「スプリンクラーは深夜4時に起動する」

世界一周365日目(6/28)

 

暗闇の中で
目を覚ました。

建物の窓は表の広告が邪魔をしており、
光がその間から差し込む。

 

 

ここはトルコ、コンヤという街。

昨日出会ったトルコ在住のイラン人、
ムエタイを学ぶユサフの寝泊まりしている事務所。
僕が目覚めたのはソファの上。

時計を見ると8時半を過ぎていた。

ユサフもおっちゃんもまだ眠っている。
寝過ぎじゃないのか?

 

 

トイレに行き歯を磨いて
事務所の外でパッキングを済まる。
昨日のバスキングにアガリも集計した。

まだ寝ているユサフの肩を軽く揺さぶって
「それじゃもう行くから。テシュケレデム」
とお礼を言って別れを告げた。

ユサフは眠そうに上体を起こして僕に手を振った。

一晩だけだったけどありがとな。

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さてと!
今日もヒッチハイク行きますか!

まずは街を出ないと。

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いいかげん街の端っこまではバスで行きたいんだけど、
相変わらずどのバスに乗っていいか分からない。

マップ見ると街から出るのに4km以上もある。

これは歩きだと無理だ。

今日は出発が早くなかったから
サクサク行きたいところだけど…。

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くそ…あれに乗れれば!

 

 

 

バス停で荷物を下ろして休憩する。

バックパックのボトルホルダーには水道水を補充した
500mlのペットボトルが3本入っている。

今のところ飲んでもお腹に影響はない。

売ってる水に比べたら少しクセがあるかなってくらい。

それを飲んでバスを待った。

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やって来たバスに、マップアプリを見せて
「ここまで行きたいんですけど」と言っても、
「街から出たいならオトガー(長距離バス)だよ」
と言われてしまう。

うぅ…、

僕は街の端っこまで行きたいだけなのに、
その微妙なニュアンスが伝わらないもどかしさ!

 

 

歩くしかない。

そして、その先に
チェックポイントのように待っているバス停。

はぁ、なんだよ。
バスに乗ればこの距離を進めただなんて…。

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僕は観念してミニバスに乗ることを決めた。

隣り町のベイシェヒルまで12リラ(573yen)。

その絶妙な値段設定にやられた。なんだよ12って。

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ミニバスでの移動はあっという間だった。

意外と上り坂が多くて、
その道を歩くことにならなくてよかったなと思った。

一時間ほどで隣町のベイシェヒル。

バスターミナルには全然人がいない。

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そう言えばさっきミニバスの運転手が
「ラマザンだから水飲む時は隠れてな」
と僕に注意してくれた。

ラマザン(ラマダン)が原因なのだろうか?

ラマザンって

何時から何時までは
飲み食いしてはダメですよ

てヤツでしょ?プチ断食とでも言おうか?

 

 

トルコ人の食べる量はけっこうな物だ。

だから体を休めるためにも
ラマザンはしたほうがいいのかもしれない。
調べてみたら全然違ったけど笑

大昔の人は宗教に絡めて健康にも
気を遣っていたんだなと考えなくもなかった。

それでもこの暑さの中、
食べるのどころか水分摂取も
ダメだなんてどうかしてるよ。

ラマザンは強制ではなく任意で
そこまで厳しくないみたいだけど、
やってる人はエネルギーを消耗しないために
家に籠ってるんじゃないだろうか?

てかスポーツ選手とかラマザンできなくねえか?

 

 

暑い日差しの中、次のヒッチハイクポイントへと続く
幹線道路で親指を立てながらそんなことを考えた。

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道が少し先で別れているようで、
みんな運転席から
「悪いけど君の行きたい方向とは別なんだよ」
とでも言うようにハンドサインを送ってくる。

僕も「あぁ、分かりました。あざっす」
そう言うように頷き手を振り替えす。

 

 

少し先まで歩いてみることにした。

その途中で僕を乗せてくれたのは
さっき近くを通りがかった
鉄パイプを持ったおっちゃんだった。
なんで鉄パイプを持っていたのかは分からないけど。

なんとかベイシェヒルの
町外れまで出ることに成功する。

 

 

 

そこからまたヒッチハイクを再開する。

あぁ、なんかこの何もない感じ。

たかだか町はずれに来ただけなのに
自分がいた場所がずいぶんと遠く感じる。

やってくるトラック。

はぁ、どうせ止まりやしないでしょうなぁ。
っとやる気無く親指を立てた。

 

 

「オオオォォォォ…」

 

 

はっはっは!かかったな!
「ほんとは乗せて欲しいけど、
ちょっと諦めモード」作戦!

運転手も『きっとヒッチハイクが
うまくいっていないんだろう。乗せてやるか』
と考えたに違いない!

というのは冗談ですよ?もちろん。

『どうせ止まってくんないっしょー…』
って思っていても、車に乗せてくれる
トルコのみなさん!好きだぁあああ~~~!!

