「やってみたいことはあるかい?」

世界一周38日目(8/6)


西安(シーアン)の駅に降り立った時、
その人の多さに圧倒された。

中国の都市の規模の違い。

いつ終わるか分からない
バブルの脆さを抱えていながらも
街にはエネルギーがあった。

ここで
僕がやりたかったことがある。

ストリートライブだ‼

だってここまで人が
沢山いるんだぜ?
やるっきゃないでしょ?

ほんとうなら
日曜日の昨日にやりたかったのだが、
病的な方向音痴のせいで
筆などを手に入れるだけで
一日が終わってしまった。

だからやるんだったら
重慶に向けて立つ今日しかなかった。

★★

バスは16:30に西安駅に到着した。

僕はアイスとお湯に近い温度の
レモンティーを買い求め、
一回軽く深呼吸をした。

西日が照りつける。

日陰は列車を待つ人々で
占領されている。

目立ちそうなロケーションを決めて、
僕はおもむろにギターを取り出す。

KORGのチューナーで
ガムテープだらけのギターの
音を調整すると

僕は

奥田民生の「イージュー★ライダー」

を歌った。

『なんだコイツは⁈』

変な目で僕を見る人々。

んなこたぁ分かってる。
変で結構。

でもやんなきゃ
何も始まらねぇ。

僕には確信に似た何かがあった。

ここで日本語の歌を歌える自信。

覆されていく自分のイメージ。

おれはなんだって
この国に偏見を持っていたんだ?

リアルで感じないと
分からないことだらけだぜ。
___________________________

2曲目は自作の曲を歌った。
日本にいた時に
出発する自分へ、
日本に残る友へ向け歌った曲。

「Departure」。

一元札がギターケースに入る。

小走り気味にやってきて
10元札をおいてくれたおねえちゃん。

向かいのパラソルの下で
聞いてくれてるおっちゃんたち。

歌えるだけで十分だ。
歌うことは僕にとって

「遊び」であり

「自己表現」であり

「癒し」でもある。

★★★★

しばらく歌っていると
やけに馴れ馴れしく絡んでくる
ヤツがいた。
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最初はお金の代わりに
ギターケースの中に
タバコを一本置いて行ったのだが、

ケースの中のお金が増えてくると
お金をせびり出し始めた。

「なぁ、いいだろ?
こんなにあるんだから
ちょっと分けてくれよ?」

中国語で一方的に話しかけてくるが、
言わんとしていることはわかる。

歌い始めてしばらくたった頃、
冗談交じりにケースの中のお金に
手を伸ばし始めた。

『おいおい待てよ!』

国は違えど、
これは僕がパフォーマンスを行い、
そのレスポンスとして得たお金だ。

お金を置いていってくれた人たちには
僕は必ず笑顔で

「シェイシェイ!」

と言い感謝の気持ちを伝える。
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それを
自己中心的な理由で
貰ってもいいものだろうか?
______________

中国はバブルで好景気かもしれないが彼らから見たら日本人はまだまだ
裕福なのかもしれない。

『世界一周なんて
贅沢な遊びだなぁ!オイ!』

彼らと同じシチュエーションに
僕がいたらそう思うだろう。

世界を旅する人が
必ずぶち当たる壁。

この世界は
平等なんかじゃない

じゃあ、
僕たちは旅に出てはいけないのか?

そんなことはない。

君が旅に出なかったところで
この世界には一体どれだけの
旅行者がいることだろうか?

旅行者を相手に
生計を立てている人たちもいる。

では

不平等を是正するのが
豊かな人間の使命なのか?

それも違うだろう。

僕はそこまで高尚な人間じゃない。

与えられたチャンスの範囲で
最大限のレバレッジを効かせて
夢を実現させようとしている
口先だけの野郎さ。

一部の人から見たら
豊かな人間なんだろう。

だけど、
富を独占するつもりもない。
できる範囲でシェアはできる。

これが、今現在の
僕のスタンスだ。

★★★★

ここで怒ってしまったら
何かが台無しになってしまう気がして

「あぁあああ〜〜〜‼‼
みなさん!見てください!
この人、僕のお金を盗もうと
してますよぉああああ〜ッッ‼」

アピールをして牽制し、
幸い、リスナーのおっちゃんが

「おいおい!
いくらなんでも盗みは
やっちゃなんねぇ!」

と制してくれたので
お金は盗まれずに済んだ。

ライブを終えた後も鼠小僧は
改札までついて来た。

やれやれ。

アガリは26元。
450円くらい。

★★★★★

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サウナのような列車の中、

僕は3歳くらいの男の子と母親、
カップルの片割れ
(彼氏は通路の反対側の席だったみたいだ)
と一緒になった。

「空調快速」

となっていても
人口密度が上がると温度は急上昇し、
汗が一向に引かなかった。

男の子は散々はしゃぐ。

そういう年頃だよな。
きっと僕がガキのころも
周りのことなんか考えずに
精一杯遊んでたんだと思う。

だから
2人がけの席に、僕と親子の3人が
座っていたとしても
全然気にならなかった。

僕のスペースが
0.5人分だとしても

あっ、いや、
全然気にしてないっすよ!

『おれのスペースなくねぇ⁉』

なんて
これっぽっちも思わなかったっすよぉ⁉

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お母さん。

僕の席はどこでしょうか?

★★★★★★

困った風にしてたら
ふたつ前に座っていた
大学生が3人、英語で話しかけてきた。
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なにやら
中国国内2100キロの距離を
自転車で旅してきたそうだ。

中国も日本と同じで
大学生は夏休み。

休みの最期にホームタウンの
重慶に帰るところらしい。

テストのスコアだとか
勉強としての英語はファックだとか
くだらねぇらことばっか
話してたけど、

日本人と中国人が
英語でコミュニケーション
とれるんだぜ?

お互いたどたどしい英語ではあったけど、
楽しかった。

中国がどんどん親しみを持ってくる。

「ねぇ!
漫画家志望なんだろ?

おれらに何か描いてくれないか?」

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時として
漫画もコミュニケーションだ。

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まぁ、いろいろあるよ。
国が変わればおれだって
豊かじゃなくなるさ。

答えのない問もある。

でも、
自分のなりの解決策なり
向き合う姿勢なりは
持てるはずだ。

おれが正解じゃないよ。
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違いはある。自然なことさ。

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