世界一周410日目(8/12)
しれ~っと
ホテルから抜け出した。
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「おい!あんた!鍵を返してくれ!」
とスタッフに言われて、
「友達が中にいるから」と
なんでもないように切り抜けた。
あとから昨日一晩の宿を与えてくれた
心優しきアサイくんがやって来て、
スタッフに事情を説明した。
特に使いの料金が発生するでもなく、
「友達にシャワーを貸して
そのまま泊まってったんだ」で済んだらしい。
ここはクロアチア、スプリットという港町。
「20日間でチェコを含む
国々を回る強行軍ツアー」
を僕はやっている。現在2日目。
クロアチアでどうしても行きたかった場所がある。
日本にいたころから、
いろんな人のブログを通してその街の写真を見てきた。
日本人にありがちな
「〇〇っぽい」と当てはめるのが
ちょっと気に喰わなかったけど、
頭の中で美化されたイメージと実物がどんなものかを
照らし合わせてみたい欲求があった。
ドブロヴニクへ行こう!
![IMG_3450](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
今日もヒッチハイクだ。
距離はざっと200kmくらい。こんなのわけないよ!
だって海岸線を一直線だもん。
らくしょーらくしょー♪
![IMG_3439](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
もうnudie jeansが修復できないくらいに
ボロボロになってしまった。
ヒッチポイントへとバスを乗り継いで向かった。
バスの窓からクロアチアのビーチが見える。
ここはビーチの国なんだなぁ。山もあるらしいけどね。
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![IMG_3452](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
![IMG_3457](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
海はつながっているのに、
なんで日本と海外の海ってこんなにも違うのだろうか?
僕はそこまで海に行ったことはないけど、
海外の海って綺麗だなぁって思う。
ここが観光地化されていて、
海外から来る観光客のために
しっかり海を管理しているってのもあるんだろうな。
昼の11時に僕はスプリットから
20kmほど離れたヒッチハイクのポイントに到着した。
そこには先客がいた。
![IMG_3461](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
暇そうに日陰で足を伸ばして座っていた。
「ドブロヴニクかい?」
「まぁね」
「行き先を代えた方が
良いと思うぜ?」
「なんでさ?
だってドブロヴニクまで
一本道だろ?」
「でも、ここからじゃ遠いよ。
やるんならハイウェイとかだろ」
どうみてもヤル気を感じられない
彼をよそに僕はいつもみたいにヒッチハイクを始めた。
![IMG_3462](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
海岸沿いのバスの終着点は
少し高い場所に位置しており、
車が速度を落として登って来る。
それにバスの止まるスペースがあるので、
絶好のヒッチハイクポジションなのだ
とサイトには書いてあった。
だが、レスポンスは
まったくなし!
え???ここで楽勝でドブロヴニク行きの
車をゲットできるんじゃなかったの??!!
クロアチアってヒッチハイクしやすい
国じゃなかったのぉぉぉ~~~~~???
一時間が経過した。
ブランコ(先にいたヒッチハイカー?の名前だ)は言う。
「2ヶ月前もここで
ヒッチハイクしてたヤツがいたけど、
最低で2時間待ちだったぜ?
場所を代えなって。
マカースカまでだったら
15分もしないで車がつかまるぜ?」
ぐぬぬ…。
確かにドヴロクニクまではかなり距離がある。
ハイウェイじゃないので車もそんな早くは走れない。
ここは助言に従おう。
持っていた段ボールに
「MAKARSKA」と新しく書き加えた。
そして一時間が経過したころに
ようやく車が止まってくれた。
話が違う…。
僕を乗せてくれたのは陽気なカップルだった。
![IMG_3464](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
マカースカの手前までだった行くよとのことだった。
海岸沿いを音楽を流しながら車は飛ばす。
彼女さんは僕に残ったコーラを全部くれた。
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そしておろされた場所で再びヒッチハイクを開始する。
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止まってくれたのは助手席に座った犬とその飼い主。
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ワゴン車の後ろには
DIYの資材みたいなのが積まれていて、
僕はその隙間に立ち乗りするような形で
マカースカまで乗った。
そしてガソリンスタンドで僕はヒッチハイクを開始する。
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![IMG_3476](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
てかもうそろそろドヴロブニク行きませんか…???
