「ヒッチハイクでリュブリャナまで」

世界一周405日目(8/7)

 

昨日は
散々だった…。

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節約しているつもりでも、
交通費なんかがかさむし、
なんだかんだで食費がデカい。

毎日10ドル以上使ってる。

 

 

 

ここはイタリア国境の街、トリエステ。
向かう先はスロベニア。

うおーーーっっっ!!!
ここから脱出すんぞーーー!

 

 

 

 

情報もしっかり調べてある。

ヒッチハイクでスロベニアまで行けるようだ。

しかもスロベニアは
ヒッチハイクしやすい国だという。

これで「車全然つかまんねえよぉ~…」
って人の心の冷たさに嘆くこともない。

まぁ、これがフツーなのかもしれないけどさ。

フツーってなんだろ?

 

 

 

 

ヒッチハイクのポイントまでは
以前はトラムが走っていたようだ。

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2012年にトラムが故障してからは
運行が停止しており、代わりにバスに乗らないと
目的の場所まで行けないらしい。

僕が乗るべき2番バスを発見して、
その後をついて行った。

バス停がどこにあるのか分からなかったからだ。

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この街は海に面しているだけじゃなくて、山もある。

バスが走っていった先はずっと登り坂だった。

ヒーヒー良いながら坂道を上った。
トータル30kgある荷物が肩に食い込む。

 

 

もうイタリアってずっとこんなだったな。

「そう旅がうまく行くと思うなよ」

とでも言うように、僕をイライラさせやがる!

もちろん素敵な出会いもあったけどさ
「くそぉ~~~!この借りはいつか必ず返す!」
って感じ。

 

 

 

 

坂道の途中は歩道がなくなっていた。

バス停が見当たらず、やむなく撤退を決める。

くそぉ…、せっかくここまで登って来た
僕の時間と労力を返せ。

 

 

 

 

坂道を降りかけたその時に向こうから
2番のバスがやって来た。

なんだよ?なんでバス停ないんだよ?

バスに手を振りながら駆け寄った。

止まってくれたバスに乗り、荷物を下ろし一息つく。

 

 

 

10分ほど乗って引き返し始めたバスから僕は慌てて降りた。

なぁ、ほんとうに
こんなことばっかなんだよ?イタリアって。

タダ乗りだったけどね。

やり返そうとすると
さらにそれを被せてくるんだ。

 

 

 

 

 

 

近くのカフェでは
朝早くから村のお年寄りたちが集まって
ぺちゃくちゃとお喋りをしていた。

トイレを借りられるか尋ねると、
カフェのお兄さんは快くトイレを使わせてくれた。

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カフェラテを飲んで気分を切り替える。

朝のコーヒーが好き。

そして近くのパン屋さんで
1.2ユーロクリームパンをほおばり、
糖分を摂取して血糖値を上げれば
気持ちは満ち足りる。

僕ってそんなヤツ。

 

 

 

 

 

さぁ~、ヒッチハイクしていきましょうか!

ヒッチハイクポイントとなっている
NBLバンクの前で親指を立てた。

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一本道はそのままスロベニアまで続いている。

車の止まるスペースもあるし、大丈夫っしょ!

 

 

 

開始10分もしないで、
クロアチアの国旗が書かれた車が止まった。

サングラスをかけたクールなおねーさんが
「どこに行くの?」とぶっきらぼうに尋ねる。

僕が国境の名、セザーナを告げると
「乗りなさい」と言った。

 

 

乗っていたニナさんはけっこうな旅行好きだった。

ヨーロッパ諸国を回ったこともあれば
インドを旅したことがあるという。しかも二回!

