「手土産」

世界一周519日目(11/29)

 

 

僕は一杯300円もする
アメリカーノを頼んで、席に着くと、
コンセントがあるテーブルに座って
パソコンとiPhoneを充電しながら作業を開始した。

只今20時57分。
いつ追い出されるかヒヤヒヤしながら
キーボードを叩いている。

今日の日記は
スリリングな日記
になるに違いない!

 

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という
どこかの漫画雑誌のアオリ的な
近況報告からスタートしてみるのも
面白いかもしれません。

残された時間は
少ないのでサクサク行きます。

 
えっとー、何したんでしたっけ?

 
そうそう!

マラケシュね~~~!

ようやく脱出ですよ!

雑貨の下見2日。仕入れ2日。郵送1日。
まぁ、最後の一日は
日程調整の意味もありましたね。

あれ?

なんで「です。ます」口調に
なってるんだろう?

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宿のスタッフにお礼を言って
チェックアウトを済ませると、
僕はバスターミナルへ向かった。

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ここはモロッコ、マラケシュ
これから向かう先はカサブランカだ

 

 

3年くらい前に親父が買ってきた
同じタイトルの映画を観たことがある。
もう内容なんてほとんと忘れてしまったけど、
カサブランカでバーを営む主人公が、
以前恋仲だった女性と再会する
っていう話だった(気がする)

物語の舞台となるバーの真ん中には
ピアノがおいてあって、
黒人のピアニストのおっちゃんが
テーマ曲をポロポロと弾いていたような気がする。
全然モロッコっていう気がしなかったな。
そのカサブランカに僕はこれから向かうのだ。

 

 

 

 

滞在することはしない。

宿が高いらしく、見所も
そこまでないとのことなので、
僕は空港泊をやっちまうことに決めた。

マラケシュからカサブランカまでは
3時間の距離らしいが、もっと時間がかかるだろう。
それに30日には
ヨルダンへのフライトが控えている

「もしも」ってこともある。

一日くらい余裕もって
到着しておいたほうがいいだろう。

 

 

 

 

バスターミナルで
声をかけてきたおっちゃんに
「カサブランカへ行くんだよ」と言うと、
出発前のバスに案内してくれた。移動がスムーズだ。
荷物代を含めて70ディルハム(940yen)だった。

 

 

バスに乗り込んで出発を待ったのだが、
なかなかバスは出発しなかった。

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停車しているバスにお菓子売りやら
アクセサリー売りが車内販売をしていた。

中にはまだ10代そこそこの子供たちもいた。
彼らがどんな風に成長するのか想像してしまう。

後からやって来た青年のセールスマンが
熱心に営業トークをして、
塗り薬のような物を売ろうとしていたが、
ひとつも売れている様子はなかった。
大変なんだろうな?

 
自分がもし彼らと同じシチュエーションにいたら
どうするだろうか?とも考えてしまう。

日本で勉強をさせてもらって、
大学にも行かせてもらった僕だから、
「おれだったらこう工夫するな!」
とか考えてしまうけど、

彼らは乗客に
「ティッシュいらない?」
って訊くくらいしか発想がないんだろうな。

もっと行くと、
「ボる」技術とかを身につけるんだろうけど。

いずれにせよ、働くってのは大変だよ。

 

 

 

 

バスは一時間後に出発した。

なんだ。

時間までかなり余裕があったんだな。
バスターミナル周辺は交通量が多く、
なかなか前にすすまなかった。

席がなかったのか、
おっちゃんがバスでわめいていた。

意外とモロッコのバスの出発直前には
喧嘩が耐えないのかもしれない(笑)。

 

 

 

 

 

 

 

 
カサブランカ
に着くまでに4時間半もかかった。

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バスを降りるとすぐに
タクシーの客引きたちが声をかけてきたが、
「電車で空港まで行くんだよね」と言うと
あっさりと引き下がった。

こういうところもモロッコの
好感度を上げるポイントのひとつだ。

 

 

バスターミナルの外で
卵とポテトがはさまったサンドイッチを食べた。

地元のみんなに囲まれて食べるサンドイッチが
いつもより美味しく感じさせてくれた。

 

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「うまし!」

 

 

 

僕は2kmくらい離れた最寄り駅に
歩いて行くことにした。

もうちょっとでモロッコの旅が
終わってしまうのはちょっと寂しい。

 
夕日に滲む
カサブランカの街を後にして
駅までを歩いた。

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これが駅っすね。

 
駅で空港行きのチケットを
どうすれば買えるのかを訊くと、
駅員のおっちゃんは丁寧に教えてくれた。

タッチパネル式の券売機で
40ディルハム(537yen)。

 

 

 

 

 

 

 
乗る電車
を確認して、入り口のすぐのところに
荷物を下ろした。

ひとつ先で乗り込んで来た
欧米人のお兄さんと目があった

お兄さんが入れるように荷物を少しずらした。

お兄さんは
「サンキュー!ナイストリップ!」
とお礼を言った。

 
座れるスペースができると、
僕は荷物と移動した。

さっきのお兄さんと目が合って。
向かいの席に腰を下ろした。

 

 

「ギター持って旅してるの?」

「ま、まぁ。遊びですけどね。
僕は漫画家なんです」

「クール!
もう10年前になるけど、
僕も君と同じようにギターを持って
世界中を旅してきたんだよ」

 

