、いくらか苦戦した。それに最近似顔絵を描いていなかったのでいくらか腕も鈍っている。

漫画のデフォルメに落としたキャラクターを描くとおばちゃんたちはそれを見て大笑いしながら喜んでくれた。

 

 

顔を上げるといつの間にか人だかりができ、次々にオーダーが入る。隣で音を出しているパフォーマーなんて関係なしに絵が描けるのがいい。他のバスカーのほとんどはサウンドクラッシュに左右されるからだ。

そこからは20:00過ぎまでノンストップで絵を描いていた。一度もギターの演奏を再開することはなかった。受け取る金額は2000ペソがほとんどでコインなんてほとんど入らない。

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最後の似顔絵を描いたタイミングで、サッカーの日本代表のユニフォームを着た男性が声をかけてきてくれた。

ダニロさんは何度か日本に来たことがあるアイドルオタで、頭の後ろのお団子がいい感じにオタク感を出していた。

日本語はほんの少ししか話せないが、どうやら2016年の12月から3ヶ月間来日することが決まっているらしい。めいいっぱいアイドルのコンサートを楽しむのだとか。

 

 

ダニロさんは僕に夕飯をごちそうしてくれた。

中華料理屋で食べたラーメンはインスタントのふにゃふにゃした麺だったが、僕には美味しく感じられた。僕もお礼にダニロさんに似顔絵をプレゼントした。

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それが好評だったのか中華料理屋の店員からも似顔絵のリクエストが来た。もうヘトヘトだったのに、合計で三枚も描かされた。

顔だけだったらいいものを、写真を見せて注文をつけられると時間がかかる。それにカップルの写真だとなおさらだ。

店員たちからのチップははずまなかったので、こっちもモチベーションが持たなかった。値切られるとやる気出ないよね。

それを終え、ヘトヘトになって宿に帰った。

 

 

今日のアガリは$60分。マジよくやった!おれ!


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