「マクドナルドで僕は自虐的な漫画を描く」

世界一周424日目(8/26)

 

ポツポツとテントを打つ
雨の音が聞こえる。

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昨日人があまりこないと予想して
設営した公園だったが、

夜中に人の気配を感じて気が張りつめ、
なかなか眠りにつくことができなかった。

 

 

途中、恵みの雨とでも言うべきか、
雨が振り出た。

その気配も去ったように思われた。

僕が安心して眠ることができたのは
辺りが明るくなり始めた頃だった。

 

 

 

 

ここはチェコ、プラハの公園。

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ついこの間まで背負っていた
23kgのバックパックは
チェスキー・ブジョヴィツェの公園のベンチで
寝ている間に盗まれてしまった。

僕は装備品を買い直し、
テントまで買って新しいスタートを切ったばかりだがー…。

 

 

そんな僕の出ばなを
くじくように降る雨。

 

 

夏のヨーロッパはいつもだったら
雨はほとんど降らないらしい。

「こんなに雨は降らないんだけどね」と
ヨーロピアンたちは口を揃えて言っていた。

 

 

どーなってるんだ。異常気象なんだろうか?

テントの良いところは雨なんか
気にせずに寝れるところだ。

だが、雨が降っていれば
その中で撤収作業をしなければならない。

 

 

『や、止むのを待とう…』

 

 

テントの出入り口のジッパーを開けて
外の様子を確認すると
僕は再び寝袋の中に顔をひっこめた。

 

 

 

二度寝から醒めると
いくらか雨もおさまったみたいだ。

テントを打つ雨音よりも、
外の具合のほうがいいことに気がついた。

 

 

『撤収 in the rainだな』

 

 

テントの外にバックパックとサブバッグ、
その他の備品を出すと、
僕は素早くテントの出入り口を締めた。

フライをはずし、
ポールを手際よく小さくしていく。

四隅のペグをさっさと抜いて、
失くさないようにペグ入れに入れる。

蚊帳みたいな白地のテント本体を三回ほど折って、
あとは寝袋と同じ要領だ。
クルクル巻いて紐で縛る。

最後にフライの水気を
できるだけはじいて同じようにクルクルと丸めた。

ポールとペグ、丸めたテントと
フライをケースに入れてしまえば撤収完了だ。
10分もかからない。

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小雨の中、

作業場にしているマクドナルドまで歩いた。
もうここで野宿はしまい。

マクドナルドに着くと、
ブラックコーヒーと野菜が取れそうな
チキンバーガーを注文して
いつも座っている二階席へと行った。

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テントとフライを椅子や
手すりにかけて干して、
パソコンやiPhoneを充電する。

 

 

最近MacBook Proの調子が悪い。

いつからだったが、Bluetoothが
「使用不可」と表示するようになり、
盗難の後、チェコで新しいアダプターを
買った後からWi-Fiが使えなくなってしまった。

「Wi-Fi ハードウェアなし」

と表示されるのだ。

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マクドナルドのWi-Fiには問題はないみたいだ。
iPhoneの方は問題なく使える。

iPhoneでネットに繋ぎ、
対処法を色々ためしてみたのだが、どれも効果なし。

オイオイ…一体どうしちまったんだよ?

 

 

 

「はぁ…」

 

 

 

 

時間だけがあっという間に過ぎて行く。

特にこれといって、
その時間の中で「何かをした!」
という達成感みたいなものはない。

今までの僕の旅だったら、
その日その日の予定みたいなものがあった。

「今日は移動で、今日はこの町を見る」
おおざっぱでもそんな感じだった。

 

 

漫画を描く場合を除いて
同じ街に何日も滞在することもなかった。

だけど盗難にあってから、
僕の中の時間軸みたいなものが
少しづつ狂ってきたように思える。

90日というシェンゲン協定の
リミットがあるのに、テキパキと動けない。

行動を起こすための活力みたいなのも湧かない。

 

 

 

 

いつものコンセントがある二階席で
Facebookを覗いたあと、
損保ジャパンの海外支部にスカイプで
電話をかけて保険申請までの手順を訊いた。

保険は盗難にあってから
30日以内に報告しないとダメ
だということが分かった。

そして、現地で保険金を請求するときは、
同じ国に連続して
30日以上滞在することが条件
だということも分かった。

 