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運転手のおっちゃんは陽気な人だった。

トルコをヒッチハイクで旅して来て
けっこうトラックに乗せてもらうことが多い。

乗せてくれるドライバーさんはだいたい陽気な人たちだ。

名前は訊きだすことはできなかったけど、
わずかな距離、楽しくドライブさせてもらたった。

僕がヒッチハイクで次の町に向かうのを
分かってくれたようで、
「ここなら次の町に向かう車が捕まるさ!」
とわざわざ僕をヒッチハイクに
最適なポイントで降ろしてくれた。

あざっす!その心意気が沁みます!

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おっちゃんの

トラックを見送って、僕は歩き出した。

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何台か通過していく自動車。

そんなすぐには捕まらないさ。

 

 

10分が経過した時に止まってくれたのは
大型のトラックだった。

最初は僕のことを
待ってくれているだなんて分からない。

ヒッチハイクオッケーの射程距離
10メートルにさしかかって
『もしやっ!』と駆け寄るのだ。

 

 

「あ、アンタリヤまで行きます?!」

「ああ。乗りな!」

「テシュケレ!!!」

 

 

前のトラックを追うようにして
僕の乗っているトラックは走り出した。

携帯電話で向こうのドライバーとやり取りをしている。

「コイツのトラックがアンタリヤに行きだぜ」
と前のトラックを止めてもらい、
すぐのところでトラックを乗り換えた。
オスファンさん!ありがとやす!

 

 

 

向かうはアンタリヤ

トルコの南にあるビーチだ。

旅の途中で出会ったトルコ人が
オススメしてくれたってのもある。

一体どんなところなんだろう?

 

 

「ティシュケレデレム!
マイネームイズ シミ!What’s your name?」

いつものように自己紹介とドライバーさんの名前を尋ねる。

今回乗せてくれたのはアルムさんという名前の方。

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「KAWASAKIって知ってます?
あの「ブルゥンブルゥン」の?
あそこが僕のホームタウンなんすよ!」

「あぁ~!カワサキね~!わかるわかる!」

 

 

海外において日本の何が有名かと言ったら
|大きな都市の東京/大阪、電化製品、
そして車やバイク。

僕の住んでいるのは神奈川県の川崎市。

その知名度は時に車内での
コミュニケーションを助けてくれる。

 

 

 

会話がなくなるとギターを披露したりした。

トラベル・ギターは僕のギターは車の中でも弾けちまうぜ!

車内でシャウトしたにも関わらず(や、眠かったんですよ)、
アルムさんもノリのいい人で「いいねぇ~!」と
トルコのグッドサインをしてくれた。

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窓から熱気を含んだ風が吹き込み、
西日がコンクリートに反射するころ、
僕はアンタリヤの手前の町でトラックを降りた。

「じゃあな」と言って、
アルムさんは別の方向へと進んでいく。
お礼を言ってトラックを見送る。

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ハイウェイを車がガンガン走っている。

道幅はある方だけど、
速度を上げた車は後続車もあることだし、
止まってくれないかもなぁ~。

たまたま通りかかったバイクの兄ちゃんたちが、
僕を近くのガソリンスタンドまで連れて行ってくれた。

ここでも、みんなフレンドリーだ。

アンタリヤに行きたいと言ったら、
バスで行くといいよと教えてくれた。

 

 

「15リラ(717yen)だよ」

 

うん。ヒッチハイクで!

 

 

だって!だって!

さっきいたベイシェヒルから
アンタリヤまで35リラ(1,673yen)なんだぜ?
なんのためにヒッチハイクして来たんだってーの!

ガソリンスタンドでこの日初めての食べ物を口にする。
久しぶりに食べるスニッカーズが美味しかった。

 

 

 

さてと…、
これ車止まるのかなぁ?

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ひとまず幹線道路の脇に立った。

マップで確認するとアンタリヤまで約50km。

ヒッチで一発だ。

捕まればの話だけど…。

 

 

どうしたらいいのか分からず、
ただ呆然と幹線道路の脇を歩いていると、
一台のトラックが幹線道路の脇に止まった。

後続車は迷惑そうにトラックをよけた。

わざわざありがとうございます。

 

 

親指も立てていないのに
運転手と助手のおっちゃんたちは
「乗れよ」と僕をトラックに乗せてくれる。

穴の空いたポロシャツと
長年穿き込むことによってできる
穴の空いたカットオフジーンズ。働く人の姿だ。

使い込んだジーンズを見て、
僕はおっちゃんたちに親近感が湧いた。

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アンタリヤまの一本道を外れるトラック。

 

 

「あれ?」

「ちょっな」

 

 

トラックが止まったのは
ハイウェイの脇にあるタイルなどを作る小さな職場だった。

「ほら。喰え」

と冷蔵庫からスイカの半分を出し、
それをナイフで切って分け合った。

部屋にはボロボロの使い込まれた
二段ベッドが一台と普通のベッドが一台置いてあった。

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「よかったら、
今日はここに泊まってもいいんだぞ?」

「ありがと、でも、アンタリヤ行くよ」

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スイカのお礼を言って
おっちゃんたちの職場をあとにした。

スイカだけでお腹がふくれた。
もう今日はバスで行っちまおう。

近くにあったバス停で
他のトルコ人たちとバスを待った。

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行き先はフロントガラスに
書かれているようだった。

遠くからそれを目視して
手を振るターキッシュたち。

ミニバスはそれを発見して止まった。

えっ?僕はどれに乗ればいいんだろう?