お互い旅好きだということもあって、
それなりに楽しいドライブだった。

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ニナさんは僕をセザーナの駅前で降ろしてくれた。

「ここからバスに乗ることができるわ」
と教えてくれたが、僕はバスに乗るつもりはなかった。

ニナさんにお礼を言って見送った後、
マップアプリを確認してヒッチハイクができそうな場所まで
歩いていくことにした。

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イタリア寄りのハイウェイの入り口はダメだった。

とてもじゃないが、車が止まってくれるスペースなんてない。

さっきまで僕がいたトリエステの街へ行く車の方が多い。

再びセザーナの町を引き返し、
別のヒッチハイクできそうな場所まで移動する。

 

 

 

 

途中、フリーのWi-Fiを発見した。

パスワードもいらなければ、電話番号だって必要ない。

まだまだ時間はあるしな。

荷物を下ろし。階段に座ってiPhonenをいじった。

 

 

 

 

「ちょっと君、英語は喋れるか?」

 

 

 

目の前には男女の2人組。

手には警察証みたいなものをもっている。

二人ともジャケットにジーンズといった
ラフな格好をしていたが、
どうやら本物の警察のようだった。

たぶん、彼らが気にしているのは
不法滞在とかそんな感じだろう。

警察の疑いを晴らすために
あえてフレンドリーに喋った。
ペラペラペラペラと。

 

 

「ん~、そうですね。
7月14日にギリシャから入ったんですよ。
え?イタリアへは?
フェリーです。はい。
それからここまで来たってわけです。
あぁ、友達のドライバーが
ここで降ろしてくれたんですよ。
首都のリャブリュナまでは
バスで行こうと思っています。」

 

 

彼らの表情が緩んだように見えた。

しょっぴかれるのなんてゴメンだ。

彼らは覆面パトカーの中に
僕のパスポートを持って行った。

要チェック人物は記録に残しておくってことだろう。

初めてだよ。職務質問だなんて。なんもやってないのに。

さっさとこんな町でよう。

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ヒッチハイクポイントに立って
僕は元気よく親指を立てる。

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車の数は少ない。

ただ、腕を伸ばすだけじゃなくて、
車の姿が見えると親指を立てた方の腕を
何かをシェイクするように軽く振った。

 

 

今までトルコ、ギリシャ、イタリア、スイス、
通過しただけであればフランスとオーストリアを
ヒッチハイクで旅してきたが、

スロベニアでヒッチハイクをしてみた感想は

「あまりよくない」

だった。

もしかしたらイタリアと変わらないかもしれない。

てか誰だよ!
「スロベニアがヒッチハイクしやすい」
だなんて言ったの??!!

 

 

 

サイトの情報を鵜呑みにするのも考えものだ。

僕が参考にしている「Hitchwiki」は
日本人向けには書いてない。
欧米人たちがヒッチハイクの情報をシェアするサイトだ。

同じような顔をしたヨーロッパだからこそ、
ヒッチハイクできるのかもしれないな。

ヒッチハイクがうまくいかないとそのことを考える。

 

 

 

 

 

 

一時間が経過した。日差しは僕を照りつける。

ヒッチハイカーは日に焼ける。

 

一台の車が停まってくれたが、
目的地はほんの数キロ先だった。

運転手のおっちゃんは僕が
ここでヒッチハイクしているのを
少し驚いていたようだった。

僕がヒッチハイクしている場所について、
モショモショ言ったが僕にはさっぱりだった。

おっちゃんは「good」を「better」が
こんがらがった英語を喋った。

中学校で習った比較級。

おっちゃんの話を聞きながら一生懸命で頭の中を整理する。

ここでヒッチする方がいいのか、
それとも、数キロ先のおっちゃんの
目的地でやったほうがいいのか?

 

結局おっちゃんは「グッドラック」と
ムスっとして車を走らせてその場から去って行った。

取り残された僕は再び親指を立てる。

 

 

 

 

まー、いろいろあるわな。

ヒッチハイクを楽しめるくらいの心の余裕がないとダメだ。

気楽にいこう。

もしダメだったらその時はバスに乗ればいいさ。

 

 

向こうからやって来た車の姿が見えると、
腕をしゃんと伸ばし、ニコっとしながら手を振る。

行き先が違うのよと手を振る人、
こちらには見向きもしない人、
4人乗りの乗用車もあれば、
ハイエースみたいな中が見えないワゴン車もー、

 