 

同じ国にそんなに
長くいる予定は今のところはない。

保険が切れても3年間は申請できるそうなので、
僕が保険申請するのは日本に帰ってからになりそうだ。

ちなみに保険は修理側から
「外部要因」で故障したことが
証明されないと適用されないらしい。

こればっかりは診てもらうしかない。

それを済ませてしまうと
僕は手帳サイズの小さなノートを広げた。

 

 

 

ノートに落書きと、自虐的な漫画を描く。

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「カエルダッシュ」のツバサさんから
似顔絵を描いて欲しいと依頼があったので
下描きなしの一発描きで似顔絵を描き、
それをFacebookのメッセージで送っておいた。

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あぁ、おれは
こんなところで
何してるんだろうなぁ?

インドのバラナシでお会いした
「ソナの何でも屋」の前の古本屋に
いっつもいるキューちゃんさん
「そんなとこさっさと出たら?」と
僕にメッセージをくれた。

ほんとうだったら、
チェコの雑貨を仕入れて
楽しい思いをしていたんだろうけど、
今は雑貨を仕入れる気さえ起こらない。

 

 

でも、
このあとドイツで装備品をそろえるとしたら、
もっとお金がかかってしまうことは予想できた。

世界一周の装備をそろえるのは
ここがベストなんだ。
…たぶん。

 

 

あと僕に何が必要だろう?

バックパックも買った。
Tシャツとボタンシャツも手に入れた。
MacBook Proのアダプタも買った。

 

 

あと必要なものはー…、

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外を見ると

傘をささずに歩く人の姿が見えた。

どうやら雨はあがったようだ。

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結局この日は夕方までずっと
マクドナルドで作業をしていた。

 

 

 

今日は空港泊にチャレンジしてみようと思う。

もうテントの中にいながら怯えるのは嫌だ。

空港だったら安心して
寝られるんじゃないかなと思った。

ただ、さっきマクドナルドで
「プラハ 空港泊」とか検索しても
検索結果は近くのホテルが
どうのとかいう情報だけだった。

プラハの空港で寝るヤツなんていないってことか。

もしかしたら叩き起こされて追い出されるかもなぁ。

 

 

マップアプリで近くの空港にピンを刺し、
トラムに乗って終点駅で降りた。

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空港までは大分距離があった。

雨上がりのひんやりとした空気の中、
ひたすらに歩いて行く。
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途中、ハイウェイと交わる道を
通過しなければならず、
後ろから来るトラックにヒヤヒヤさせられた。

草についた雨水で
パタゴニアのパンツを濡らしながら
ひたすらに歩いた。

 

 

 

蛍光灯が灯る夜道を歩き続ける。

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いくら歩いても
空港らしき敷地は見えて来ない。

おかしいな???
地図にはここが空港だって示してるんだけどー、

 

 

 

 

 

 

 

2時間歩いた。

マップアプリはここに空港があることを示していた。

それらしい敷地はあるのだが、
ゲートが閉まっており、
人が入れるようにはなっていない。

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えー..どういうことだ?

近くにあったガソリンスタンドで
店員さんに訊いてみた。

店員さんは地図を見て、
間違いなくここに空港があると言っている。

 

 

空港はあった。

 

 

 

てかここ、
国際空港じゃなかった。

プラハの国際空港は
もっとずっと遠くにあった。

って文章で書いても分からないよね。

うん。ただね、
フツーに
間違えた
だけですよ。
ははは。

 

 

僕がやって来た空港は、
ツーリストたち降り立つ空港ではなかった。

ってなんでプラハってこんなんばっかなんだよぉぉぉおおおお!!!!もういやだぁああああ~~~~!!!!

 

 

 

悔しくなってガソリンスタンドの
ちょっと高めのサンドイッチをほおばった。

空港泊をしにきたのに、
結局今日の寝床はガソリンスタンドの裏。

ここにはガソリンを入れに来る人間しか
やってこないのがせめてもの救いだった。

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