「ヌーサ、ウォールペイント」

1月30日/オーストラリア、ムールーラバ〜ヌーサ

 

 

imageにほんブログ村 旅行ブログ 世界一周へ
にほんブログ村

 

 

 

 

8時前に起きるとポールにお礼を言って僕は彼のアパートメントを出た。

iPadのGPSはオフラインの時、場所を特定するのが苦手だ。僕は通りの名前を見つけ、それをマップアプリで検索し自分の今いる場所を特定した。

 

 

ハイウェイまではほんの数キロ歩けばよかった。

空には薄く雲がかかっており日差しはそこまで強くなかったが、湿度は相変わらず高く今日もムシムシしていた。5分も歩くと汗をかくようになり、すぐにでもシャワーを浴びたい気持ちにさせられた。

 

ハイウェイの手前にはラウンドバウトがあった。

バスの停留所のスペースを利用して僕はヒッチハイクを開始したのだが、開始早々ランニングをしていたマダムに「ヌーサならバスで行けるわよ。それにここでヒッチハイクしちゃいけないのよ?」と注意された。

別に僕は「ヒッチハイクでオーストラリア縦断」みたいなことにこだわっているだけじゃない。安ければれバスで行くこともあるし、今みたいに地元の人間のおすすめ情報(もしくは代案)のようなものがあったら、僕は素直に従うことにしている。それが何か素敵な出来事に続くきっかけだと思ってね。僕はマダムから教えてもらったバス停まで歩きバスを待った。

 

バス停は歩いて3分のほどの距離にあった。僕はベンチに荷物を置くとそのまま腰掛け体が冷めるのを待った。

僕は、目的地まで行くバス停がどこにあるかは調べるのだが、時刻や行き先が正しいかどうかはあまり確認しない。『待ってりゃ来るだろ』と気楽に考えているし、はっきし言うと行き先を確認するのが面倒くさいのだ。

その怠け癖を自分で理解しているからこそ、僕は時刻と行き先を確認してみた。するとどうだろう。そこにはヌーサ行きのバスの名前は書かれていなかった。あぁ、これはね、ヒッチハイクを続けろってことだね。うん。おばちゃん、僕は貴方を責めたりしないよ?

 

 

マップアプリをもう一度確認すると、もう少し歩いた方がヒッチハイクがやりやすいことがわかった。こういう発見もあるのだ。

バス停から少し歩き、さあヒッチハイクを再開しようよ荷物を下ろした時、すでに目の前に車が止まっていた。僕の人生は小さな運命が組み合わさって構成されているみたいだ。

 

 

ドライバーの彼(あぁ、名前をメモし忘れた)の仕事は漁師だった。あぁいうガテン系な感じじゃなくて、もっとスマートに魚を獲るような感じだ。仕事でオーストラリアの港をあちこち回っているそうだ。さきほどは「Noosa」と書かれたダンボールを見て車を止めてくれたらしい。

「それで、ヌーサのどこで君を下せばいいんだい?」そう彼は聞いた。

僕はいつもその町のメインストリートがある町の中心地に行くのだが、ヌーサの場合は少し違った。

ヌーサには「ヌーサ・ヘッズ」「ヌーサ・リバー」といったようにヌーサ自体がビーチや地区によって区分されていた。僕は一番観光客が集まるという「Noosa Heads(ヌーサヘッズ)」で車を下ろしてもらうことにした。いや、そこまで送ってもらったんだよね。ありがとうございます。

image

 

 

 

 

 

 

 

ヌーサはバスカーの中ではちょっと有名な場所だ。

バスキングをしているブロガーはここを訪れていたし、オーストラリアで出会ったバスカーの何人かはこの町を僕に進めてくれた。なにやらヌーサにはリッチな人たちが羽を伸ばしに来るらしい。だから稼げるのだとか。

 

 

メインストリートであるヘイストリートを僕はざっと歩いてみた。

そこには大人向けの服屋があったり、高級志向なカフェなんかもあった。ただ、思っていたよりも人が少なく、落ち着いた印象を受けた。

image

 

 

 

カフェで昼過ぎまでの時間をつぶすと僕は良さそうな場所を見つけて漫画バスキングを始めることにした。果たしてビーチリゾートでレスポンスを得ることはできるのだろうか?

通りそのものは大きくなかったので、歩行者との距離もいくらか近い。足を止めて興味を示してくれる人もいる。最初は僕も練習を兼ねているので気楽に構える。ひとまず一枚は似顔絵を描きたいものだ。

 

10分くらいしてフランクなお兄さんは僕に声をかけてきた。近くのレストランで働いているらしく、壁にイラストを描いてくれないかというのだ。

正直言うと、なんだか行くのはダルかった。出したばかりの道具を片付けるのも面倒だったし、まだバスキングで1ドルもお金を稼げていなかったし、ウォールペイントと聞くとちょっと尻込みしたのだ。僕は漫画は描けるけど、時折路上で見かけるようなストリートアートみたいなやつは描けない。

 

ちょっと考えて僕はそカフェに行ってみることにした。

メルボルンでホワイトボードに漫画を描いた時もそうだったけど、新しくこと、普段やらないようなことにチャレンジする方が格段に面白いからだ。話を聞くのはタダだからね。

image

 

 

 

カフェに行くと先ほどのお兄さんが僕えを迎えてくれた。

どうやら彼はこの店の店長のようだった。レストランは夜はライブバーになるらしく夜から忙しくなっていくみたいだ。店内にはなかなかかっちょいいウォールペイントが描かれていた。あんなの僕に描けるだろうか?

