世界一周251日目(3/6)
ナムチという
町の丘の上に大きな仏像があるそうだ。
せっかくやって来たシッキム。
できるなら色んなところに行ってみたい。
ていうか今いるジョータンは
ほんとうに小さな町で特にすることもない。
昨日もらったマップによると、
シッキムは豊かな自然に囲まれ、
トレッキングはもちろんのこと、
バードウォッチングやラフティング(川下り)、
パラグライディングもできる。
その中に仏教やヒンドゥー今日のお寺がある。
朝8時にはサブバッグだけ持って宿を出発して、
学校へ向かう学生たちと一緒に
ジープでナムチへと向かった。50ルピー(82yen) 。
それにしても、
シッキムの子たちが着ている制服は
日本のそれとほんとうによく似ている。
ブレザーだったり、
プリーツの入ったスカートだったり。
彼らの姿を見ると、
同じくらいの年齢だったことを
思い出さずにはいられなかった。
僕にも彼らと同じ様な時間があったのだ。
毎日自転車を漕いで30分かけて高校まで通った。
ジープの窓から同じように
学校へ向かう子供たちを見た。
山の生活。
移動がちょっと不便そうだなぁと思った。
やって来たナムチ。
広場はけっこう綺麗な感じで、
サムソンなんかの電化製品店もあった。
小さい割にはしっかりしている。
てきとうな方向へふらふらと歩いて行き、
たまたま見つけたツーリスト・インフォメーションで
お寺がどっちの方向にあるのか尋ねる。
「ヒンドゥーのお寺があっちで、
ブッダのお寺がこっちかな」
全くの逆方向。
とりあえずヒンドゥーの方へ行ってみようか。
間違えて入ってしまった別のお寺で
小坊主たちがどこにヒンドゥー教のお寺が
あるのかを教えてくれた。
ナムチの坊主は
ロックの精神も持っているようだった。
「ほら!
あそこに見えるでしょ!」
た、確かに…!山の上にある…。
(この写真じゃわかりませんが)
大きな彫像が山の中にちょこんと見える。
なんかネパール以降、山歩きすることが多いな…。
最初は楽だった道も、どんどん急になる。
コンクリートで舗装してあって
歩きやすいんだけど、
下からは目的地が見えず
『一体いつになったら着くんだ?』
という精神的な負担がハンパない。
「山に登るのが
好きなんだよね」
っていう人間がこの世にはいるけど、
彼らがこの行為のどこに
魅力を感じているのかすげえ疑問に思う!
これは一種の修行に違いない。
平らな地面を歩くよりも
あえて体に負荷のかかる道を選び、
頂上という名のゴールまでの道のりを
精神的な強さと忍耐力を持って行く。
「うわぁ~…
見てご覧よ。山が綺麗だねぇ」
なんていう心の余裕は
ほんのわずかも生まれない。
7キロのサブバッグがやけに重い。
山道をあるく人間は僕しかいない。
時々「taxi」と書かれたワゴン車が
僕を追い抜かしていく。
7部丈のカットソーとジーンズは
汗でぐしょぐしょ。
洗濯しなくちゃなぁ…と考えてしまう。
「Siddhesvara Dhaam」
の入り口が見えて、僕が思ったことは
『ここまで徒歩で来たんだ。
入場料をまけてくれ』
という宗教とは
全くかけ離れた
煩悩だった。
受け付けて荷物チェックを済ませ、
きちんと入場料を払った。
入場料10ルピーに対して
カメラの持ち込みが50ルピー。ははは。
脱いだ靴と石でできた床のせいで
足がひんやりした。
山の上にある寺院には風が吹き抜ける。
汗をかいた体が冷えた。
やっぱりデっかい物を見ると
すげえなって思うのは毎度のことだ。
色々ヒンドゥーのお寺とか見て来たけど、
こんなにデカいシヴァ神の像は見たことがない。
帰りは途中まで歩き、
やってきた車をヒッチハイクして
ナムチまで戻った。30ルピー(49yen)。
僕はなんで歩いたんだろう?
昼食を
済ませた後、
僕はSamdruptseという
仏教のお寺にも行ってみることにした。
もちろん徒歩で。
もうここまで来ると意地ですよね。
バスは使ってなるものか!!!ってね。
お寺の方向へ向かって伸びたショート・カット。
山道を登っていく。なぜか手に持ったギター。
上を見ちゃダメだ!
見たら心がもってかれる..!!!
一歩一歩下を向いて、
できるだけ同じ歩調で山道を登っていく。
ねえ、これはトレッキングだよね?
そして
気づいたら山の中。
あれ…?
ショートカットどころか、
めちゃくちゃ
ローカルな道だったのかぁあああ!!!
も、戻るか?
いや、ここまで来ちゃったんだ。
進むしかない!
最悪、大きな道に出て車を
つかまえてナムチまで戻ろう…。
水道管がむき出しになった道や、
石でゴツゴツした道を、
その辺に遊びに行くような服装の
バカな青年が一人進んでいった。
ブッダはどこにいやがる…?
2時間ほど山道を彷徨った後、
近くに車の走行音が聞こえた。
車道だ!これで山で遭難しなくて済んだぞ!
車道に出るとすぐ近くに
サンドロプセの看板が。
「2km」
という文字が
僕の心に重くのしかかったが、
ここまで来たんだ登るしかない。
肉体的にも精神的にも疲れ果てて、
登り切った坂道。
入り口前の売店でスナック菓子を
3袋買い込みエネルギー補給した。
まぁ、まぁね。
デカいものを見るとー…
ほら、ここ心がー…
分かったことは
疲れて感受性が
持っていかれてしまった
ってことだ。
太陽は雲に覆い隠され
気温は一気に下がった。
アウターがサブバッグの中に入っているけど、
汗をかいた体の上から着たくない。
ここまで来るのに
2時間以上かかったのに、
見物するのは10分かそこら。
も、もう十分だ。ジョータンへ帰ろう…。
帰りの山道を
エレファントカシマシの
「今宵の月のように」を独唱して下った。
車道に出ると、さっきと同じように
後ろからやって来たバスを
ヒッチハイクしてナムチまで戻った。
そしてここへ来たのと同じように
学生たちと一緒のジープで
ジョータンへと帰ったのだ。
「バーでノートを広げて
アイデアを書き留める」
そんな響きがカッコよく思えて
宿の併設のバーのスツールに座って
ノートを広げたが、
これと言って
革新的なアイデアは
思い浮かばなかった。
まぁそんなもんだ。
我、煩悩の塊なり。
なんつって。
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にしても、誰もいない山道で大声で唄うのって
最高に気持ちがいいですね!
トレッキングは好きになれそうもないけどなッ!
なぁ、誰か頼むから僕にトレッキングの素晴らしさを
教えてくれないか?あれは精神修行かなんかなのかい?
でも、ランナーやハイカーっていう人もいるもんなぁ。
きっと行為そのものが好きなんだろう。
『いや、トレッキング楽しいよ?うんたらかんたら~』と
目の色を変えて僕にその素晴らしさを説ける人は素敵な人ですね。
山歩きが好きなんでしょう。ポチを。
『どこが楽しいだとか感じちゃダメだ!FEEEEL!!!』という人は
ブルース・リーの受け売りは止めましょう(笑)
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