世界一周184日目(12/29)
うんちを
踏むことから
僕の一日は始まった。
![IMG_9089](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
犬のじゃなくてたぶん人間の。
駅のホームで
ちょっと太ったリードに繋がれた
ラブラドールレトリバーを見て、
『カワイイ…』と目を奪われていたら左足に
「ぺちょっ」という感覚があった。
どうせ食べ物か何かを
踏みつけてしまったのだろうと
足下を見ると黄土色の柔らかい物体が。
ここはチェンナイ・セントラル駅。
朝六時。日は昇っていない。
![IMG_9090](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
インドの汚さは定評がある。
そこらへんにごみは落ちているし、
野良牛やら野良犬の糞を見ない日はない。
人間だって道端で用をたす。
小さい子どもがしゃがみこんで
プリプリ道端にうんちをしている姿は
どこか微笑ましい。
時々ね大人でもしゃがみ込んでおしっこしてるよ。
カワイイよね。
いや、
ぜんぜん可愛くねえよ!
トイレに行け!トイレに!
旅を続けていると、
多少の汚いのにも慣れっこになったが、
日本の衛生面はほんとうにすごいよ。はは…。
朝イチでうんこ踏むなんてさ、
僕ってなんてツイてるんだろう?
「運なんてうん踏めば
戻ってくるから!」
って「あたしん家」のお母さんは言ったけど、
うん…僕、泣かないよ…。
駅のホームに常設された水道を使おうとするが、
朝6時の水道はうんともすんとも言わない。
朝は断水してんのかよ!コノヤロウッ!
1ルピー払って有料トイレに駆け込み
サンダルを洗ったのだが、
臭いまでは落としきることはできなかった。
ジェネラルコーチでは4人掛けのシートに
5人も座っていたもんだから
(ついで言うと僕は通路側で半ケツで座っていたんだ)
睡眠も浅い。
これでバックパックを背負って宿を探すのはキツい。
それにうんち(さっきから「うん◯」「う◯ち」ってごめん)の臭いで
気分が悪くなってしまった。
駅のベンチに腰掛けて太陽が昇るまで睡眠をとることに。
![IMG_9092](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
そういえばここに来て
久しぶりに欧米人のバックパッカーを見た気がするな。
ここは一体どんな街なんだろう?
1時間程度の睡眠
を2回繰り返し、
体調の回復したところで駅の外に出た。
![IMG_9098](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
すぐ近くに寺院のシルエットが浮かび上がる。
ここも大きな街だ。
![IMG_9143](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
行き先は決まっている。
マップアプリを頼りに目指すはYMCA。
他の旅人さんのブログで
チェンナイにYMCAがあるとの情報を入手し
(まぁ、ある程度の大きさの街にはけっこうYMCAがあるんですけどね)
僕は途中にある宿の値段を訊きながら
YMCAへと近づいて行った。
![IMG_9101](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
チェンナイ・セントラル駅の周辺には多数の宿がある。
だいたい300ルピー(498yen)以上だし、
ここでもインド人オンリーの宿はあった。
「How much?Single room?」と訊いて
ソッコーで手をヒラヒラさせてくるのがそうだ。
値段すら教えてくれない。
このリアクションにももう慣れた。
笑顔で
「あぁ、インディアンオンリーね!
サンキュー!」と言って
次の宿を当たるのだ。
YMCAまでは1,3キロ。
バックパックを背負って行けない距離じゃない。
安宿のありそうな路地を通り抜けて
目的地までの距離を縮めて行く。
![IMG_9106](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
こんな大きな街だと言うのに
ちょっと路地に入ると
野良牛の出現率がアップした。
足下に注意を払いながら
重たいバックパックを背負って進む。
そしてようやく辿り着いたYMCA。
![IMG_9108](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
ローカルなインド人のドミトリーも泊まったんだ。
きっとここはそれよりも綺麗な場所に違いない!
「ハウマッチ?シングルルーム?」
きょとんとした顔のレセプションのじいさん。
ん?英語が分からないのかしら?
スタッフを探して敷地内の吹き抜けに行くと
おっちゃんたちが敷地の端で団欒している。
![IMG_9110](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
僕の姿を見て手招きする。近づいて行く僕。
「ここには泊まることはできないよ。
宿泊したいんだったら別のYMCA!」
うそ~ん…
マップアプリには確かに宿のマークが出ている。
ここは間違いなく宿のはずなんだけど…。
いつもだったらこんなピンポイントで
宿を探したりなんかはしない。
安宿の集まっていそうな場所に
値段を聞き込んでいって
できるだけ最安値の宿を見つけるのだが、
今回は事前の情報が仇になった。
どうやら宿泊可能なYMCAは
バスに乗らないと行けない場所にあるらしい。
超絶めんどくせぇ。
もうYMACAだけのために移動する気はない。
いいよ!僕には僕のスタイルがあるんだから!
仕方ない…。
駅周辺の安宿をもう一回当たってみよう。
![IMG_9111](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
バックパックを担いで
来た道とは違う道を引き返す。
活気でにぎわう市場の通りやごちゃごちゃした路地。
ちょっと気になるデザインの建物たち。
でも新しい街にワクワクするのはー…、
宿にありついてからだ!
