「そうして僕はみんなに別れを告げる」

世界一周639日目(3/30)

 

 

楽器屋が

どこにあるか訊くとエリオットはスマートフォンで
すぐに住所を調べてくれた。

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部屋はパッキングが始まっており、
数日前からエリオットは家に帰ってくると
マユさんが乗る自転車のカスタマイズをしていた。

明後日に南アフリカを自転車で縦断し、
イギリススを目指す旅が始まるからだ。

 

 

 

ここは南アフリカ、ケープタウン
マユさんとエリオットの借りている部屋

皆各々出発に向けて準備を進めている。

僕も今日の14時半にバスに乗ってケープタウンの町を離れる。

 

 

 

 

 

エリオットが調べてくれた通りの場所に
MARSHAL MUSIC SHOP“という楽器屋があった。

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楽器屋に来るといつもワクワクしてしまう。

外から見えるディスプレイも、
あの独特のBGMがかかっているのに
人の声はあまりしない「しん..」とした感じ。

何よりアコースティックギターが陳列されているのを見ると
テンションが上がる。

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「ハロー!」と店員に挨拶をして見せてもらったのは

ハーモニカだった。

 

 

僕はマユさんとエリオットに何かお返しがしたかった。

なんせ一週間も家に居候させてもらったからだ。

できる範囲で料理の手伝いとか皿洗いはさせてもらったけれど、
プライベートな時間も少なくなってしまっただろうし、
食事を作るのに金だってかかっている。

だからと言ってお金を払うのは、また違う気がする。

僕が思いついたのは、

「アフリカの旅で役立ちそうなものをプレゼントする」

ということだった。

 

 

まず一番に思いついたのは、
相棒が僕に渡してくれたように旅のマスコットキャラクター的な
ぬいぐるみをプレゼントするというアイディアだった。

先日ウォーターフロントに行った際に、
デッドベアのようなぬいぐるみを見つけることはできなかった。

(僕の持っているぬいぐるみは「グレイトフルデッド」というバンドの
マスコットキャラクターで、”デッドベア”と名前で、種類が沢山ある)

 

 

二人の旅はもちろんキャンプの旅になるので、
ギアをプレゼントしてもいいかなと思ったのだが、
二人は僕よりもキャンプの熟練者なので、
僕がギアを買ったところで邪魔になってしまうことが懸念された。

 

 

 

ならばやはり楽器なのではないだろうか?

アフリカでもギターやハーモニカはあるだけで
現地の人たちとのコミュニケーションを楽しいものへと変えてくれた。

ハーモニカだったら簡単だし、
凝り性のエリオットならすぐにうまくなるだろう。

そんなわけで、僕はここに楽器を買いに来たのだ。

 

 

他の国でもそうだが、日本で買う方が安いものがほとんどだった。

予算ギリギリで日本製の小ぶりな10ホールのハーモニカを買った。
コードはスタンダードな「C」がなかったので、
「C」と音階(?)が同じの「G」だ。

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ついでにギターの弦もセットで購入しておいた。

今回買ったのは「エリクサー」という値が張るヤツだった。
だがこの弦は錆びなずに切れにくいことでも有名らしいのだ。

 

 

レジの脇に商品をキープしてもらい次にしたことは、ギターの試奏。

斉藤一義が何かの番組で
「楽器屋で試奏するのが好き。高いギターが弾けるから」
と言っていたことを思い出した。

 

 

そうなのだ。

何十万とするギターでも、試奏はやらせてくれる。

いつかは手に入れたいと思っている
マーティンのギターを適当にチョイスして、
15分くらいポロポロと弾かせてもらった。

 

 

店内にはスタッフを覗いて客はほとんどいなかった。

思いっきりシャウトしたいところだけど、
我慢して小声とファルセットで自分の歌を唄う。

マーティンのギターは、今僕が使っているエピフォンのギターに比べると
音が格段にいいのだが(そりゃそうだ。10万以上もするアコギなんだもん)
弦が抑えにくい気がした。

プロはこれを自由自在に操るってんだからすごい。

クレジットカードで支払いを済ませて見せを出た。

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一時間半

ほどカフェでコーヒーを飲みながらブログのアップをして、
12時過ぎにチェッカーズで食糧を買い込んだ。

というのも、これから丸一日のバス移動と
二日間の空港生活が始まるからだ。

キャンプの時にエリオットが買っていた材料とほぼ同じ、

食パンやアボガド、クッキーやヒマワリの種を買った。
総額2000円分。あれ?ちょっと買い過ぎたかな?