 

 

「それでー、僕はどんなのを描けばいいんでしょうか?」僕は仕事の依頼がどのようなものか尋ねた。

 

 

「あぁ、トイレのサインを描いてもらいたいんだよ」

 

 

話を聞く限り、僕向けの依頼だった。

使う道具も油性マジックの黒のみ。まさに漫画タッチのイラストを壁に描くというもの。

 

 

僕はその依頼を受けることにした。

さっそくWi-Fiのパスワードを教えてもらい資料探しから始めた。

ノートにアイデアをまとめ、かっちょいいトイレサインを考える。ベタなヤツじゃダメだ。漫画のよさが活きる、そんなイラストだ。

image

 

 

 

アイデアをノートに描いていると、雨が降り出した。

あぁ、やっぱりここに来て正解だったな。あのままバスキングを続けていたら持ち物を濡らされていただろう。

一時間半ほどでアイデアを5パターンほど出すと、店長は「これなんていいじゃないか!」とそのうちのひとつを気に入ってくれた。彼が選んだのはサーフボードを持った男女のイラスト。ここがヌーサということでビーチっぽいイラストを描いてみたのだ。

 

 

 

道具が与えらえるとさっそく僕は壁に下書きを始めた。

下書きと言っても鉛筆の線は完璧には消えない。見えるギリギリの薄さで線を引いていく。全体像は壁から離れないと見れないため、バランスとりにくい。まぁ、きっとこれも慣れなんだろう。

僕の今日もやるべきことはトイレサインを完成させることだ。

image image

まず一人!

 

image

んで、ごはん!野菜だーーーー!うっほーーーい!

 

image

うし!

 

 

絵は三時間で完成させた

途中ちょくちょく資料をネットで探したりしたから、描く作業にまるまる三時間がかかったわけじゃない。

 

 

 

「それで、いくら払えばいい?」

店長はそう訊いてきた。

 

「あ、アップ・トゥー・ユー(お任せ)でお願いします」

「オーケー。それじゃ70ドルでいいかな?それに明日ランチもごちそうするよ?それでいいね?」

 

 

僕は一瞬、値切られたようにも感じたが、これが適正な価格であるようにも思えた。作成途中に昼ごはんも出してもらったし、コーラのおかわりは自由だった。時々SNSも見てたしね。それに明日もランチにありつけるなら100ドルは言っているな。よしよし。

 

 

自分の作品に値段絵をつけないことは逃げでもある

でも、こうして値段のやりとりをしていくと、自分の作品の価値やクオリティが徐々に分かってくる。今の僕なら四〜五時間ほどのウォールペイントなら100ドル価値のあるものは描ける。そしてそれを高めるようにもっとレベルを上げていこう。今日もいい機会を与えてもらったことに感謝したい。

 

今日は店で働くシェフの家にホームステイをさせてもらうことができた。雨はまだ降っていたのでかなり有難かった。まさかホームステイ二日連続なんてね♪

 

 

 

シェフの家に到着すると、さっそく僕はシャワーを浴びさせてもらった。家が一階建てだったが、かなり広々としていた。彼にはミュージシャンのガールフレンドがいて、どちらもバツイチだった。シェフの息子は母親の家にいるらしい。

 

これからのオーストラリアの旅の予定を訊かれて、僕は壮大なヒッチハイク旅のプランを彼に話した。

このままケアンズまでヒッチハイクで向かい、オーストラリアの中心部を通過して西オーストラリアのパースまで向かう旅の計画だ

「ビッグチャレンジだよ!」僕はそう言った。そんなバカみたいな旅が好きでもある。

 

 

彼は僕の計画を聞くと苦笑して言った。

 

 

 

「君は死にたいのか?」と。

 

 

 

そしてわざわざGoogleアースを使い、その道のりがいかに険しいものかを僕に教えてくれた。

「オーストラリア東海岸のヒッチハイク、ケアンズまでは容易だろうが、難しいのはそこからだ。アリススプリング(オーストラリアの中心地。観光地のエアーズロックがある)まではなんとか行けるかもしれないが、難しいのはそこからだ。まずハイウェイがない。アリススプリングからパースまでの間には砂漠がいくつもあるんだ。パースまで行くのであれば、普通海沿いを行くんだ」

 

オーストラリアの格安航空券を調べてみると、ケアンズからパースまでは209AUドルで行けることが分かった。国内線でこの値段は高いように感じるが、この二都市間は5,000km以上も離れているのだ。「これなら安いほうだよ」そう彼は言った。

 

 

僕はすぐにプランを変えた。オーケー。それならペースダウンだ。もう少しオーストラリアの東海岸を見ていくことができるじゃないか。ケアンズは二日ほどで抜けてしまう予定だったが、少し長くいることにしよう。

 

 

2月9日初のチケットを買ってこの日を締めくくった。

image

 

 

 

2 件のコメント

  • はじめまして、まさみと言います(^^)
    最近シミくんのブログをはじめの方から
    貪るように読んでます。

    めちゃおもろいですね〜!
    最近までオーストラリアいたんで知ってる
    土地が出てくるとなお興奮します(^^)
    今回の絵も調子いい感じで最高ですね!

    ブログ読んでたら年も同じようなんで
    つい親近感が湧いてしまいコメントしました。

    体には気をつけて素敵な旅を続けてください(^^)ブログ楽しみにしてます(^^)

    • >まさみさん

      おっ!おお!
      なんだかオーストラリアに来てから日本人の方に声をかけてもらう確率があがりました!
      かまってさんの僕は嬉しくってたまりません!

      それにしてもオーストラリアって面白いですよね。
      特に路上パフォーマンスのカルチャーがあるから、
      音楽にかかわらず嫌でもレベル上がります。

      パースも残り9日!
      描きまくるぞ!

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

    ABOUTこの記事をかいた人

    「旅する漫画家」。世界一周後(2013-2016)、現在は海沿いの町に潜伏中。そろそろ旅がしたいぞ!