「15:00から21:00」

▷12月16日/ニュージーランド、オークランド

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ニュージーランドのWi-Fiの遅さについては前も話したと思う。

うんと遅いんだ。南米だってこれよりもっとマシだったんじゃないの?!って思えるほどに。

 

写真の整理がしたかった僕は今日は図書館のわきのカフェには行かずにスターバックスに行ってみることにしたんだ。世界規模に展開されているチェーンテンだからね。さすがにWi-Fiは早いだろうと思ったわけさ。

物価の高さもあり、コーヒーはやっぱり他の店よりもちょっと高かった。僕はアメリーノにミルクをつけてもらってコンセントのある席についた。

それでWi-Fiに繋いでみるとどうだろう?一時間の制限があるばかりか、スピードもクソ遅いじゃないか!!!写真のアップロードなんて10時間かかるんじゃないかってくらいに遅かった。

僕はイライラしながらFacebookに写真のバックアップを残したんだけど、あっと言う間に一時間が過ぎちまった。幸い一時間分のパスワードをスタッフからもらえたんだけど、こっちもテンでダメ。

 

スターバックスは客で混んでいるんだけど、彼らは何をしにここにやって来るんだろう?Wi-Fiが遅くて不機嫌な顔をしているのは僕くらいのもんだったよ。スタバって作業するためにあるんじゃないの?僕がビジネスマンだったらテーブルひっくり返してるよ。まったく。

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パジャマで来店とかマジでお洒落さんだな。

 

 

 

 

それでもまだ作業をしたりなかった僕は図書館に向かうことにした。

別に図書館じゃなくても”Auckland Wi-Fi”っていうのが手に入るんだけど、やっぱり図書館の方が感度がいい気がしたんだ。だけど、僕のiPhoneじゃやっぱりダメだった。せいぜい調べ物をするので精一杯。

 

結局僕は諦めてバスキングに向かうことにした。その前に楽器屋さんでピックと弦を買ったんだけど、めずらしくこっちは安い感じがしたな。まぁ、この街じゃ音楽ではレスポンスがかなり薄いんだけどね。

 

 

 

 

 

 

お金を払ったのに満足に作業ができなくて、おまけに時間だけ使ってしまったような日にはひどく損をした気分になる。

いつものポジションにバックパックを下ろすと、僕は漫画を描き始めた。レスポンスが得やすい時間はあるようで大体は17時から徐々にお客さんが増え出すって感じだ。

 

 

 

気分が乗らないときでもいい出会いがあると気分はずっと晴れる。今日会った面白いヤツはリャンと言う名前の中華系のヤツだった。

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僕の隣に腰をかけると、ギターを弾き出した。いや、勝手に弾きだしたわけじゃないけどね。ちゃんと僕に断ったよ。

それで歌い出したのはジャズだったんだね。いやぁ、それに彼はいい声をしていたんだ。もし彼がバスカーだったらコイン渡してたかもいれないな。

彼の演奏と歌を聴きながら僕は似顔絵を描いた。二人とも地べたに座るようでさ。何か僕たち周りだけ特別な空気に包まれていたね。

 

 

この時に中華系の人から(マレーシア出身って言ってたかな?)依頼が入ったんだ。

息子に漫画を描いて欲しいっていう依頼でさ、漫画ってのは似顔絵と違うわけだからそんなにすぐ1ページが描けるわけじゃない。

それでどんな話を描けばいいんのかと聞いてみると「アントマン」だって息子さんは言うじゃないか。参ったね。せめてスパイダーマンとっでも言ってくれれば描けたものの、超新しいじゃないか。きっと最近映画を観たんだろう。

 

僕はiPhoneが使えなかったし、アントマンなんて予告編くらいしか見たことがなかったから、ほとんど想像で描くしかなかった。

僕が作画に苦戦しているとリャンが自分のスマートフォンでアントマンの画像を検索してくれたことが大分助けになったね。それでも短時間で仕上げなくちゃならなかったのは漫画家泣かせだったよ。

依頼してきたお父さんからは20ドルがもらえた。話に息子さんを登場させたのがウケたのかもしれない。

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リャンの方はしばらく僕に付き合ってた。

雨が降り出すと屋根のある場所まで荷物を運ぶのを手伝ってくれさえもした。

 

似顔絵を注文する人が周りにいなくなると、僕の横でノートに何か書き始めたんだよ。日本語で書いてあってね。

そこから彼は僕に12ページの漫画を描いてくれるようにお願いしてきたんだ。

彼は大学生だったけど、どうやら作家志望らしい。それで自分の考えた話を漫画に描いてくれということだった。リャンはギターケースに20ドル札を3枚入れると、それが原稿料だと言った。

 

正直に言うと、12ページも漫画を描いて6000円にも満たないんじゃ割に合わないよ。いくらアマチュアとは言え、1ページ7000円は欲しい。それだけ漫画を描くには時間がかかるし、それを描く場所も必要だからね。

リャンは僕がストリートで漫画を描いているのを見て、そのレベルでいいのだと僕に言った。僕はカネに目がくらんだわけじゃないけど、リャンの依頼を受けることにしたんだ。誰かとのコラボレーションも面白いじゃないか。

 

 

 

リャンと漫画の打ち合わせをしているとカップルが足を止めた。女の人の方はスリムでチャーミングな笑顔をしている人だったな。男の人はフランス人っぽい頭の禿げ方で、鼻がとんがった人だった。

女性の方は僕の出している看板を見てちょっとテンションが上がってた。なんと彼氏さんの方が漫画家だっていうんだよ。それで僕はコネを作ろうと頼まれてもいないのに無理矢理似顔絵を描いたんだよね。

まさかニュージーランドで漫画家に会うなんてさ!驚きだよ。ここでずっと漫画を描いていた甲斐があるってもんだ。

 

そのニュージーランドの漫画家に作品を見せてもらったんだけど、漫画家と言っても日本の漫画みたいなやつじゃなかった。スマートフォン用のゲームのキャラクターをデザインしているよるで、レトロでポップで、ちょっとダークが入ったような作風だった。「パワーパフガールズ」の悪役を思い浮かべてもらえばいいだろう。

 

 

 

 

リャンと別れた後は三組ばかり似顔絵を描いた。

家族旅行中の三姉妹だとか、タイかベトナムっぽい言葉をしゃべる女のコ、ヘソの出た中東っぽいぽいドレスを着た彼女の写真を見せてきたヤツ。

その最後に依頼してきたソイツがね、お金がないからATMでおろしてくるっていうんだよ。僕はそこで彼のことを待ってたんだけど、ソイツはいつまでたっても戻ってこなかった。

僕はお金がもらえないなんて初めてのことだったからかなり落ち込んだ。そんな彼女にプレゼントする似顔絵の代金を踏み倒すヤツにロクな奴はいないと思ったね。

 

 

僕はしばらくはモヤモヤしっ放しだったんだけど、今日の出会いのことを考えたら一枚くらいの似顔絵をタダで描いてもいい気がしてきたんだ。

この日のアガリは170NZドル(¥13,875)あった。リャンに先払いされた60ドルを差し引いても110ドル。十分じゃないか。まだ金にしばられるのか?

そう考えるとだんだんと気持ちは落ち着いてきた。それでもソイツに出くわさないかとクイーンストリートを一往復して、バーガーキングでアイスを買って気を晴らした。

 

 

だけど、次の日の路上でソイツからちゃんとお金はもらえたんだよね。

まぁ今日の日記はそんなとこ。

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