ガソリンスタンドで
ちょっと高めのお菓子屋ドリンクを買い込み、
ガソリンスタンド内でボードを掲げる僕を
フロントガラス吹きのバイトの女のコたちは
笑いながら見ていた。
なんとなくドライバーからのレスポンスはある。
だけど、途中まででも乗せてくれるような
車は現れなかった。
旅行シーズンのクロアチアでの
ヒッチハイクで一時間なんてザラだ…。
このガソリンスタンドには
僕の他にもヒッチハイカーがいるようだった。
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ポーランドから来たらしいカップルのヒッチハイカーは
僕と同じドヴロブニクが目的地だったが、
もうヒッチハイクなんて飽きてしまったのか、
二人でずっとじゃれあっていた。
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「ハッ!」
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サッ!「甘い!」
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ハイキックの合間に
ハットのズレを直すこの余裕(笑)。
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「だからそうじゃないって、」
「と申しますとー…」
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「半身ズラして金的でしょ」
「ハウゥゥッッッ…!!!」
しばらくしてオレンジ色の髭を蓄えた
背たかのっぽの
ドイツ人のバックパッカーがやって来た。
ドイツからヒッチハイクで
やって来たという彼は
なんと一日半でここまでやって来たというのだ。
その距離1000km以上。ってすげえ。
![IMG_3487](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
バックパッカーにしては
お洒落な格好をした彼だったが、
大分ヒッチハイクに慣れているらしく、
直接ドライバーに交渉していった。
彼の目的地は少し先の山なんだとか。
「君もここよりは向こうの
ガソリンスタンドの入り口の方が
いいかもしれないよ」
ドイツ人の彼の助言に従って場所をガソリンスタンドの
入り口に代えてみる。
視点を変えればもっといいヒッチハイクが
できることを学んだよ。
同じポジションでやりつづけても意味はないんだ。
20分もしないで車が止まった。
『え?僕のために止まってくれたの?』
って感じ。自分でも分からなかった。
「ドブロヴニクまでね。
乗せてってあげる」
中から女のコが出てきて僕にそう言った。
![IMG_3503](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
喜ぶ僕に、ガソリンスタンドの
スタッフたちが拍手してくれた。
所要時間は2時間あまり。
これでようやくドブロヴニクに行ける…!!!
ボロボロの赤いベンツのワゴン。
中はまるで映画のセット。
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![IMG_3489](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
![IMG_3497](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
![IMG_3490](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
乗っていたのはドイツ人の旅人たち。
そのうちの一人は僕と同じヒッチハイカーだった。
運転手のヤツは上裸でハンドルを握る。
女のコたちはエスニックな服装をしていた。
『これはまるで
ヒッチハイカーバスだな』
と僕は思った。
いっつも思うのは、
あの2時間は僕がこの車に乗るための
時間だったのではないかなってこと。
こういう出会いがあれば
2時間待った僕も救われる。
![IMG_3496](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
巻きたばこを吹かし、窓の外の景色を眺めた。
相変わらずクロアチアの海は綺麗だった。
「行き先はどこなの?」と訊くと、
女のコは「分からない」と行った。
僕が乗ったのはまさに旅する車だった。
![IMG_3502](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
「どうする?
私たち今日は途中までしかいかないの。
私たちと一緒にくるかヒッチハイクを続けるか?」
たぶん彼らと一緒にいたら楽しいんだけど、
僕はほんのちょっと気を遣って、
「ヒッチハイクを続けるよ」と言った。
彼らにお礼を言ってバス停の前で
「DUBROVNIK」と書かれたボードを掲げる。
時刻は17時。
他にも地元のヒッチハイカー
みたいなのがいたけど、彼らはやる気なく
親指を立てているだけだった。
![IMG_3507](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
30分おきにバスがやって来て、乗客を乗せて行った。
そしてまた次の乗客たちがバス停に集まってきた。
なんだかヒッチハイクの見物されているみたいだな。
僕は別に構わないけど、
このシチュエーションってもしかしたら
ドライバーは止まりにくいのかもしれない。
さっきまで地元ヒッチハイカーがいた
ポイントに場所を移り、再び親指を立てた。
隣りには二人の女の子が物珍しそうに
僕のことを見ている。
笑いたきゃ笑えよな!ふんっ!