 

そう言うデイヴィッドは
現在セネガルで地域開発に携わっているらしい。

10年前に訪れた国は
50カ国以上に及ぶそうだ。すげーな。

 

 

 

 

そのまま話ながら空港まで向かった。

デイヴィッドは20時の飛行機で
セネガルまで戻るらしい。

セネガルは海が綺麗で
サーフィンとかもできるんだ♪と
デイヴィッド言っていた。

 
「今アフリカに住んでいるんですよね?
マラリアとかってどう対処してます?」

気になっていた質問をデイヴィッドにしてみた。

 

 

「まず重要なのは蚊帳だね。
薬は三種類あるんだけど、
地域によってマラリアの種類も異なるし、
中には服用すると体がダルくなるものもあるから
気をつけた方がいいよ。

僕は今までで4回マラリアに
なったことがあるからね」

 
よ、四回…!!!

 

 

 

話していたら
ご飯をごちそうしてくれることになった。

やーーー!
マジでありがとうございます!!

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カサブランカ空港の第一ターミナルは
絶賛工事中で、薄暗かった。

そこを突っ切ったところにレストランがある。

そんなところにひっそりあるような
レストランなもんだから、お客さんは
僕たち以外に二人しかいなかった。

メニューも100ディルハム(1,342yen)のもののみ。

チキンだとかベジだとか
選択肢があるだけのシンプルなもの。

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ご飯を食べながら
デイヴィッドに色んなことを質問した。
10年前とは言え、旅の先輩だ。

 

 

「今まで訪れた国の中で
どこか一番印象的でした?」

「うう~ん。それは難しい質問だね。
ひとつひとつに良い想いでがあるからね」

「じゃあ、質問を少し変えます。
人に話したくなる旅の経験って何ですか?」

 
デイヴィッドは少し考えて口を開いた。

彼のお皿の上のチキンは
ちっとも減っていなかった。

 

 

 

「そうだな..。

僕が大学生の時に参加した
エクスペディション・プログラムで
南極に行ったことかな?

大きなアイスバーグ(氷山)を見たんだ。
ほら海面から出ている部分は
ほんの一部にしか過ぎないって言うだろ?

船が通れるくらいの大きな洞窟があってね。
それが目の前でひっくり返ったんだ。
あれはすごい光景だった…。

マーサって旅が大好きな女のコがいてね。
その子は残念ながら以前交通事故で
死んでしまったんだけど、
もうそりゃあ大はしゃぎだったよ。

イルカが僕たちの乗っている船と
平行して泳いだのも見た。
あれは綺麗だったな…」

 
デイヴィッドは旅の話を懐かしむように
僕に聞かせてくれた。

話すことに夢中でせっかく運ばれて来たご飯が
なかなか減っていなかった。ごめんね。

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「おっと!もう行かないと!
シミも良い旅をね!
アフリカに来る前は是非連絡してくれよ。
友達をよ紹介できるかもしれないから!
それとカナダに行く時も連絡をくれ!
面白いヤツを紹介できるかもしれない!」

「ご飯、ごちそうさまでした。
話ができてよかったです!」

「これ君に渡しておくよ」

 

 

 

 

手渡されたのは
丸められた20ディルハムが二枚

その中にアメリカドル、
100ドル分が包まれていた

 

 

 
「いやいや!ちょっと!
さすがにこんなのもらえませんよ!」

「僕も旅の中で
沢山の人に助けてもらったからね。
君の漫画のためか
マラリアの薬を買うのに使ってくれ。
それ以外で使っちゃダメだぜ?」

「ありがとうございます。
僕もこれをいつか別の旅人に
回せるようになります」

 
デイヴィッドは足早に去って行った。

出会って3時間も経っていない。
それで感じるこの繋がりみたいなのは、
僕たちがお互い旅が好きだからだろう。

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ご飯を残しては、
せっかく作ってくれた人に悪いかな?
と思ったので満腹でも我慢してかっこんだ。

その姿を見たレストランのスタッフは、
僕にまた新しいプレートをくれた。

チキン、ライス、ポテトが乗っている。

 

 

「うえっぷ。
すいません!もう喰えません!」

そう言うと、スタッフはわざわざ
タッパーに入れてビニール袋に入れてくれた。
余ったリンゴ二つとパンも入っていた。

 

 

 

 

『最後の最後に
モロッコから手土産を持たせてもらったな』

 

 

 

わずか10日間の旅だったけど、
一度として嫌な思いはしなかった。

メルズーガで一瞬ボラれたかなと思ったけど、
あれは今となっちゃあ笑い話だ。

 

 

スタッフに頭を下げてお礼を言った。

 

 

 

 

 

 

 
空港内のカフェで
20ディルハム(268yen)もする
コーヒーを飲みながら日記を書いた。

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3時を前に、
ベンチの下に銀マットを敷いて寝袋に入った。

荷物は念のため紐で結びつけておいた。

 

 

 

空港内に流れる音楽に耳を澄ますと、
ゴッドファーザーのテーマが
流れていることが分かった。

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ABOUTこの記事をかいた人

「旅する漫画家」。世界一周後(2013-2016)、現在は海沿いの町に潜伏中。そろそろ旅がしたいぞ!