 

 

 

 

マユさんたちのところに戻るご部屋一面には道具が散乱していた。

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出発に向けたパッキングが最終段階を迎えており、
マサトさんが椅子の上で窮屈そうに
パソコンのキーボードを叩いていた。

僕は買ったハーモニカに値札がついてたことを思い出した。

後ろを向いてコソコソしていると、
マユさんが「シミくんまたハーモニカ買ったの?」と訊ねた。

あはは。今渡すしかないようだね。

僕がお礼と共にハーモニカを渡すと、エリオット僕にハグをしてくれた。

 

 

「これでガキんちょの50%は落とせるから!」

「あぁ、ありがとう」

 

 

準備を一時中断して、さっそくハーモニカを吹きはじめるエリオット。
音楽好きということもあって、
デタラメに弾いている割には曲っぽくなっている。

漫画家の松本大洋さんに言わせれば、
ハーモニカ上達のコツは最初はデタラメに吹くことらしい。
「GO!GO!モンスター」って漫画に出てくるセリフ♪

 

 

 

 

「シミくん、今日出発でしょ?時間はいいの?」

「あ~、14時半なんで13時に出れば大丈夫っす」

「え?もう1時だけど?」

 

 

 

僕は焦った。

冷静に散らばった荷物をかき集めようとして、
ポータブルバッテリーを思い切り床に落としてしまったりもした。

だ、大丈夫です。とか言うけど、
いつも時間にビビりな僕の脳裏には嫌なイメージがつきまとう。

乗る予定のバスはインター・ケープ車のもの。時間には正確だ。

慌ただしくマユさんとエリオットにお別れを言った。

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マサトさんがバスターミナルまで僕を見送ってくれることになった。

 

 

「いやぁ、この一週間マジで楽しかったっす♪
自分一人だったらキャンプとかしなかったですもん」

よくよく考えたんですけど、
それもこれもやっぱりマサトさんのおかげなんだなって思います。
不思議なもんですよね。ブログやってただけだってのに。
そういうとことはブログに感謝っすね」

「おれもめちゃくちゃ楽しかったよ♪」

 

 

早足でバスターミナルに到着すると、
チェックインの受付が開始されてところだった。

列に並び、なぜか車内に持ち込みするサブバッグ分の
重量も加算されて合計25kgで追加料金がかかった。

もう財布の中には400円程度しか残っていなかった。

 

 

「それじゃあ今度はメキシコで会いましょう!」

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自分のシートに着き、外を見ると、
マサトさんがカメラを構えてスタンバイしているのが見えた。

最後の最後まで見送りをするだなんて、
そういうところが人に好かれる理由なんだろうな。

時間になってバスはゆっくりと発進した。

マサトさんがいつまでも手を振ってくれているのが見えた。

 

 

 

 

 

 

 

郊外

に出てしまうと、岩肌をむき出しにした山々と平地が
どこまで続いていた。

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iPhoneのリーディングリストに残しておいた坂口恭平さんの日誌を
ひたすら読みまくった。

安定した生活ではないのに、この勝ち気はなんだだろうと
僕は日誌を読んでいて感心せずにいられなかった。

この人はめちゃくちゃ読書しているし、引き出しの数が多い。

自分とほとんど同じくらいの日誌だ。
アーティストとして今後どんな風に自分が知識を増やしていけばいいか、
活動の場は違えど、ヒントが隠されている様な気がした。

 

 

そして僕は日が沈むまで外を見ながら久しぶりに
iPodでMr.Childlenの「シフクノオト」と「I ♥ U」を聴いた。

前者はアコギのサウンドがほとんどの曲に入っているが、
後者はどちらかと言えばエレキギターのサウンドが強い。
何より桜井和寿のボーカルに変化が顕著だった。

こんな声で唄い続けたら喉が潰れてしまうんじゃないか?
ってくらいシャウトとかすれた感じのボーカル。

歳をとって同じ曲を聴くと今までは
意識しなかったことに注意するようになる。

ミスチルの音楽を聴きながら、出会った人たちのことを考えた。

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2 件のコメント

  • 何度も書きますが、私はシミさん、まさとさんの
    二人のファンなので、二人が仲良く旅をしているのが
    とても嬉しいです。
    メキシコにも続くのですか!
    小説よりも小説らしいですね!!

    • >あっきーさん

      返信随分遅れてしまってすいません。

      最近絵を描く時間を増やたせいもあって、
      ブログの更新なんてほったらかしにしてました。
      いつもコメントありがとうございます。

      マサトさんと僕の旅のルートは独特なんですよね。
      みんなが行くウユニ塩湖には行かない代わりに
      他の国を訪れる時間を長くとっている。

      そしてそのせいもあってか、
      アフリカの時のように旅路が重なったりするんです。

      6月頃かな?
      もしかしたらまたマサトさんにはお会いできるかもしれません。
      再会することは決まってはいませんけどね。
      会えればいいなと思っています♪

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