![IMG_3508](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
結局ここでも1時間以上車を待った。
なんとしてもドブロヴニク行きのバスが
出ているであろう隣り街までは行きたい!
乗せてくれたクールなマダムとその旦那さんの車に
さっきまで横にいた女のコ二人も
ちゃっかり便乗ヒッチハイクしてきやがった。
![IMG_3509](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
なんだよー…。
おれだけ頑張ったのってそんなのアリか?
クールマダムに
「ここでヒッチハイクをしなさい!さぁ!行くのよ!」
と降ろされたのはどローカルなバス停。
![IMG_3512](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
日没までもう残り時間もわずか。
や、やるしかなかろうー…。
向こうからやってくる車のナンバーは
「DU」ナンバーが多かった。
それでも僕を乗せてくれる
希有なドライバーさんは現れなかった。
さっき僕を通り越して行った
散歩中のツアー客がまた戻って来た。
辺りはどんどん薄暗くなり、
僕はついにヒッチハイクを諦めた。
アメリカンスピリットを一本吹かし、気を落ち着ける。
マップアプリを見て、今日の目的地だった
「Opuzen」の位置を確認した。
うん、なんだか行けそうな気がするぞ…。
ていうか行くしかねえ。
明日もここでヒッチハイクなんて嫌だ。
トボトボと歩き出す。
看板に「OPUZEN 14km」と
発見した時にはもう遅かった。
車がヘッドライトをつけて僕を追い抜かして行く。
恐怖でしかない。かすったら致命傷だぞ。
![IMG_3514](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
こういう時に
「よかったら乗せてってあげるよ」
と声をかけてきてくだすったドライバーさんがいたが、
残念なことに目的は逆方向だった。
僕は道路の脇の白線の外側を
一歩一歩かみしめるように歩いた。
横幅50cmが僕の安全地帯。
こんな暗くても、そんなのお構いなしに
速度を出す車にマジで呪いの呪文を
投げかけようと思った。
誰一人として、
「おいおいどうしたんだ?乗ってくか?」
なんて優しい運転手はいない。
甘えだけどー、くそぉ。
![IMG_3516](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
後ろかやって来る車と安全地帯に
心もとなさに僕はiPhoneのLEDライトを
つけっぱなしにして歩いた。
途中にある小さな町の小さなバーで
フリーWi-Fiにありつくことができた。
Googleマップのルート検索で
目的地まで
「徒歩2時間17分」
一晩歩けば行けなくもない。
ようは2時間分歩けばいいんでしょ!
しゃ~~~~!やったら~~~な!くっそ!
なんでドブロヴニク行くの
こんなにキツいんだ??!!マジわけわかんねぇ!
iPhoneのLEDから
KELTYのカンテラ・ライトに切り替える。
相棒が世界一周前に
僕にプレゼントしたくれたライトだ。
![IMG_3520](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
後ろからやってくる車は確実に僕を避けて行く。
これなら大丈夫。轢かれることはない。
なんどもマップアプリを確認して、
重たいバックパックを背負った肩が
限界に達すると休憩した。
クロアチアの道は電灯が少なく、
頼みの綱はカンテラ・ライトだけだった。
22時を過ぎても相変わらず
後ろから爆走で車が走ってきやがる。
大きな川を渡り、畑を横切り、
露店でしまい忘れたであろう
売れ残りのバラバラに散らばったぶどうを食べた。
水分を失った体にぶどうの糖分と水分が染み渡る。
どこからともなく犬の吠えるこえが聞こえたが、
ここには野良犬はいないから大丈夫だ。
キャンプサイトで読書するおじさんと目が合い、
僕はカンテラ・ライトを振った。
おじさんは何もレスポンスを返してこなかった。
そりゃそうか、こんな夜中にバックパックを
背負って歩いているヤツがいたら
不審人物でしかないもんな。
24時をまわって、
ようやくオプゼンの町の
ガソリンスタンドへと僕は辿り着いた。
![IMG_3522](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
トータル30kgの荷物を
背負って歩いた14km。マジでキツかった…。
ガソリンスタンドは
長距離ドライバーのために遅くまで営業していた。
僕はそこでクッキーや
1.5リットルの味つき水を買い、一人祝杯をあげた。
近くにあった水道で歯を磨くと、
僕はガソリンスタンドの裏に
ブルーシートを敷いて寝袋に入った。
はぁ…疲れた…。
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