「アンタリヤ?」と訊いても、
「違うよ」と手を振り替えすドライバーたち。

 

 

 

 

 

 

オーケー、ヒッチハイク続行だ。

ハナっからそのつもりだ~~~!くそったら!
7ドル浮かしてやんよぉ!

気合いと根性で親指を立てる。もちろん笑顔全開で!

 

 

「ブロォォォォォ…」

 

 

よしっ!

 

 

 

乗っていたのは陽気な2人組。
ドライバーのアーカンと助手席のムラット。

後部座席の後ろにはスピーカーが三台取り付けられている。
重低音にスピーカーが揺れる。

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マジで大音量だと振動するんだ…。

 

 

車内を爆音で流れる音楽にこっちも体でノる。

「いいねぇ~~~!」と言うおっちゃんたち。

 

 

アンタリヤまで行くって言ったのに、
直前で横道に逸れていく車。

襲われたりしたら嫌だなぁ~~と思わなくもない。

舗装された道を離れ、砂利道を走る。

川沿いではボヤがあったようで給水車が火に水をかけていた。

 

 

そんな通行止めになった道の上で
おっちゃんたちとご飯を食べた。

パンに葉っぱやトマトや青くて長い
唐辛子みたいなのをかじりながら。

てかなんでここでメシ喰う必要があったんだろう?

 

 

そしてご飯を食べ終わると車は再び引き返した。

ガスがなくなり、僕とアーカンで車を押した。
エンジンがかかると急いで車に乗り込む。

おいおいなんなんだよ笑。

 

 

ガソリンスタンドで
アーカンは申し訳なさそうに言ってきた。

「おれたち、お金がないんだよ。
ちょっとカンパしてくれないか?
ほら、さっきメシ喰ったろ?」

確かになぁ…。

僕は小銭で10リラ、そして2リラの
1リットルのコーラを彼らに渡した。

結局バスに乗るのと変わらなかったのな…。

まぁ、いっか。

 

 

 

ガスの補充はしたのだろうか?
なぜかばっちし洗車まで済ませて、
車は再び走り出した。

 

 

「じゃあ街の中心地まで送っていってよね?」

「ああ。っと、その前に
うちによってっていいか?」

 

マイペースなアーカンとムラット。
二世帯住宅?兄弟なのかな?

僕は彼らのうちに招待された。

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簡素な作りの家。

中からは子供たちや奥さんが出て来た。

アーカンはどこからか仕入れて来た
時計やお皿を奥さんに見せる。

たぶん、これを他の人に売るんだろう。

 

 

最初はウェルカムだった奥さんも、
「ほら!5リラで買いなさいよ!」とか言って来たり、
ちょいちぃ僕を煙たがっている節が感じられた。

それじゃあおいとましますかね。

中心地へは歩いていくよ。

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「街のセンターはあっちの方角だからな!」

と家の外まで出て来て教えてくれるアーカン。

うん。送ってくれないのね。
ここまでこれただけよしとするよ。

ははは…。

はあ…。やれやれ。

 

 

 

 

 

 

 

日の沈んだ

アンタリヤの街を、中心地に向かって歩き出した。

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とりあえず目についたショッピングモールに
スターバックスがあったので、
一番安いフィルターコーヒーを注文する。
それでも4.5リラ(215yen)。けっこうするな…。

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だが、スタッフは「サービスさ!」と
僕にコーヒーをごちそうしてくれた。

ありがとう♪

やっぱどこでもいいことはあるもんだなぁ。

サブバッグの中で、
この前もらったハチミツが漏れてて泣きそうになったけど。

電源を確保できるテーブルの上に
パソコンを広げてキーボード叩いた。

Wi-Fiはトルコでキャリアと
契約していないと使えないものだった。

 

 

 

閉店時間になると
僕は再び街の中心に向かって歩き出した。

23時を回っても
人々は外を歩き回っている。なんだ?

 

 

一気に雰囲気のある路地へと変わる。

石畳とバーから漏れる音楽。

光と影のコントラスト。

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なんだ…この街…。

歩いているだけで胸が躍った。

 

 

日付が変わっても、
子供を連れた家族連れが歩いており、
深夜2時まで爆音は鳴り響いている。

海沿いの公園のベンチに僕は横になった。

ここならどこでも寝られそうだ。

 

 

 

 

 

そして

深夜4時に作動する
スプリンクラーに
叩き起こされる

僕であった。

 

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キュルキュル…

 

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竜巻旋風脚ぅぅぅぅ〜〜〜!!!

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クラブ好きにはいいかも!アンタリヤ!

さすがトルコ人も勧める観光地!
お土産屋さんもあるし、お洒落なバーもある。
お酒の飲める友達と来るといいかもね。

でも僕がやることといったらー、ふふふ。
稼げるかなぁ?楽しみだ♪

 

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