「バカは風邪をひかない」

世界一周646日目(4/6)

 

 

寒さで

眠れないってのに、

 

 

どうして僕は風邪をひかないのだろう?

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バカは風邪をひかない」と言うが、
僕はそれを認めざる得ないようだ。それともヒマワリの種のおかげか??!!

たぶんまともに寝られたのは最初の2~3時間。
寒さで目が覚めてからは地面からの冷えに何度も寝返りを打って朝を迎えた。

 

 

 

ここはカナダ、オタワ
首都だってのに、異常なほど人が少ない。
そして僕はシャワーも浴びずにキャンプしている。

 

 

 

風呂なし生活が今日で8日目なのだが、
今のカナダは寒過ぎて汗をかくこともない。
髪の毛は三日前に空港で洗ったきりだが、ベトベトしていない。

冷凍保存された死体の保存状態がいいのを思い出した。
寒いってそいういうことなんだろうか?

 

 

今日もテントの外では犬が吠えていた。
そして飼い主が犬の名前を叫んでいた。

僕はそんなことお構いなしにテントで食パンをかじり、
のんびりと撤収作業に入った。

ブーツを穿くと指の感覚がなさ過ぎて最初はヨロヨロとしか歩けないが、
だんだんと体を動かして行くうちに指の先まで血液が回っていく。
それに応じて体の調子も元に戻っていく。

ひとまず昨日スーパーで気になっていた2.6ドルの
特盛りのポテトチップスを購入し、
道端で売られているトッピングし放題のホットドッグで野菜を摂取した。

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うひゃ〜〜〜〜!!!

 

 

そして食後のマクドナルドでコーヒーを飲めば心の豊かさは保たれる。

マクドナルドではコーヒーを7杯飲めば一杯無料
というキャンペーンを行っていた。
カップにはキャンペーンの施行日が2013年となっていたのだが、
このキャンペーンは果たして有効なんだろうか?
と考えながらもカップのシールをはがして台紙に貼付けた。

 

 

外は相変わらず寒そうだった。
こんな気温と曇り空の下で、宗教の勧誘なのだろうか?
ふくよかな女性が道に立っている姿を見ると、
何が彼女をそうさせているのか気になってしまう。
彼女はお給料をもらっているのか?とか。

 

 

 

 

 

コーヒーを飲み終えると僕は街に出た。

せっかくオタワに来たのだ。僕は今日はオタワを見てまわりことにした。
ここには何があるのだろうか?

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歴史を感じさせる大きな教会があったが、
中に入ってまで見ようとは思わなかった。

川は凍り付いているようで、
川の表面には雪が積もっているのが遠くからでも分かった。

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僕はそれを横目に、人がいそうな場所へ歩いていった。

昨日よりかはいくらか人の姿をみかけるのだが、
街の大きさと人口が比例していないことは間違いないだろう。

大きなビルの間を歩いていると、街の寂しさがより一層感じられる。
ここに住んでいる人たちはどこに行ってしまったのだ?

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この街で一番大きなショッピングモールらしき場所
に行っていみると、そこは沢山の人で賑わいを魅せていた。

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AppleストアでUSBコードを買おうかと思ったのがだ、
なんと23ドルもするので、僕は購買を見送ることにした。

外はアホみたいに寒いのだ。
人々が屋外に非難する気持ちがよく分かる。

できることなら僕も一日中どこか室内でぬくぬくとしていたいよ…。

 

 

 

 

 

 

 

一方、

僕の中ではムクムクと

「バスキングしたい」

欲求が鎌首をもたげた。

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どこが一番いいポジションなのか?

僕はショッピングモールから出たり入ったりを繰り返して
場所を探したのだが、全くバスキングに最適な場所は見当たらなかった。

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そして追い打ちをかけるように雪…。

 

 

 

ええいままよと、
建物と建物をつなぐ通路のような場所でギターを静かに鳴らしたが、
二曲目で警備員が登場し、すぐにストップがかかった。

「良い声なんだけどね。すまんね」
とかなり好意的な言葉をかけてもらったのが嬉しかった。
それでも一瞬で2ドル入ったのには驚きだった。

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きっとこれから何度かバスキングをするだろうと思う。

手持ちのお金も50万円を切っている。
少しでもお金が欲しいところだ。

基本はキャンプ生活なのでかかるのは旅をする上では
食費と時々の交通費、そして観光費なんかだろう。

もちろん雑貨も引き続き仕入れたいが、お楽しみは南米。今じゃない。

 

 

 

バスキングをするにあたって、僕は
いくつかルールを設けることにした

ひとつは極力自分のオリジナルの歌しか唄わないということ。

僕の曲を知っている人なんて一人もいない。
得られたレスポンは100%僕から生まれたものだ。

あぁ、エルレの「風の日」と「Surfrider Association」は
お気に入りだから唄うことにする。例外ね。
あとベタだけど、かなりアレンジの入っている”Stand by me”かな。