![IMG_9117](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
27,4キロのバックパックと
7キロのサブバッグを装備した
活動時間が1時間を越えた。
汗で湿るTシャツとジーンズ。
バックパックのウェストベルトが擦れてきた。
このまま長期戦にもつれこむのはマズイ!
なんとか10時までにはケリをつけないと!!
YMCAに行く途中で参考程度に当たっていった宿とは
別の宿を一見づつチェックしていく。
目標金額は200ルピーの宿。
でもこの街にはなさそうだ。
どこを当たっても300かそれ以上。
![IMG_9115](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
細い路地裏で見つけた宿で値段交渉の末、
一泊250ルピー(415yen)のシングルに泊まることにした。
![IMG_9120](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
宿代を二日分払い込んで
レシートをもらうことを忘れない。
この前みたいに
「エクストラ・チャージ」とか
請求されたら嫌だもん。
自分だけの部屋という安心感。
誰にも気にせず荷物を広げることができるし、
誰かと電源を求めて競争したり
盗難のリスクと戦う必要がない。
ここにはエア・コンディショナーも
シャワーもついてないけど、
僕にとってはかなり居心地の良い部屋だ。
パソコンを広げるのに丁度良い高さの
テーブルと椅子がある。
![IMG_9125](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
![IMG_9124](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
洗濯を済ませ
シャワーを浴び、ベッドにごろりと横になった。
チェンマイは「地球の歩き方」に
載っているような大きな街だ。
だけど、僕はガイドブックなんか持っていない。
知名度とフィーリングを頼りに
『この街に行ってみよう!』と
気ままにここにやって来た。
一カ所行ってみたい場所がある。それだけだ。
他の旅人はどういった場所に泊まって、
どういった場所を訪れるのだろう?
そんなことを考えながら眠りに落ち、
目が覚めた時には15時をまわっていた。
このまま一日が終わってしまうのはもったいない。
せめて街の周辺だけでも探索しておきたいな。
この街では
「ビリヤニ(チキンライスみたいなもの)」の
看板をよく見かけるようになった。
店舗を構えるメシ屋が増え、
ご飯の値段も上がった。
コルカタで5ルピーだったチャイの値段が
6~7ルピーになった。分量は少し多い。
道は比較的舗装されていて、
バスが何台も走っている。
地上からでは車で渡れない道路を渡す入り口が見える。
他の街では沢山会ったネット屋をここでは全然見かけない。
ブログは下書きを書き溜めておくことになりそうだ。
ビーチを目指したがビーチには辿り着けなかった。
![IMG_9134](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
![IMG_9144](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
![IMG_9145](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
![IMG_9159](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
![IMG_9153](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
KEENの靴がどうも足にうまくフィットしない。
何度も靴紐を結び直して。
靴擦れしないように調整する。
![IMG_9167](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
太陽は西に傾き
いつの間にか見えなくなった。
![IMG_9164](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
僕は宿に戻ってギターを手にする。
大きな街でのバスキング。
インドの中規模以上の都市なら一回で
宿代分くらいは稼げることが分かった。
チェンナイのデカさに期待して
駅の入り口脇で壁を背にして唄ったが、
Martin Back Packerの音は雑踏に吸い込まれていった。
ギターの音がいつもと違ったように聞こえる。
いつもは興味津々で取り囲んでくるインド人たちも
ここでは少し遠くから眺めていたり
目の前を通り過ぎていく。
パフォーマンスの仕方を変えなきゃだめだ!
他の都市で好感触だった目を瞑って
感情を込める唄い方ではここでは目立たない。
メガネを外し、帽子を脱ぎ、
通り過ぎる人たちとできるだけ目を合わせ、体全体を使って、
できるだけパフォーマンスらしい唄い方で唄う。
じわじわと人垣ができはじめた。
ノリノリで小躍りする巻きスカートのおっちゃん。
ちょろちょろと入り始めるレスポンス。
それを盗もうとするインド人を
聴いていた人が止めてくれた。
最近、
「お前は一体何者なんだ?」
と訊かれた場合、
「Cartoonist」
か
「Performer」
と答えるようになった。
僕はプロのミュージシャンじゃない。
だけど、お遊びで唄っているわけでもないんだぜ?
![IMG_9150](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
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まぁ、やってみると路上の哲学ってのは難しいもんです。
自問自答です。答えなんてないっす。
新百合ケ丘駅前で時々大道芸をやっている人たちを見ると
「ふ~ん…」って感じでよっぽどのことがないと足を止めない僕です。
でもレスポンスの大切さも知っているので、
「何かレスポンスしたい!」と感じた時には
お財布から2~300円を出してハットに入れます。
「遊びならギターケースを広げるな」
と言う人もいるでしょう。
こっちも必死です。メシ代を稼ぐのに(笑)。
旅を終えた後に少しでも
日本を出る前の自分より何かを持っていたい。
そう思うんです。
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