 

 

あっ、止まった。

 

 

 

ヒッチハイク開始から
一時間半後に止まってくれたのは一台のワゴン車。

助手席からおねーさんが降りて来た。

 

 

 

「どこまで行くの?」

「リュブリャナまで」

「途中までだったらいいわよ」

「じゃあ、お願いします!!」

 

 

 

車に乗っていたのはフランス人のカップルだった。

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ワゴン車の積み荷部分は布団が敷いており、
そこにバックパックやギターが置いてあった。
ここで寝泊まりできる簡単なキャンピングカーってわけだ。

 

 

半年に一回はこうして国外を旅するという二人。

彼女さんはスロベニアの地図を片手に、
次はあっちよとドライバーの彼氏に道を教える。

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二人はスロベニアにある洞窟へ行く途中だった。

車はハイウェイを離れ山道を走る。

 

「私たちもこのあと
リュブリャナに行くのよ。
私たちについてくれば
そのまま送って上げるけど、どうする?」

 

 

もちろん僕は彼らの申し出を受けさせてもらった。

何やら世界遺産だかに登録された
でっかい洞窟なのだとか。

そういう自分のプランには
無かった出来事が起こるのも旅だよな。

スロベニアもいい経験ができそうだ♪

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「どうする?」

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「えーっと…、
外で待ってます」

 

 

洞窟は二つあるらしい。

トロッコで内部を探検する
アドベンチャーツアーみたいなのもあって、
見事に観光地化されていた。

日本円で4000~5000円のツアーがいくつかある。

このツアーに参加するためにここまで来たんです!
って気合いの入り様じゃないと、
ツアー代は払えない。そう思った。

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二人はとりあえず洞窟の入り口へと向かっていった。

待ち合わせ場所だけ決めて、
僕はそばにあったレストランで
ブラックコーヒーを注文してiPhoneの電源を入れた。

 

 

あー、パソコンは二人のワゴン車の中だ…。

洞窟なんて入場料なしで
気軽に楽しめるものだと思っていたので
サブバッグはワゴン車の中において来てしまった。

二人がツアーを終えるまでの時間を
どう過ごしたものかとコーヒーをすすりながら
考えているとすぐに二人が戻って来た。

 

 

「え?!もうツアー終わったの?」

「やっぱり、
あの入場料は高過ぎるよ。
僕たち一番行きたかったのは
ここじゃないんだ。
入り口まで行けば十分さ!」

 

 

洞窟ひとつにつき似た様な入場料がかかるようだ。

本命の洞窟に行ければいいという
二人と再び車に乗って、少し離れた洞窟へと向かった。

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それじゃあ言って来るからねと言う二人を見送って、
僕はカフェでコーヒーを注文してパソコンを開いた。

カフェの外にコンセントを発見して
iPhoneのポータブルバッテリーの充電もしている。

 

 

Wi-Fiは入らないけど良いカフェだった。

巻きタバコをふかしながら
本日二杯目のブラックコーヒーをすすった。

イタリアからやって来た僕は
スロベニアの物価が低くなったことに安心させられた。

まだここはEU圏内だけど、
整った都会ではなく自然豊かな田舎といった感じ。

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二人が洞窟に言って帰って来るまでの間、
カフェのテーブルであ集中して日記を書いた。
こういう時間も必要だなって思う。

そして僕たちはスロベニアの首都、
リュブリャナへと走り出した。

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運転席に座る彼氏さんと助手席に僕、
その間に彼女さんが座る。

こんな形でワゴン車に乗せてもらったのは
初めてかもしれないな。

彼女さんは窮屈に感じてないだろうか?

車内にはかすかにBGMが流れる。

僕は窓枠に肘をかけて流れる外の景色を眺めた。

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リュブリャナの街も

そこまで大きな街だという印象は受けなかった。

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街の中心地で降ろしてもらった僕は
いい感じの通りを見つけた。

ここならバスキングできそうだな。

 

 

 

ニタニタしながらギターを構える。

隣りには鞭髪のような
奇抜な髪の毛のお兄さんが
犬と一緒に地べたに座っているが、
物乞いではないだろう。

よし!