 

 

 

そしてもうひとつは

似顔絵を描く

という新しいバスキングをするということだ。

今までは自分の絵に価値をつけることができなかった。

それは、自分の絵のレベルでお金をもらうことなんて
できないと思っていたからだ。

だが、いくつかの依頼を受けることにより、僕も自信がついてきた。

設定された金額でやるのには、
絵一本に時間をかけなければならない。

釣りの様に人を待っているのは時間がもったいない。
これは音楽に興味を持ってくれた人宛だ。

なお、

「所要時間か5分以内。チップはあなた次第です!」

という文句を付け加えておくことにした。

 

 

 

 

 

僕は他の場所を探してみることにした。

辺りをふらふらしていると一人バスカーを見つけたので、
そこら辺に露店を出している人に
ここでバスキングができるか訊ねてみると、
パーミッション(許可証)がいると言うのだ。

そうでなければどこそこの通りねとアドバイスまでくれたので、
僕はその場所へ向かった。

 

 

場所は先ほどの建物を繋ぐ通路の下。

人通りはあるのだが、道路に面しており、騒音もそれなりにある。

ただ、僕は唄いたかった。

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すぐに一人のおっちゃんが足を止めてくれた。

日本の原子力発電所の問題に感心があるようで、
少しお喋りした後に僕のオリジナル曲をじっくり聴いてくれた。

「いいね!」と言ってコインをジャラッと入れてくれた。
ありがとうございます。

 

 

オタワの街は唄うには、適した場所ではないと思うが、
人々のレスポンスはなかなかに好意的だった。
誰一人として知らない日本人が唄う英語の歌。
それも文法だとか語法無視の英語だ。

彼らは『あぁ、なんか英語っぽいなぁ』
くらいにしか思わないかもしれない。

ただ、そこにレスポンスが生まれるのは嬉しい。

 

 

 

足を止めて紹介文を読んでくれた子連れのお母さんから
初めての依頼があった。

というかこういう場合、
自分から「描いて!」とは言いにくいと思ったので、
「よかったら描きますよ?10セントだって構いやしません!」
とセールスをかけると
「それじゃあ描いてもらおうかしら」といった具合になる。

 

 

娘さんは小汚い僕に恐怖心を抱いていたので、
サッと写真を撮り、それを頼りに一枚仕上げた。

 

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寒さでかじかむ手、テーブルのない屋外というシチュエーションで
シャーペンで下描きをし、サインペンで仕上げる。

僕は自分の描いた絵がどんなシチュエーションで飾られるかを考える。

額縁に入れてもらえたら最高。
家のコルクボードなんかにピンで刺してもいい。

表面がザラザラしたスケッチブックならではの暖かみ。
旅する漫画家が描いたキャラクターに落としこんだ似顔絵。

サインペンでペン入れした後は塗消しで線まで消す。

 

 

 

「はいお待たせしました!」

そう言ってお母さんに娘さんの似顔絵を手渡した。

娘さんは2ドルコインを入れた後に、
お母さんに「これも渡してきなさい」と言われて
僕に渡してくれたのは5ドル札だった。

 

 

僕の絵が7ドルで売れたのだ。

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バイバーイ!

 

この日のアガリは31ドルだった。自分でも驚きだ。
そして僕はこの似顔絵パフォーマンスが路上で通用することが分かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜は

マクドナルドで寝るまでの時間を過ごした。

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日記とも言えない自分の思考を文字にして
新しく買ったノートに書き込んだり、
絵を描いているうちにあっという間に時間が過ぎた。

何人かのメンバーは昨日もここにいた人たちだった。

うまく英語の喋れない小柄な黒人の兄さんが僕に
「iPhone6が使えないんだ」と相談する。

う~~~ん。
きっとどっかのブラックマーケットから仕入れてきたらしいiPhone6は
設定の段階でsimカードの差し込みを要求してきた。
お兄さんは当然ながらsimカードを持っていなかった。

「ショップに行って相談したほうがいいよ」とアドバイスをすると、
お兄さんは困った様な顔をして
そのiPhone6をコートのポケットにしまった。

 

 

 

「その席、次に貸してくれないか?」

と声をかけてきたのは、中年太りのおじさんだった。

こういう時はお互いさま。
30分で残りの作業を切り上げておじさんに
コンセントに近い席を譲った。

おじさんは「ありがとう」と言って嬉しそうにして
パソコンを充電しながら作業していた。

 

 

 

夜のマクドナルドの不思議な一体感。

どんな場所でも似た様なシチュエーションにいる僕らは
アパートの住民みたいなものだ。

24時を過ぎると僕はマクドナルドを後にした。
僕は昨日と同じ公園にテントを張った。

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