 

 

 

 

近くのレストランから苦情が
こない距離感を意識して僕は唄いだした。

すぐにチラホラと入るレスポンス。

ここはイタリアなんかよりずっとレスポンスがよかった。

 

 

突然やって来た日本人を人々が迎えてくれるような街だ。

当然僕の他にもバスカーたちがいた。

突然僕の10m脇でクラリネット、ドラム、
アコーディオンのトリオが大音量で
マーチみたいな音楽をやりはじめる。

ベテランのおじいちゃんいみたいな三人組。
きっと長年ここで路上演奏をしてきたのだろう。

とてもじゃないけど、それに対抗する気にはなれなかった。

さっさと荷物をまとめて別の場所を探す。

 

 

 

 

 

夕暮れ時には道行く人の数も増えたように感じた。

それにあわせて街の中心地では
いいポジションには先客がいた。

アコーディオンのソロから、
バイオリン弾き、バルーンアートまで。

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街をぐるっとまわって、
細々として場所でやってみたが
レスポンスはイマイチ。

そもそも人が通らないような場所だった。

警察がやって来て注意されるかと思ったが、
何も注意されることはなかった。

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なんかドロドロした彫像だ…

 

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そしてこのちょっとダークな絵が好き。

 

 

 

良い場所が探せず、再びもとの通りにに戻ると、
さっっきの三人組の姿はない。

30分くらで場所を代えるなんて早いな。

手っ取り早く一カ所で稼いで場所を代えるのが
彼らの作戦なのかもしれない。

いずれにせよラッキーだ。
新参者の僕でも唄えるスペースがあるのだから。

 

 

 

ギターを構えると、ニタニタしてしまう。

漫画で言うと「ニッシッシ」や
「ニヒヒヒ」に近い笑方だ。

まぁそりゃいきなりアジア人が
ギター構えて唄いだすわけですからね。

時々『なんだコイツは??!!』って
露骨な顔する人もいらっしゃいますよ。

でもそれでビビってたらなんもできないよね。

いかに開き直るかが大事。バスキングは楽しいから♪

 

 

 

スロベニアの首都、
リュブリャナの道行く人を見て思ったことは、
中国人の観光客が多いということだった。

まぁ、それはたまたま
バッティングしてたってのもあるんだろうけど、

彼らは同じ様な顔をした人間が路上で
唄っている姿を見て、いささか驚いているようにも見えた。

 

 

目が合うと、僕はこっちから笑いかける。

それはどちらかと言えば
『おれはこんだけ人生楽しんでるんだぜ!』
っていう余裕アピールだ。

だいたいの人はそのまま素通り。

笑い返してくれる人には
心のゆとりがあるようにも感じる。

 

 

 

 

日本にいた時、道行く人の表情が気になった。

僕が大学や都内にアクセスするのによく電車に乗った。

乗客はみな一様にiPhoneをいじり、
みんなつまらなそうな顔をしていた。

そんな顔にはならないように、
いっつも口角を上げるように意識した。

それは今でも変わらないし、
町中でニコニコしてる人を見ると、
なんだかその人は幸せそうに見える。

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満足の行く

バスキングを終えて僕は
ヒッチハイクポイントへと向かった。

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夜の涼しいうちに距離を
稼いでしまおうという作戦だ。

 

 

バスもどれに乗ればいいのか分からない。

幸い道は一直線で、ハイウェイの入り口まで続いていた。

 

 

残り1kmくらい残して、
僕は公園だか一般家庭のお庭だか
よくわからない東屋みたいな場所に寝袋を敷いた。

 

 

 

僕には約束がある。

ここは飛ばす。

明日にはクロアチアだ。

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いやぁ、ここだけの話、
今現在日記が一週間分以上も書いてません。

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活動記録は残ってるんだけど、
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宿ぉ~…そろそろ泊まろうかな…?

 

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